2019年02月

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ベイカーズは、ジムビームの誇るスモールバッチ・コレクションの一つで、92年からコレクションの三番目として発売されました。その名はベイカー・ビームにちなんで付けられています。彼は、同じくスモールバッチ・コレクションの筆頭とも言えるブッカーズの名の由来であるブッカー・ノーのカズン(はとこ?)であり、ジム・ビームことジェイムス・ボーリガード・ビームの弟であるパーク・ビームの孫に当たります。父親はビーム蒸留所の伝説的マスターディスティラー、カール・"シャックス"・ビームです。
蒸留一家に生まれたベイカーは弟のデイヴィッドと共に、蒸留所の上の丘に建つ、現在ではジェレマイア・ハウスと呼ばれる「大きな白い家」で育ちました。子供の頃、彼らは後にヘヴンヒル蒸留所のマスターディスティラーとなるいとこのパーカー・ビームと一緒に、蒸留所の向かい側のバーンハイム・フォレストで自転車に乗って遊んでいたそうです。ビーム家の他の殆どの人と同じように、兄弟は自然と蒸留所で働くようになり、長年に渡りクレアモントで蒸留所の職務を分担しました。ベイカーが最初に蒸留所で働き始めたときは夜間警備員だったと云います。その後、整備から蒸留まで蒸留所の様々な仕事をこなし、最終的にクレアモント・プラントでヘッドディスティラーに登り詰めました。同じ頃、ブッカーはビーム・ファミリー第六世代マスターディスティラーになる前にボストン・プラントを監督していました。
バーボン史的に言うと、1980年代半ばから90年代初頭にかけてのシングルバレルやスモールバッチと言われるプレミアム・バーボンの誕生が、現在のバーボン人気の礎を築いたと見られています。当時、消費者(海外市場、特に日本市場の)はスコッチのシングルモルトのようなもう少し高級なバーボンを求めました。或いは逆に、酒類販売会社のPRが消費者をそのように育てた側面もあったでしょう。ブッカーはブランド・アンバサダーとして「スター性」を持った最初のマスターディスティラーでした。スモールバッチ・バーボンを世に広めた功績は計り知れません。しかし、ベイカーは知名度こそブッカーに劣るものの、ビーム蒸留所のメイン・ファシリティであるクレアモントでディスティラーをしていた人物です。ビームの二つの工場では、ベイカー、デイヴィッド、ブッカーが同時にディスティラーでした。ベイカーはクレアモントでデイ・シフトを、デイビッドはナイト・シフトを担当しました。ブッカーはボストンです。二つのプラントの相対的なステータスを考えると、ベイカーは蒸留技術者としては寧ろブッカーより重要だったと思われます。ベイカー・ビームとはそれほどの男なのです。では、そのバーボンはどのようなものなのでしょうか?

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(手前がベイカー、奥がブッカー)

ベイカーズはベイカーの個人的嗜好にインスパイアされたバーボンだと言います。マッシュビルは通常のジムビームと同じ77%コーン/13%ライ/10%モルテッドバーリーで、酵母も同じ。そして最低7年熟成、107プルーフ(*)でのボトリング。ビームのスモールバッチ・シリーズは、一説によると通常のジムビーム・ラインより蒸留プルーフが低いともされていますが、公表されてはいないので真相は判りません。また、ベイカーズをクリエイトするためのバレルは、ラックハウスの上層フロアからのみ選ばれると伝えられることがあり、サントリーの公式サイトでもフレッド・ノーの言葉を引用する形で「ベイカーズは上段の8~9段(**)で7年超の熟成を経たもの。樽香の芳しい、最もパンチのあるフルボディタイプ」と書かれていますが、ベイカー本人によれば最上階を含む倉庫のあらゆるところから樽を引き出して、力強いフレイヴァーとベイカーズ自慢の絹のように滑らかなフィニッシュを持ったバランスの良いミディアムボディのバーボンを造る、とのこと。
余談ながら、ベイカーはベイカーズ以外のバーボンだったら何が好きですかという質問には、同じスモールバッチ・コレクションのベイゼル・ヘイデンズと答えています。

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ベイカーズは発売当初は上画像左のデザインでした。「B」の大きい現行のデザインになったのは97年頃と思われます。バッチナンバーの数字に熟成年数の7を足した推測です。ラベルにはバッチナンバーの記載はありますが、 手書きではないですし、ダミーというか、それっぽく見せただけのような気がします。おそらくラベルデザインの違いによる二種類しかないのではないでしょうか?  ご存知の方はご教示ください。
さて、今回は新旧対決と行きたかったんですが、旧ラベルのほうは数年前に飲み終えてしまい、サイド・バイ・サイドでの比較ではないのでオマケです。

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BAKER'S Aged 7 Years 107 Proof
batch no. B-90-001
ボトリング年不明、推定2017年。キャラメルマキアート、アーモンド、フルーツガム、焦げ樽、トーストブレッド、エナジードリンク、トマト。スイートなアロマ。イースト由来とされるビーム・ファンクも。ほんの少しバタリーな口当たりで、度数のわりにするりとした喉越し。余韻はハイプルーフから期待されるほど長くはない。基本的にはオーク、ナッツ、フルーツ、スパイスのどれもが突出しないバランスだが、残量が半分くらいになってからはキャラメル系の甘い香りがやや減じ、オレンジでもリンゴでも洋梨でもチェリーでもメロンでもない、あのビーム・フルーツとしか言い様のない独特のフルーティさが強く顔を覗かせた。また、一二滴の加水だとストレートとあまり変わらないが、四滴ほど加水すると味わい的には薄めたブッカーズに近いものを感じるようになった。
Rating:85/100

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BAKER'S SEVEN YEARS OLD 107 Proof
batch no. B-85-001
ボトリング年不明、推定90年代。飲んだのが数年前なので細かいことが言えないが、現行のものほど甘味がなかった気がする。ロット間、もしくはボトルコンディションの差なのだろうか? それなりに濃くはあるものの、あまり旨味も感じられなかった。そこがビームらしいと言えばらしいのだが…。
Rating:84.5/100

Thought:ジムビームのスモールバッチ・コレクションの中で、おそらく一番売れてないのがベイカーズだと思われます。他のコレクションのバーボンにはヴァリエーションや限定リリースがあるのに、ベイカーズだけないからです。人気がない理由は主に3つ思い付きます。
①製品仕様のキャラ立ち
ベイゼル・ヘイデンズは唯一マッシュビルが違い、尚且つ低プルーフ、そして独特の意匠のラベルデザイン。ノブクリークのボトルデザインも独特です。ブッカーズはバレルプルーフでアンフィルター。どれも個性が際立っています。それに比べてベイカーズは、ボトル形状はブッカーズと似ているし、プルーフもノブクリークとブッカーズの中間です。これではどうも中途半端な立ち位置の印象を与えかねません。
②人物の知名度
スモールバッチ・コレクションを創始したブッカー・ノーと較べると、どうしたってベイカー・ビームの知名度は劣ります。これは対外的なディスティラーと対内的なディスティラーという役割違いに由来するのでどうしようもないです。ベイゼル・ヘイデンにしてもオールド・グランダッド関連で名前が挙がる人だけに、知名度の差は埋めようもないでしょう。ノブクリークのみ小川の名前ですが、その説明の際にリンカーン大統領が持ち出されたりしては勝負になりません。
③ラベルのデザイン
そして①の延長線上の話ですが、個人的には何よりベイカーズのラベルデザインが一際悪いと思っています。他の3つと比較して余りに手抜き感が否めない。いや、そもそもなぜベイカーズだけがラベルのリニューアルをしたのかが不明です。ノブクリークとベイゼル・ヘイデンズは発売当初と殆ど変わらず、ブッカーズはマイナーチェンジぐらいに留まっている。なのにベイカーズだけ大幅にデザインが変更されているではないですか。個人的にはリニューアル前の方がよほどカッコいいと思います。
それとラベルではないですが、特に駄目なのはワックストップです。これでは、ただでさえボトル形状がブッカーズと似ているのに、ワックスシールドしたら余計に似て、安易なブッカーズの廉価版に見えてしまいます。そこに来て大きな「B」ですよ? ブッカーズだって頭文字はBですからね? そろそろデザインの刷新を図るべき時期が来ているのではないでしょうか。せっかく美味しいバーボンなのに勿体ないです。まあ、こんなところで文句を言ってもしょうがないのですが…。


*オールド・ウェラーなどにも見られる107というきりの悪い数字は、バーボン業界では伝統的な数値です。1962年以前、110プルーフがバレル・エントリー・プルーフだった時代には、107プルーフでのボトリングこそが今日言うところの「バレルプルーフ」に相当しました。

**括弧で囲った引用文はいわゆる「原文ママ」なので、ちょっと誤解を与えかねない表現になっています。解る人には解るかもしれませんが、「上段の8~9段」と云うのは「上層階の8~9階」という意味です。ジムビームのラックハウスは九階建てで、一つのフロアーに樽を三段積みが基本だからです。上段の8~9段」と表現されると、何だか一階建ての熟成庫にバレルが九段積み重なってるようなイメージがしませんか? そのため個人的には使いたくない表現なのですが、引用なのでそのままにしてます。

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当ブログでは烏滸がましくもレーティングなるものをやっていますので、一応それについての注意点や私の見解をここに述べておきたいと思います。

先ずレーティングには大きく二つの考えがあるでしょう。一つは、とにかくその対象を飲み物としての味だけに焦点を絞り点数を付ける立場。こちらはテイスティングノートの延長線上の格付けであり、グルメ志向なノリであり、ストイックに味そのものを探知しようとする求道精神が感じられます。もう一つは、味以外の事柄も考慮し、その対象を飲み物という商品として捉える立場。こちらは味そのものもさることながら、市場に於ける製品の立ち位置やデザインやマーケティングを勘案し、ブランディングや歴史的な物語が味に影響を与える可能性を考慮する批評精神が感じられます。私はどちらかと言うと後者寄りの考えに基づいてレーティングしています。自分自身の経験から人間の味覚にとって思い込みは重要なファクターではないかと思うからです(*)。

点数は100点満点で0.5点刻みを基本とし、希にどうしても差を付けたい場合にのみ0.25点まで採点します。そして点数の付け方は、
・香り30点
・味わい30点
・余韻30点
・デザイン性とブランディング3点
・コストパフォーマンス3点
・稀少性3点
・Xファクター1点
のような明確な内訳や枠組があって、その中で対象Aは「香り25点…コスパ2点…」などとやっている訳ではありません。上のような項目は全て考慮しはしますが、何と言うかもっとゆるやかな、伸び縮みのする、私の感覚に根差した得点となっています。そして当たり前ですが、それは私の好みの反映でしかありません。極端な話、点の付け手が異なれば全く逆の評価になることだってあるかも知れない。「レーティング」だ「格付け」だと大袈裟に言っても、一人のバーボン飲みの個人的嗜好を数値化する試みなだけで大した意味はないのです。

それと、点数は飲んだ「そのブランド」に付けたものではなく、あくまで私が飲んだ「そのボトル」に対する評価となります(**)。また申し訳ないのですが、点数はたまに変動します。と言うのも、点数は他との比較に於いて付けられていますので、「他」が増え、なお整合性がないと判断した場合には点数の見直しを図るからです。そのため、私が生きてバーボンを飲み続け、ブログを更新できる限りは、点数の微調整が行われると思って下さい。

考えようによっては、人が丹精を込めて造り上げた物に対し、人が点数を与え格付けすることは不遜な態度と言えるかもしれません。そう考える人はテイスティングノートや感想のみ採り、点数やら星やらABCやらのグレード評価を付けないレヴューをすることでしょう。私も本来それでいいのだと思います。「男は黙って飲め」、それが一番格好いい。「酒なんて楽しく飲めればいいじゃん」、その通り。しかし、人間は何であれ上下関係に過敏な生き物でもあり、多くの消費者にとって最も気になることは、「で、それとあれ、どっちが美味しいの? どっちが上でどっちが下なの?」という情報だと思います。そこのところを端的に数値や等級で表すのがレーティングというものかと。だからと言って私は別に消費者の味方を気取るつもりは毛頭なく、単純に他人のレヴューやレーティングを見るのが面白いと思うから自分もやってみてるだけです。或る一人のレヴュワーのテイスティングノートとレーティングの全貌を追って行くと、そのレヴュワーの嗜好や癖が何となく分かってきます。と同時に、知りたいバーボンについて様々なレヴュワーのレーティングも見てみます。そうすることで自分が感じている風味を他人は何と表現し、どう評価しているのか、または随分異なる風味を感じてはいないか、そこから中身のジュースが違う可能性はないのか、そしてそのバーボンは世の中でどのようなポジションにあるのか、そういったことが朧気ながら立ち昇って来ます。私のレーティングもそうしたデータの一つとしてなら利用価値はなくはないでしょう。

以上、私のレーティングを参考にされる場合の注意点と見解でした。最後に点数の主な意味合いを下に掲載しておきます。

00〜49=飲みたくない
50〜59=ウィスキー以外の酒
60〜68=好みからは外れる
69〜73=一度は飲んでおきたい
74〜78=普通に美味しい
79〜83=オススメ
84〜88=凄くオススメ
89〜93=伝説の世界
94〜97=神秘の領域
98〜100=未踏の地



*高級そうな箱やボトルに入っているとありがたみが増し美味しく感じる、高い金を払うと美味しくなければならないと心理的に追い込まれる、ブランドのイメージが好きだと味も美味しく感じる等。

**これは、ブランド権が売買され、そのブランドを製造する蒸留所が変わった場合や、ラベルまたはボトルデザインの変更(リニューアル)があった場合は勿論のこと、それだけでなく同じ蒸留所が製造しラベルが一緒のロット違いでも、なお何かが異なる可能性を考えてのことです。この点に関しては少し説明しておきたいと思います。
バーボンは焦がした樽で熟成させることでフレイヴァーの大部分を得る飲み物です。それは言うなれば天然由来の風味であり、化学的に調合された飲み物ほどには、個々のバレルの風味は一定していません。ある程度はディスティラーがコントロール出来ても、最終的にどんな風味が実現されるかは「神に委ねられている」。もっと言うと熟成庫の立地場所や熟成庫内のバレルを置く位置によって風味に違いが出て来るのがバーボンなのです。そのため、シングルバレル(1樽)やヴェリー・スモールバッチ(10樽前後)のような味の一貫性を問われない製品は別として、大型蒸留所の旗艦ブランドは大抵まばらにピックした3桁から4桁の数のバレルを混ぜ合わせることで、味わいに一貫性を待たせています。例えば2015年のAロットとBロットを比較した時、おそらく私を含めた素人には両者の差は殆どないように感じられるでしょう。そして2~3年の生産ロット違いにしても、差は感じれないことが殆どだと思います。大きな蒸留所には各ロットのサンプルが保管され、マスターディスティラー以下テイスターやブレンダーの仕事により、同一線上の風味になるよう製品化されていますから。ある意味マスターディスティラーの一番の仕事はブランドの味を変えないことにあるのです。それがブランドにとって消費者のロイヤルティを獲得する主な道だからです。しかし、厳密に言ったらそれらは全く同じものではない。現に私の経験談ですが、ほぼ同時期流通品のブランドを別々の販売店から購入し飲み較べてみると、概ね同じだし点数としたら変わらないけれども、僅かに何かが違うと感じたことがありました。
では、同一ブランドの2015年と2005年の製品を較べたらどうでしょうか。十年一日何1つ仕様が変わらないのはビジネスとして稀です。ボトリングプルーフやバレルセレクトの基準が変更されたりでもしたら風味の変化率は大きい筈。高性能なフィルターや高速ボトリング設備が導入されたり、 施設が清潔になったことで何らかの細菌類がいなくなり味わいに変化をもたらすこともありそうな気がします。いや、仮に原材料の穀物を同じ農家から購入し、樽も同じクーパレッジから購入し、その他マッシュビルも酵母も仕込み水も同じ、蒸留器も当然同じ、熟成場所すらも全く同じだったとしても、おそらく微細な風味の変化があるのは容易に予想されます。それは微生物の数だったり、水質の変化だったり、完全同一の気候条件がないことだったり、色々な可能性は考えられますが、とにかく微妙に何かが違うのが当たり前だと思うのです。ブランドにとって守られているのはあくまで品質の同等性であって風味の同一性ではありません。そのため風味の僅かな異なりが点数に反映することを考慮して、レーティングはそのブランドに対するものではないとしておきたいのです。
また、上に縷々述べてきたこと以上に重大と思われるのはボトルコンディションです。ボトリングから10年以上を経過したオールドボトルに関しては、同一ロットかつ未開封であっても、保管状況で中身のコンディションはかなり違うような気がしています。或る店では直射日光や蛍光灯にさらされているかも知れない。或る店では湿度が高い場所に保管していたかも知れない。また何らかの理由でコルクやプラキャップの気密性に差があったかも知れない。テイスティングでスワリングしたり5分放置してから飲み始めるのは、酸化させることで香味を開かせる意味合いがあると思いますが、未開封のボトルも物凄く微妙ではあっても徐々に酸化している可能性はあると個人的には思っています。蒸留酒はワインほど繊細ではないかも知れませんが、それでも多少の風味変化はあるのではないでしょうか。それ故レーティングは、当の私が飲んだそのボトルに対する評価としておくのが無難だとの判断です。
更に付け加えると、開栓後の風味や香味の変化も考えるなら、バー飲みでのレーティングは「そのボトル」どころか、たまたま飲んだ「その一杯」ということにしておくのが順当でしょう。おまけに、バーでは家飲みと違ってハーフショットかショット一杯しか飲みませんので、私側の状態で味が捉えられないことも多く、レーティングはなおのこと信頼性に欠けると思って下さい。後者と同じ理由で、サンプルで頂いたお酒のレーティングや感想もまた信用性には影がチラつく可能性が高いです。

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世界で人気のブランド、ブレットのライウィスキーです。ブレット・ブランド自体の紹介はこちらを参照下さい。ブレット・ライは2011年3月から発売されました。バーテンダーからの要望が多かったため製品化されたと聞き及びます。ラベルの緑色はブレット・ディスティリング・カンパニーの創業者トム・ブレット自ら拘って選び抜いた絶妙なグリーンなのだとか。ジュースはお馴染みMGPの95%ライ。熟成年数は4~6年とも5~7年とも言われており、おそらく値段から考えて4年熟成酒をメインに使っているのではないかと想像します。

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BULLEIT RYE 90 Proof
推定2016年あたりボトリング、購入は2018年。色はやや薄めでオレンジがかったゴールデン・ブラウン。焦がした木、ライスパイス、青リンゴ→マスカット、ミント、蜂蜜、洋梨、穀物臭、竹林。爽やかなフルーツとスパイシーなアロマ。ウォータリーな口当たり。口中はマイルドな甘味と豊かなスパイスが感じられる。余韻はややハービーな苦味が強い。開封からしばらくは香りのボリュームが低く、味わいも平坦だった。残量が半分を切ってから幾分か濃密になり美味しくなった(開封から3ヶ月以上経過してやっと)。同じMGPソースで熟成年数の若いリデンプションと較べると、円やかなテクスチャー、かつ甘味を感じやすい。ブレットと同じくディアジオの所有するブランドであり、同じMGP95ライをソースとしたジョージディッケル・ライと比べると、なぜか全体的に薄口の印象だった。
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