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【C】

Cask─カスク
樽のこと。キャスクと表記したほうが発音記号に近い。バーボンにはバレルが用いられることが殆ど。希にクォーターカスクというバレルの4分の1容量の小さい樽が製品意図として用いられることも。

Cask Strength─カスクストレングス
バーボン用語ではバレルプルーフ、もしくはバレルストレングスの方がより普及した言い方。メーカーズマークのバレルプルーフバーボンはカスクストレングスを名乗っている。意味は「Barrel Proof」の項を参照。

Cats and Dogs─キャッツアンドドッグス
成長の可能性が殆どなく、小口で低利益率の非プレミアムでマイナーなブランドを指す業界​​用語。

CEHT
「Colonel E. H. Taylor」の略。「EHT」の項を参照。

CGF
「Cheesy Gold Foil」の略。日本においてワイルドターキー12年ゴールドラベルと言われる物を欧米ではこう呼ぶ。WT12年の中でも人気があり、セカンダリーマーケットで価格が高騰している。チーズィーとは「安っぽい、陳腐な」の意。
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Char(Charred, Charring)─チャー(チャード、チャーリング)
樽の内側を高温で焦がし炭化させること。
チャコール(Charcoal=木炭)の「チャ」に当たる。チャーの加減には時間によって4段階のレベルがあり、以下のようになる。
No.1:15秒
No.2:30秒
No.3:45秒
No.4:55秒
このうちNo.4のみ、焦がし終えた木の質感がワニの表皮を想わせることから、別名アリゲーターチャーと呼ばれる。バーボン業界でNo.1とNo.2が選ばれることは殆どない。焼き時間を調整してNo.3〜No.4の中間にすることも。また、実験的ながら最強レヴェルのNo.7もあるらしい。

Charcoal Filtered─チャコールフィルタード
活性炭濾過されているの意。バーボンのラベルにはこう明記されていることが多い。 そう記載されてなくても一般的なバーボンは殆どされていると思われる。テネシーウィスキーのチャコール・メローイングとは違い、熟成の後、ボトリングの前に行われる。

Charcoal Mellowing─チャコールメロウイング
テネシーウィスキーの特徴的な行程の一つで、樽熟成の前にスピリットをサトウカエデの木炭で濾過すること。不要な油脂分や雑味を取り除き、テクスチャーを滑らかにし、甘味などの何かしらの風味を加えると言われる。「リンカーン・カウンティ・プロセス」とも知られる。また単に「リーチング」とも言う。それらの項も参照。
テネシーウィスキーの代表格に挙げられるジャックダニエル蒸留所の場合、以下のような感じ。まずテネシー産のサトウカエデ(シュガーメープル)の丸太を2インチ×2インチに切断し、出来た角材を井桁に組んで積み上げ、約2〜3週間かけて乾燥させる。それに蒸留したての140プルーフの原酒を撒き、火の粉を防ぐため大型フードの下で点火。およそ二時間かけて焼き、完全燃焼を防ぐため水が噴霧される。次に出来上がった木炭を粉砕機に通して細かく砕き、底にウールを敷いた深さ10フィート(約3m)のヴァットに詰める。そこへパイプから一滴一滴ジャックダニエルズの原酒が垂らされ、濾過は数日かけて行われると言う(現在では一滴一滴ではなくシャワーという説もあった)。この後、125プルーフに希釈されエイジングプロセスを経てJDの完成。

Chaser─チェイサー
後を追うものの意で、一旦ストレートでウィスキーを飲んだ後から、追跡するように飲む水や炭酸水などのこと。ウィスキーよりアルコール度数が低ければチェイサーとして成立するため、ワインやビールをチェイサーにする強者も居るという。

Chill Filtration(Chill Filtering, Chill Filtered)─チルフィルトレーション(チルフィルタリング、チルフィルタード)
冷却濾過。ウィスキーの原材料や蒸留プロセス及び樽熟成期間に自然発生する香味成分の中には、脂肪酸・タンパク質・エステル等の低温になると析出してウイスキーを白濁させたり澱を発生させる成分が含まれている。それらの成分をボトリング前に予め-4℃~0℃に冷却しながら濾過して除去する操作のこと。ロックや加水して飲む際に見た目が濁ってしまったり、内容物に澱があると見た目が悪く、消費者に悪い印象を与えかねないというのが主な理由。
聞くところによるとその行程は、一旦冷却された原酒を一連のしっかりしたニットや金属メッシュまたは紙フィルターに圧力をかけて通過させるらしい。収集される残留物の量は、フィルターの数、使用される圧力、及び速度に依存するという。このプロセス中に沈殿物や樽からの不純物も除去される。
冷却濾過で失われる成分には、香りや風味の基となるものが含まれているとされ、自然で有機的な製品を求める消費者やウィスキーマニアはノンチルチィルタード(非冷却濾過)の商品を珍重する。一方で、全ての濾過が悪い訳ではなく、外観の明瞭さを増し、いくつかの不快な味を取り除き、他の味を輝かせるとの主張もあり、現実には同一条件下の原酒のチルフィルタードとノンチルフィルタードがリリースされないと比較するのは難しい。

Christmas Rye(Xmas Rye)─クリスマスライ
古いワイルドターキー・ライは赤と緑のラベルのため、クリスマスを連想させることからこう呼ばれる。
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Column Still─コラムスティル
連続式蒸留機のこと。「カラム」と表記されることも多い。英語の発音が「カ」と「コ」の中間の音だからだろう。コラムは円柱や列を意味する言葉で、その形状を指しての名称。蒸留塔とも。コンティニュアス・スティルの項を参照。

Condenser─コンデンサー
蒸溜工程で出来た蒸気を冷やして液体に戻す装置。冷却装置とか凝縮器と訳される。外観は太い円筒状の形が一般的で、中には冷水が流れる細長いパイプを大量に備えている。多くは銅製。

Congeners─コンジェナース
化学的専門的に使わない限り、一般的にはアルコール飲料に含まれるアルコールと水以外の諸成分、との意味で使われる。ラテン語の「共に」を意味する「con-」と 「血統」や「種族」を意味する「genus, gener-」に由来するため、日本語では(あまり馴染んではいないが)同族体と訳される。発酵・蒸留・および熟成中に生ずる化学物質で、何百種類とあるうちの一部は毒性を持つか酷い味がする一方、スピリッツの香りを左右する芳香成分でもある。
低いプルーフで蒸留されたスピリッツは、コンジェナースをより多く保存するとされ、逆に高いプルーフで蒸留された場合はマッシュのコンジェナースを殆ど取り除き、純粋なエタノールに非常に近い製品を作り出す(ニュートラル・スピリッツやウォッカ)。バーボンは最高のコンジェナース含有量を有​​するウィスキーであり、シングルモルトスコッチが後に続き、カナディアンやスコッチのグレインウィスキーは同族体の含有量が少ない傾向があるとされる。エステル(Ester)、アシッド(Acids)、サルファー(Sulphur) 、アルデヒド(Aldehydes)、ジアセチル(Diacetyl)、高級アルコールおよびフューゼル油(High alcohols and fusel oils)等。

Continuous Still─コンティニュアススティル
連続式蒸留機と訳される。従来のどこか牧歌的なイメージのする古典的な単式ポットスティルと違い、工業的なイメージの漂う蒸留装置。蒸留の行程を連続的に行えることからの、つまり機能面からの名称。パテントスティル、コフィスティル、コラムスティル、ビアスティルとも言われ、厳密には違うのかも知れないが大概同じ物を指していることが多い。バーボン業界ではビアスティルかコラムスティルの名称が頻繁に使われている。スコットランド人のロバート・スタインが開発し、アイルランド人のイーニアス・コフィーが完成させたと言う。パワフルな連続的蒸留により、調整次第で、ほぼ純粋なエタノールである190プルーフ以上のスピリットを産出できるが、バーボンではフレイヴァーを残すため160プルーフ以下で蒸留しなければならないし、多くの蒸留所ではよりフレイヴァーを残すため更に低いプルーフで蒸留する。

Cooker─クッカー
粉砕した穀物と水を混ぜてマッシュを造り、糖化作業をするための金属製の大きな桶・鍋。グレインクッカー、またマッシュタブとも言う。日本語では糖化槽。内部には加熱用のスチームパイプと冷却用のクーリングパイプがあり、加熱と冷却が出来るようになっている。
ミルで別々に挽かれた穀物は、クッカーにコーン、ライ、モルテッドバーリーの順に分けて入れる。各穀物を投入する際の温度は異なり、一例を挙げるとコーン…220°F(114°C)・ライ…170°F(77°C)・モルテッドバーリー…150°F(66°C)のような感じ。過圧の具合や温度で前後するが、通常約30分程度かかる。この工程にバックセットを入れ、pHを安定させるのがサワーマッシュ製法。調理が終わると発酵槽へ移されるが、その前にマッシュは冷まされる。

Cooper(Cooperage)─クーパー(クーパレッジ)
樽を造ったり、樽を修理したりする職人。クーパレッジは樽を製造する施設、またはその仕事。

Copper─カッパー
銅。蒸留装置のどこかしらに銅が使われる理由は、蒸溜されたスピリッツと反応して硫黄化合物を銅が吸収し、硫黄臭やゴム臭、腐った野菜のような不快臭を取り除くためだと言う。

Corn─コーン
トウモロコシ。バーボンでは主に「イエロー・デント No.2」という品種が使われる。他の品種に比べて優れたフレーバーと多くのアルコールを産生するのだとか。コーンの殆どはケンタッキーやノースダコタから供給され、二次的にはサウスダコタやインディアナの物も使われていると言う。

Corn Patch and Cabin Rights Act─コーンパッチアンドキャビンライツアクト
ケンタッキーがまだバージニア州の一部だった頃、バージニア州議会は西部の土地を秩序立てようと1776年に「コーンパッチおよびキャビン権利法」と知られる法律を発行した。それは1778年1月1日以前にケンタッキー区域にキャビンを建て、トウモロコシを植えた場合、入植者は400エーカー(約160ヘクタール)の土地を請求することが出来るというもの。これが功を奏し、大量のトウモロコシが収穫されるようになると、酒造家たちはトウモロコシをベースとしたウィスキーのレシピを用いるようになり、後のケンタッキーバーボンの誕生を促したと言う。しかし、この法律はキャビンの大きさや構造、またはコーンパッチの大きさについて何も言及しなかった。そこで入植者は3〜4種のトウモロコシの種を植え、土地を受け取ることを期待して、数枚の木材で小さなキャビンを造った。このような手際の悪く機能しない法律のため、少数の蒸留一家の助けにはなったかも知れないが、バーボンに殆ど影響を与えなかった可能性が高いとも言われる。

Corn Whiskey─コーンウィスキー
コーンウィスキーは、少なくとも80%のコーンが含まれたマッシュから造られ、160プルーフを越えずに蒸留し、未成熟でもよいが、 樽に入れる場合は125プルーフ以下で入れ、なおかつ樽は古樽もしくはチャーされてない新しいオークの樽を使わねばならない。コーンリカー、ホワイトライトニングと呼ばれることもある。 

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「Cask Strength」の略。カスクストレングスを参照。