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【E】

EC
「Elijah Craig」の略。エヴァンウィリアムスと並ぶヘヴンヒル蒸留所のツートップの一角。両者はともにバーボンの始祖と言われる人物の名を冠している。2013年秋からバレルプルーフも発売された。そちらは「ECBP」と略される。
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エライジャ・クレイグ牧師、Wikipediaより

EHT
「E.H. Taylor」の略。バッファロートレース蒸留所で造られるプレミアムラインのバーボンのこと。エドモンド・ヘインズ・テイラー・ジュニアは、同蒸留所の礎を築いたのみならず業界全体への影響力も有した「現代バーボン産業の父」と称される偉人。コロネル(colonel)を省かず「CEHT」と略されることもある。
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Enzymes─エンザイムス
酵素。ウィスキー製造の行程で、穀物に含まれる澱粉質を糖に転換することを糖化(マッシング)と言い、その際に重要な役割を果たす触媒。発芽した大麦には酵素が豊富なためアルコール造りに欠かせない。
殆どのバーボンのマッシュビルには、概ね5〜15%程度のモルテッドバーリー(麦芽大麦)が含まれているが、これはビスケッティなフレーヴァーを与える以上に、酵素を提供するのが主な役割とされる。現代の主要なバーボン生産者はマッシュビルに酵素を加え、行程を能率化しているらしい。希に見られる100%ライ麦や100%小麦ウィスキーなどは、おそらく業務用酵素を使用していると思われる。スコットランドでは使用が禁止されているが、アメリカでは禁止されていない。業務用酵素の導入により、麦芽を含まないマッシュビルからもウィスキーを作ることが出来、麦芽を含むマッシュからもより良い転化率を得ることが出来るという(つまり、より多くの澱粉をより多くの糖に変えてより多くのアルコール収率を得る)。逆に、殆どの蒸留所では業務用酵素を使用せず、大麦麦芽のみであるという説もある。ここら辺の裏事情は殆どの蒸留所が公開していないため、素人には判らない。

ER
「Eagle Rare」の略。バッファロートレース蒸留所のロウ・ライ・マッシュビル・バーボン。元々はシーグラムが発売したブランド。
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ET
「Early Times」の略。ブラウン=フォーマン社の所有するブランドで、アメリカ本国より海外市場で人気が高い。特に日本おいては抜群の知名度と人気を誇る。
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ETL
「Elmer T. Lee」の略。バッファロートレース蒸留所のハイ・ライ・マッシュビルを使ったバーボンのこと。同社に長年勤務し、シングルバレルバーボンの魁となったブラントンを商品化した伝説の職人の名。バーボンのブランドにその名を刻める数少ない人物の一人。
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Evaporation Loss─エヴァポレーションロス
蒸発により失われた酒量。「Angel's Shere」を参照。

EW
「Evan Williams」の略。ヘヴンヒル社の旗艦ブランドだけあって様々なヴァリエーションがある。ラベルの色で言うと、黒がスタンダードで、緑は黒より格下、白と赤は黒より格上。スモールバッチとシングルバレルもあり、他にもリミテッドリリースのデカンターやジャグ、長期熟成の23年などがある。
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F

FC
「Fighting Cock」の略。ヘヴンヒル蒸留所で造られる闘鶏がモチーフのバーボン。103プルーフでありながら比較的安価なのが魅力。
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Fermentation─ファーメンテーション
発酵。マッシュをビアに変える行程。約25〜30℃に冷ましたマッシュを酵母と共に発酵槽に入れると、酵母は糖分をアルコールと二酸化炭素に変換し、同時に熱を発生させる。発酵には数日を要し、発酵完了後には約8〜9.5%のアルコールを含む液体が出来る。これをビアまたはディスティラーズビアと呼ぶ。

Fermenter─ファーメンター
発酵槽。発酵を行うための金属や木製の巨大な桶。ステンレスは清掃のしやすさと衛生面に優れるとされ、サイプレス(イトスギ)は乳酸菌の増殖に適し最終的なフレイヴァーに好影響を与えるとされる。また、どちらでも最終的にはそれほど変わらない、という説もあった。蒸溜所によっては両方備える場合もある。酵母は熱に弱いため槽内には水冷装置が付いているという。

Filling─フィリング
バレルにバーボンを充填すること。

Finish─フィニッシュ
①テイスティング用語で余韻のこと。「余韻/アフター/フィニッシュ」は同じ事を指している。
②一旦出来上がったバーボンを他の樽で「仕上げ」ること。後熟やダブル・マチュアードと見做してもいいかも知れない。ポートワイン樽で仕上げたポート・フィニッシュや、シェリー樽で仕上げたシェリー・カスク・フィニッシュ、トーストしたバレルで仕上げたトーステッド・バレル・フィニッシュなどが代表例。

Five─ファイブ
埼玉県大宮にあるバー。震災で多くの希少なバーボンを失ったものの、オールドボトルの品揃えはまだまだ関東屈指。LINEスタンプまである強面マスターの手作り餃子や、若いお兄さんの作るオリジナル料理など、バーボン云々は抜きにしてもバーの魅力に溢れている。

Flavor Grain─フレイヴァーグレイン
バーボンのマッシュビルの中でフレイヴァーを担う穀物のこと。概ねライかウィート。伝統的なバーボンの原材料は3つの穀物から構成される。まずベースとなるコーン、酵素を提供する役割のモルテッド・バーリー、そして残るもう一つの穀物がフレイヴァーのキャラクターを大きく左右するのでこう呼ばれる。他の穀物がフレイヴァーに寄与しないという意味ではない。配合比率で言うと2番目に高いことからセカンドグレイン、セカンダリーグレインとも言う。

For Medicinal Purposes Only─フォーメディシナルパーパセズオンリー
医薬目的のためだけに、の意。禁酒法時代に医師の処方箋があれば購入できた薬用ウィスキーのラベルや箱には大概この文句が書かれていた。または「For Medicinal Use Only」とも。

FR
「Four Roses」の略。または「4R」と略される。イエローラベルは「FRYL」、シングルバレルは「FRSB」または「FRSiB」、スモールバッチなら「FRSmB」のように略す。
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F’Fort
「Frankfort」の略。バッファロートレース蒸留所などかあるケンタッキー州フランクフォートのこと。


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GD
「George Dickel」の略。ディアジオが所有するテネシーウィスキーのブランド。コーン比率が多いのと、チャコール・メローイングの際に原酒を冷却する製法で有名。
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ジョージ・アダム・ディッケル氏

Gemor─ゲモー
愛知県豊橋にあるプレミアムバーボン専門のバー。日本のバーボンマニアの聖地の一つであり、海外のバーボンマニアにも評価が高く、惑星一のバーと謳われる。特にオールド・フィッツジェラルドやスティツェル=ウェラーの小麦バーボン、ヴァン・ウィンクルやウィレット蒸留所のプレミアム製品の品揃えは圧巻。我々をバーボン狂人の世界へ誘う天国への階段。

GJ
「Gentleman Jack」の略。ジャックダニエルズOld No.7のアップグレード・ヴァージョンで、チャコール・メロウイングを樽入れの前と瓶詰めの前に二回行うことで、よりシルキーなタッチの口触りにした製品。
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GNS
「Grain Neutral Spirits」の略。「グレインニュートラルスピリッツ」の項を参照。

Grain─グレイン
トウモロコシ、ライ麦、小麦、大麦などの穀物の総称。日本語では「グレーン」と表記されることも多い。

Grain Neutral Spirits─グレインニュートラルスピリッツ
穀物を原料にして190プルーフ(95度)以上で蒸留された無色透明の顕著なアロマやフレーバーまたはキャラクターを含まないアルコール。「ニュートラル・グレイン・スピリッツ(NGS)」、「ピュア・グレイン・アルコール(PGA)」、また単に「中性スピリッツ」とも呼ばれるが、アメリカンウィスキー界ではGNSが最も一般的に使われる。ニュートラルという語は、より低いプルーフで蒸留された場合に存在するマッシュ由来の風味がないことを含意する。イメージしづらければ、ウォッカまたはボタニカルで香り付けしてないジンを想像すると分かり易い。

GTS
「George T. Stagg」の略。バッファロートレース蒸留所が限定リリースするアンティークコレクションの中でも筆頭と言える存在のブランド。2002年から発売された。長期熟成かつノンフィルターで、時に70度を越えるアルコール度数はモンスターとか巨人と評される。その名はバッファロートレース蒸留所の礎を築いた過去の偉人の一人から。
1835年にケンタッキー州ギャラード郡で生まれたジョージ・T・スタッグは、その名を冠したバーボンがあるにも拘わらず、傑出したディスティラーでもバーボンのイノベーターでもなく、代わりに素晴らしいセールスマンと管理者として知られる。つまりバーボンの製造知識より、ビジネスの洞察力に優れた人物だった。南北戦争でのなかなかの活躍の後、30代のスタッグはミズーリ州セントルイスでウィスキーセールスマンとして頭角を現し、ウィスキーリング暴露の告発者の一人として名声を得た。1878年には、エドモンド・ヘインズ・テイラー・ジュニアが最新設備に改築したオールド・ファイヤー・カッパー蒸留所とその隣のカーライル蒸留所を購入し、後に喧嘩別れしたものの暫くは共同で切り盛りした。死後の1904年にはジョージ・T・スタッグ蒸留所と再命名され、1999年にバッファロートレース蒸留所とリニューアルされるまでの約1世紀に渡りその名は残っていたという。
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ジョージ・T・スタッグ、バッファロートレース蒸留所公式ホームページより