バーボン、ストレート、ノーチェイサー

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カテゴリ:企画シリーズ > バー紹介

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先日、久し振りにバーへ遠征して来ました。お邪魔したのはバーボン好きなら誰しも知っている埼玉県大宮のBar FIVE。となると大袈裟に言えばバーボン巡礼の旅という訳ですね。

FIVEのオープンは1998年。元々の店名はファイヴ・ハンドレッドだったと言います。その名の由来は、ウィスキーもカクテルもビールも料理も全て500円だったから。しかも当時は営業時間も夕方5時から翌朝5時だったとか。マスターが「5」を好きなのですかね? そこのところは聴きそびれちゃいました。
あの多くの被災者を生み出した東日本大震災の折り、FIVEも無害だった訳ではなく、200~300本の貴重なオールドボトルが失われたそうです。するとオーナーのマスターはすかさず移転を決め、数ヵ月後には近くの現店舗へ移りました。旧店舗はレッド・ゼッペリンの似合うもっと猥雑な雰囲気だったそうですが、現店舗は黒と白を基調とした小粋なジャズの似合うシックな雰囲気です。

FIVEは基本的にオールドボトル専門で現行品は置いてなく、2000年以前の希少なボトルがずらりと並んだバックバーは壮観であり、それ目当てに県外や果ては海外からもお客さんが訪れるのですが、それだけのバーではありません。寧ろ、強面だが優しくユーモアのあるマスターと気遣いの出来るバーテンダーさんお二人のホスピタリティこそが最大の魅力。バーは「お酒」よりも「人間」に引き寄せられて行く場所だと実感しました。バーテンダーさんの「常連様に支えられています」と云う言葉に深く納得です。ここには酒の自慢話とウンチクだけを語る下品な輩は似合わない。ハイエンド・バーほど畏まりすぎず、居酒屋ほどくだけすぎない、絶妙なバランスはとても居心地が良いのです。

そして「日本一鍋を振るバーテンダー」と異名を取る漢が造るメニューの無い料理もウリの一つ。私は苦手な食材だけを告げてオススメを造ってもらいました。彼の腕前は近隣の会社からデリヴァリーの依頼が来るほどなのです。私が居た時間も注文がけっこう立て込み、来店のお客さんの分もあったので、忙しく料理を造り続け、更には配達まで行っていました。おかげで残念なことに彼とは会話が殆どできず仕舞いでした(笑)。

レアなバーボン目当てで行くのもいいでしょうし、ただ飲んで楽しみたいだけで行くのもいいでしょう。バーボン以外のリカーやカクテルもあり、落ち着いた薄暗い店内と洒落た料理の提供は女性一人でも入りやすいバーでもあります。また不定期で週末にジャズ・ライヴが催されたり、月1でウイスキークラブという厳選されたラインナップを安価に提供するイヴェントもあります。

あと、珍しいのが、これだけの品揃えのバーにしてはランチ営業までやっているところ。なんでもメニューはカレーだけだそうで、サラダとドリンク付きの500円ワンコイン・ランチ。FIVEの由来からして想像通りのお値段。そしてメニューが一種ゆえに吉野家並みのスピードで提供されるのだとか(笑)。気になる方は食べログやRettyで調べてみて下さい。

FIVEは、バーボンの品揃えに関しては少なくとも関東でベスト「5」に入る名店です(ええ、もしかしたら一番か二番かも知れませんが、敢えてこう言いました)。関東圏、もしくは埼玉へお越しの際は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。あ、メンバー外の方は事前予約が無難かと思われます。訪問される際は一応お店に確認して下さいね。


BAR FIVE
埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-223 モナークヴィラ1F
048-644-3550

ランチ営業
平日のみ 11:30~14:00(売り切れ次第終了)

バー営業
平日 17:00〜26:00
祝日 17:00~0:00

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ここ最近、連続で投稿していたバー編は前ポストで終わりです。なので最後にバーの紹介を少しばかり。伺ったバーは千葉県大貫にありまして、その昔三軒茶屋や銀座でバーを経営していらしたマスターが、近くに海はあるものの、繁華街も何もない田舎、普通の家の一階を苦心の末に改装して2017年6月に再オープンされたお店です。その名を「幻の桜」と言います。三軒茶屋や銀座時代に伝説となった、知る人ぞ知る名店です。ここにはビールもカクテルもおつまみもなく、提供はストレートのみ、水割りもありません(チェイサーの水はあります)。はっきり言って行く人を選ぶお店ではあります。しかし、バックバーに並ぶお酒は貴重な物が多く、注いでくれる器もマスターがコレクションされているアンティークグラス、それでいて堅苦しい雰囲気でも、威圧感のあるマスターでもなく、Tシャツとサンダルで行ける正にアットホームなバーでもあります。私はバーボンしか飲んでませんが、バーボン専門店ではありません。むしろ、モルトやその他の蒸留酒のほうが多いくらいです。
どうでしょう、想像できましたか? バーの既成概念を覆す立地に、風変わりなマスター、タイムスリップしたかのような希少なお酒とグラス。長閑な住宅地の一角から、扉を開ければそこは別天地。ここに来れば「序列はなくなる」。興味を持った方は、お店のブログがありますので、下のリンクからどうぞ。営業時間が独特だし、住所も電話番号も公開していませんので、行く前にはブログのチェックが必須です。立地条件と提供物の狭さ故か、経営は厳しいに違いないでしょう。その燈火を消さないためにも、あなたがオールドリカー愛好家なら、関東住まいの方は勿論、遠方の方でも是非訪れてみて下さい。


ああ、そうだ、マスターのお人柄を語る話がひとつあった。私がこちらのバーへお邪魔する前に、昼飯を食べにレストランへ寄ったのですが、 そこに忘れ物をしてしまいました。バーへ着いて、挨拶を済ませ、席に座った時そのことに気づきました。私は飲酒する身ですから電車と徒歩でここまで来ています。歩いて10分くらいのレストランだったので、私は歩いて取りに行こうと思いました。マスターにそのことを告げると、慣れてない土地を何度も歩かせるのは忍びなかったのでしょうか、まずはレストランへ確認の電話をし、その後、マスターの奥様に取りに行くよう取り計らってくれたのです。いくらお客とはいえ、3分前に会ったばかりの者に、心のあたたまる行為でした。
「変わったとこにある店ですけど、マスターの心意気がいいっすね」(一緒に行った相棒の言葉)

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