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「安酒を敬いたまえ」シリーズ第六弾、今回はバートン編です。

Barton 1792 Distillery◆バートン1792蒸留所
バートンのスタンダードなバーボン・マッシュビルはコーン/ライ/バーリーがそれぞれ、75%/15%/10%と言われています。チャーリングレベルは# 3〜3.5とされ、バレルエントリープルーフは125です。親会社はバッファロートレースと同じサゼラック。
※バートンのバーボンは本企画の他のバーボンより明らかに日本での販路が狭いです。そのため私もケンタッキータヴァーンは通販で買わざるを得ませんでした。たまたま近くの酒屋に置いてあればいいのですが、そうでないと入手しづらいかも知れません。

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Kentucky Gentleman 80 Proof
980〜1300円程度
ケンタッキージェントルマンは日本では比較的有名な銘柄です。しかし現在アメリカ本国では、バーボン51%グレインスピリット49%のブレンデッドウィスキーとして販売されています。おそらく輸出用製品のみストレート規格のバーボンとなっているようです。昔は4年熟成がスタンダードで、43度でボトリングしたものや、ボトルドインボンド規格の物、または8年熟成などのヴァリエーションがあったのですが、現行製品は3年熟成で80プルーフのエントリークラスしかありません。
薄いヴァニラ香、ウッディ、ピーナッツ、ポップコーン、ビール、はちみつ、強いて言うと桃。香り味ともに未成熟感が強い。開封からしばらくするとフルーティーな香りも開くものの、口中の味わいや余韻は如何にもグレインウイスキー然としている。更に時間が経過すると、もう少し味わいは濃厚になり、なかなかイケる味に。安さが魅力の一本とは言え侮れない。ただ、もう少し甘い香りが欲しいところ。
Rating:76/100

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Kentucky Tavern 80 Proof
1200〜1500円
ケンタッキータヴァーンはそもそもグレンモア蒸留所の銘酒で歴史あるブランドですが、現在ではバートンが製造する3年熟成のエントリークラスバーボンとなっています。日本の輸入代理店の資料、そしてそれを参照したと思われる酒販店の商品説明、また一部海外サイトのレビューでは4年熟成と説明されている場合があるのですが、当ボトルのネックラベルに「少なくとも36ヶ月熟成」の記載があり、これが書かれているものは概ね3年熟成と見なしてよいでしょう。
さて、飲んで見たのですが…、これケンタッキージェントルマンと同じものではないですかね? 私には殆ど同じ風味プロファイルに感じます。いや、バッチ違い、個々の酸化状況の違いはあるかと思いますが、仮に二本を試飲し、次にどちらかをブラインドで提供するテイスティングをやったら、私にはどっちか当てる自信がありません。皆さんの意見を伺いたいですね。
Rating:76/100

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VERY OLD BARTON 80 Proof
1300〜1500円
ヴェリーオールドバートンには、6年熟成の物や、86プルーフやら90プルーフ、またボトルドインボンドなど、様々なヴァリエーションがあります。アメリカ本国ではケンタッキー州のみか、南部限定の製品かも知れません。こちらはラインナップ中最低の3年熟成80プルーフです(ネックラベルに「少なくとも36ヶ月熟成」の記載があります)。スペック的には上のKGやKTと同じですが…、飲んでみましょう。
うーん、アロマもフレイヴァーもだいたい同じような気がします。強いて言うと、口に含んだときの透明度がこちらの方があり、やや円やかなような気も。とは言え、余韻はほぼ一緒だし、単なるバッチ違い程度の差のようにも思えるし、よくわかりません。まさかフィルタリングの違いがあるのでしょうか? ともかく、上の二つほどは酷似してないものの、点数に差が出るほどの味の違いや個性は感じられないです。ただ、ラベルは一番カッコいい。
Rating:76/100


追記:その後、ザッカリア・ハリスというバートン産と目される最安値のバーボンのレヴューを投稿しました。この企画時に入手していれば、ここで取り上げていたので追記のかたちでお知らせ致します。
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