
ジムビーム ライ プリプロヒビション スタイル

Age Profile
・Year of Distillation: Spring of 2002
・Release: Fall of 2017
・Release Brand Name: George T. Stagg Kentucky Straight Bourbon Whiskey
・Proof for release: 129.2 proof
Recipe
・Large Grain: Kentucky Corn; Distillers Grade #1 and #2
・Small Grain: Minnesota Rye
・Finish Grain: North Dakota Malted Barley
Cooking / Fermentation
・Milling Screen: #10
・Cook Temperature: 240 degrees Fahrenheit
・Water: Kentucky limestone with reverse osmosis
・Fermentation: Carbon steel / black iron fermenter
・Mash: Sour
Distillation & Aging
・Distillation: Double distilled; beer still and doubler
・Proof off still: 135 proof
・Barrel: New, white oak; #4 char; charred for 55 seconds
・Barrel Maker: Independent Stave; Lebanon, KY
・Barrel Entry Proof: 125 proof
・Barrel Size: 53 liquid gallons; 66.25 original proof gallons
・Warehouse: Warehouses C, K, M, & Q
・Floor: 1, 2, 3 and 6
・Evaporation loss: 54.03% of the original whiskey lost to evaporation
Bottling
・Barrel Selection: 309 hand selected barrels
・Filtration: None
・Product Age: 15 years and 3 months old at bottling
・Tasting comment: “Espresso, chocolate fudge, and tobacco”
「創始者ジャック・ダニエルが、かつて親しい友人に贈るためにえらびだしていた、とっておきのテネシーウイスキー。それは、ジャック・ダニエル・ウイスキーの中でも、ある貯蔵庫の特定の場所で熟成し、より深い色と豊かなコクをまとった逸品でした。このウイスキーは大切に保存され、彼自身のサイン入りで、限られた人々にだけ贈られていました。今日でも、この『ジャック・ダニエル・マスター・ディスティラー』は、創始者が発見したその貯蔵庫の同じ場所から、熟練の手で選び出されているウイスキーです。たとえようもなくスムーズで、いちだんと深い味わい。ジャック・ダニエル・ウイスキーのすばらしさを愛する人々にとって、これ以上の贈りものはありません。」
①アメリカで造られていること。
②原材料(マッシュ)に51%以上コーンが使われていること。
③160プルーフ(80度)以下で蒸留すること。
④内側を焦がしたオークの新樽(ニュー・チャード・オーク)で熟成させること。
⑤樽入れの度数(エントリープルーフ)が125プルーフ(62.5度)以下であること。
⑥80プルーフ(40度)以上でボトリングすること。
更に「ストレート」と名乗るためには、
⑦2年以上の熟成期間が必要。
⑧水以外の着色料やフレイヴァー等の添加物を加えてはならない。
と、まあこんなところですけど、少しだけ補足すると、バーボンの定義について語ってるものの中に「ケンタッキー州でつくられたもの」と書かれているのをたまに見かけますが、これは全バーボンの九割以上がケンタッキー州産なことからくる誤解です。①の定義によりアメリカ国内で造られていればバーボンと名乗ることは出来ます。ただし「ケンタッキー・ストレート・バーボン」と名乗るためにはケンタッキー州で造られていなければなりません。
また、似たような誤解の例に「厳密にいうとジャック・ダニエルズはテネシー・ウィスキーであってバーボンではない」という言い回しが挙げられます。実はジャック・ダニエルズはバーボンの要件を全て満たしています。つまりバーボンなのです。テネシー州の規定により、同地で製造され、かつチャコール・メロウイングを施してあるものがテネシー・ウィスキーを名乗れるため、テネシー人の誇りをもってそう言っているだけで、レギュレーション上バーボンでない訳ではありません。アメリカ南北戦争当時、南軍のテネシー州と中立から北軍に転じたケンタッキー州とでは隣接する州ながら仲が悪く、それがウィスキーの呼称にまで影響を及ぼしているのでは?との説があります。日本でも隣接する県同士のライバル視などがあるではないですか、そのようなものかと。まあ、実際にはマーケティング戦略におけるバーボン一般との差別化でしょう(※)。
あと注意しておく点は⑦です。「バーボン」には熟成年数の規定はありません。三ヶ月熟成でもバーボンと名乗れます。ただし「ストレート・バーボン」と名乗るには最低2年の熟成が必要となるのです。また「ケンタッキー・バーボン」を名乗るには最低1年の熟成が必要となります。
上に述べた定義は1909年に出されたウィリアム・ハワード・タフト大統領の有名な「タフト・デシジョン」のストレート・ウィスキーに関する規定を核とし、後の1938年(新樽の使用)と1964年(アメリカ国内製造)に加えられた条項をベースにしたものです。それを私が解りやすいと思われる日本語に整理し直しました。詳しく知りたい方は、現在ラベル表示とマーケティングに関する規制を取り仕切るTTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)のサイトをご参照下さい。
少しでも日本にバーボン(大きく言ってアメリカンウィスキー)が根付けばいいなと願い、ブログを始めることにしました。ネットで検索すれば即座に出てくることではありますが、先ずはバーボンとは何かを説明することで「はじめの挨拶」に代えさせて頂きます。ご意見ご感想、見解の相違や間違いの指摘等はコメントからどしどしお寄せください。レッツ・バーボン・トーク!
※日本でもアメリカでも「ジャックダニエル論争」というものがあります。つまりジャックはバーボンなのかそうではないのか、という議論です。正直言って退屈な議論なのですが、熱を帯びやすいファン心理に基づくところが多分にあり、異様に盛り上がったりします。今はバーボン一般について語っているので、ジャックにこれ以上は立ち入ることはしません。論争については本ブログでスタンダードなJACK DANIEL'S Old No.7を取り上げる時少しだけ言及する予定です。