◆◆FOR BOURBON LOVERS ONLY◆◆
バーボンの製品情報、テイスティングのメモ、レーティング、思考、ブランドの歴史や背景、その他の小ネタなどを紹介するバーボン・ラヴァーによるブログ。バーボンをより知るため、より楽しむため、より好きになるための記事を投稿しています。バーボンに興味をもち始めたばかりの初心者から、深淵を覗く前の中級者まで。なるべくハイプルーフ(情報量多め)かつアンフィルタード(正直)なレヴューを心掛けています。バーボン好きな方は是非コメント残して下さい!

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ワイルドターキー8年とライ、ラベルを遡って一言感想を。


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WILD TURKEY 8 Years 101 Proof
モノクロ チラ見ラベル
2015年から現在。昔のものよりフルーティな味わい。
Rating:86/100

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WILD TURKEY 8 Years 101 Proof
セピアトーン 横向きラベル
2011年から2015年。現行と同じほぼ風味プロファイル。
Rating:86/100

2023-06-23-17-13-07-171
WILD TURKEY RYE 81 Proof
セピアトーン 横向きラベル
アルコール度数が低すぎて少々退屈な味わいに。
Rating:78.5/100

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WILD TURKEY 8 Years 101 Proof
フルカラー 横向き
1999年から2011年。最近のものよりヴァニラ・フレイヴァーが強かったような気がする。
Rating:87/100

2023-06-23-17-13-43-443
WILD TURKEY RYE 101 Proof
フルカラー 横向き
スパイシーでパンチも充分。旨い。けれどもライ・ウィスキー感をあまり感じない。ブラインド・テイスティングで提供されたら、当てる自信がない。
Rating:85/100

2023-06-23-17-12-36-902
WILD TURKEY 8 Years 101 Proof
正面ターキー
〜1999年。アロマ、フレーバー、アフター、全てストロング。味わいが現行品より立体的に感じる。
Rating:88/100

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WILD TURKEY RYE 101 Proof
クリスマスライ 正面ターキー
未開栓。採点なし

※レアブリードのラベルの変遷はこちらこちらをご参照下さい。

2018-09-11-08-17-46

JACK DANIEL'S MASTER DISTILLER 90 Proof
現在では43度でボトリングされ、歴代のマスター・ディスティラーがフューチャーされている「マスター・ディスティラー・シリーズ」の祖先的な?元祖的な?やつです。1993年に日本限定で発売され、2001年に終売となりました。
蒸溜所のマスター・ディスティラーは熟成庫を隅々まで知り尽くしており、どの場所が原酒にとって最良であるか知っているし、どれが特別な樽であるかも知っている、そして、それを自らの親しい友人のみに振る舞ったとか。そういう逸話を基に造られたのがこの限定版テネシーウィスキーでしょう。ブラントンズやフォアローゼス・ブラックでも似たような逸話で語られていますね。下に付属品の小冊子の文章を、短いので全文掲載しておきます。
「創始者ジャック・ダニエルが、かつて親しい友人に贈るためにえらびだしていた、とっておきのテネシーウイスキー。それは、ジャック・ダニエル・ウイスキーの中でも、ある貯蔵庫の特定の場所で熟成し、より深い色と豊かなコクをまとった逸品でした。このウイスキーは大切に保存され、彼自身のサイン入りで、限られた人々にだけ贈られていました。今日でも、この『ジャック・ダニエル・マスター・ディスティラー』は、創始者が発見したその貯蔵庫の同じ場所から、熟練の手で選び出されているウイスキーです。たとえようもなくスムーズで、いちだんと深い味わい。ジャック・ダニエル・ウイスキーのすばらしさを愛する人々にとって、これ以上の贈りものはありません。」
現実的に考えると、おそらく熟成庫の上層部から選ばれた樽のスモールバッチではないかと予想します。発売年代から考えてジミー・ベッドフォードがマスターディスティラーの時代の物でしょう。
本ボトルは推定98年のボトリング。アロマ・パレート・フィニッシュ全てにおいて、スタンダードなOld No.7は言うに及ばず、物によっては47度のシングルバレルより香り高いし、旨みも強い気がします。他のバッチはどうか知りませんが、このボトルには結晶のような澱(オリ)が発生していました。大概のウイスキーは澱があるほうが美味しい気がします。
Rating:86.5/100

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Four Roses Yellow Label 80 Proof
昔のフォアローゼズ・イエローラベル。多分90年代後期流通の物かと思います。所謂オールドボトルとして購入したので、匂いはカビっぽさが少々しますけど、口の中では気になりません。スパイシー、ドライな感じで現行の物より甘味が少ない印象を受けました。なにより自分にとってはこのラベルこそフォアローゼスって感じがします。
Rating:80/100

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JIM BEAM White Label 80 Proof
2012年ボトリング。キャラメル、焼きたてパン、フレッシュフルーツ(強いて言うとマスカット)、樽香、どれもが弱々しく香る程度。でもバランスは良い。売れてる本数から言っても味の採点基準にちょうどいいかと。
Rating:78/100

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【バーボンとは?】

バーボンとは簡単に言うと、以下の要件を満たす蒸溜酒のことです。

①アメリカで造られていること。
②原材料(マッシュ)に51%以上コーンが使われていること。
③160プルーフ(80度)以下で蒸溜すること。
④内側を焦がしたオークの新樽(ニュー・チャード・オーク)で熟成させること。
⑤樽入れの度数(エントリープルーフ)が125プルーフ(62.5度)以下であること。
⑥80プルーフ(40度)以上でボトリングすること。

更に「ストレート」と名乗るためには、
⑦2年以上の熟成期間が必要。
⑧水以外の着色料やフレイヴァー等の添加物を加えてはならない。

と、まあこんなところですけど、少しだけ補足すると、バーボンの定義について語ってるものの中に「ケンタッキー州でつくられたもの」と書かれているのをたまに見かけますが、これは全バーボンの九割以上がケンタッキー州産なことからくる誤解です。①の定義によりアメリカ国内で造られていればバーボンと名乗ることは出来ます。ただし「ケンタッキー・ストレート・バーボン」と名乗るためにはケンタッキー州で造られていなければなりません。

また、似たような誤解の例に「厳密にいうとジャック・ダニエルズはテネシー・ウィスキーであってバーボンではない」という言い回しが挙げられます。実はジャック・ダニエルズはバーボンの要件を全て満たしています。つまりバーボンなのです。テネシー州の規定により、同地で製造され、かつチャコール・メロウイングを施してあるものがテネシー・ウィスキーを名乗れるため、テネシー人の誇りをもってそう言っているだけで、レギュレーション上バーボンでない訳ではありません。アメリカ南北戦争当時、南軍のテネシー州と中立から北軍に転じたケンタッキー州とでは隣接する州ながら仲が悪く、それがウィスキーの呼称にまで影響を及ぼしているのでは?との説があります。日本でも隣接する県同士のライバル視などがあるではないですか、そのようなものかと。まあ、実際にはマーケティング戦略におけるバーボン一般との差別化でしょう(※)。

あと注意しておく点は⑦です。「バーボン」には熟成年数の規定はありません。三ヶ月熟成でもバーボンと名乗れます。ただし「ストレート・バーボン」と名乗るには最低2年の熟成が必要となるのです。また「ケンタッキー・バーボン」を名乗るには最低1年の熟成が必要となります。

上に述べた定義は1909年に出されたウィリアム・ハワード・タフト大統領の有名な「タフト・デシジョン」のストレート・ウィスキーに関する規定を核とし、後の1938年(新樽の使用)と1964年(アメリカ国内製造)に加えられた条項をベースにしたものです。それを私が解りやすいと思われる日本語に整理し直しました。詳しく知りたい方は、現在ラベル表示とマーケティングに関する規制を取り仕切るTTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)のサイトをご参照下さい。

少しでも日本にバーボン(大きく言ってアメリカンウィスキー)が根付けばいいなと願い、ブログを始めることにしました。ネットで検索すれば即座に出てくることではありますが、先ずはバーボンとは何かを説明することで「はじめの挨拶」に代えさせて頂きます。ご意見ご感想、見解の相違や間違いの指摘等はコメントからどしどしお寄せください。レッツ・バーボン・トーク!

※日本でもアメリカでも「ジャックダニエル論争」というものがあります。つまりジャックはバーボンなのかそうではないのか、という議論です。正直言って退屈な議論なのですが、熱を帯びやすいファン心理に基づくところが多分にあり、異様に盛り上がったりします。今はバーボン一般について語っているので、ジャックにこれ以上は立ち入ることはしません。論争については本ブログでスタンダードなJACK DANIEL'S Old No.7を取り上げる時少しだけ言及する予定です。

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