今宵の一曲はブッカー・リトルの「マイナー・スイート」です。TIME盤と言えばリトルがワンホーンで臨んだ名盤であり、彼お得意のマイナー調の曲が多い作品として知られますが、この作品の人気はもうひとりの夭折の天才、ベーシストのスコット・ラファロの存在にある、と言っても過言ではないでしょう。グイグイと強靭なベースを聴かせてくれてます。その他のバックも鉄壁の面子。さて、合わせたバーボンは、
JIM BEAM SIGNATURE CRAFT 12 YEARS 86 Proof
2013年にリリースされたシグネチャー・クラフト・シリーズの12年熟成物。ビームの製品はブッカーズで6〜7年、ノブクリークで9年程度と、長期熟成をあまりしない中で異例とも言える12年熟成なのがウリでしょうか。当然ながらマッシュビルはジムビームと同じ77%コーンのロウ・ライ・レシピ。そしてスモール・バッチでのボトリングです。では、飲んでみましょう。
焦がしたオーク、フレッシュフルーツ、ヴァニラビーンズ、ピーナッツ、ビターチョコ、紫蘇。思いの外、キャラメル系の甘い香りが薄め。飲み口はすっきり。余韻はやや苦めでナッティかつビール様、更にヨモギ。海外の有名なバーボンレビュワーの評価がなかなか良かったので期待しすぎたのか、少々拍子抜け。確かにジムビームらしい焦樽系のアロマは豊富なのだがテクスチャーが滑らか過ぎる。出来ればもう少し引っ掛かるものが欲しい。47度でボトリングしてもらいたかった。
Rating:84/100
Thought:これは単に私の好みなだけかも知れませんが、どうも現行のジムビームは音で喩えると、低音域と高音域が効いているのに中音域がすっぽりと抜けた音のようなバーボンに感じます。勿論、その音が好きな人もいるでしょう。けれども個人的には好きな音ではありません。またビームのスモールバッチシリーズのバーボンたちと比べると余韻が好みでなかったこともあり、値段を考慮するならもう一度購入したいお酒ではなく、同程度の価格ならばハイアープルーフのノブクリークを選びます。
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