

Evan Williams Green Label 7 Years 86 Proof
エヴァンウィリアムスの緑ラベルは、現在では4年熟成で80プルーフとなってしまっていますが、80年代から90年代にかけて日本に流通していた物は7年熟成で86プルーフでした(*)。黒ラベルにしてもその当時は8年熟成90プルーフでした。現行の黒ラベルはNASの5〜7年熟成で86プルーフですから、昔の緑ラベルは現行の黒ラベルをスペック的に上回っています。そして、なにより蒸留された施設の違いもあります。バーズタウンにあったヘヴンヒル蒸留所は96年の悪夢のような大火災により消失。その後、I.W.ハーパー等を造っていたルイヴィルのバーンハイム蒸留所を購入して蒸留を再開しましたが、この火災前に蒸留された原酒のことを欧米ではプリ・ファイヤー・ジュースと言い、味わいは現行の物より香味成分が強いとされ、失われた蒸留所への憧憬と共にバーボンマニアには珍重されています。
さて、そこで今回のボトルは95年ボトリング、言うまでもなく火災前のジュースという訳です。では、飲んでみましょう。
濃厚なキャラメル香、湿った木、チェリーコーク、ローストバナナのキャラメルソースがけ、ベーキングスパイス、あんずジャム→プルーン、ブラックコーヒー。口中は酸味が強め。余韻に胃腸薬と僅かなミント。現行製品とは異なるクラシックなバーボンノート。43度にしては余韻も長く濃密な風味。ただし、クリーミーな口当たりではない。見た目は少し濁りがあるが、味はそれほど劣化しておらず、これは当たりの一本。現在のブラックラベルより遥かに複雑な味わいで、90年代のスタンダードバーボンがハイレヴェルだったことを偲ばせる。ラッパ飲みやテイスティング・グラスで飲むよりもショット・グラスで飲むのが最も美味しかった。個人的にはもう少し酸味とえぐみがない方が好みなので点数は抑えめ。
Rating:84.5/100
*他にも6年や5年熟成の物もあったようです(もしかすると販売地域の違いなのかも。私自身、写真で見ただけなので詳細は分かりません)。
コメント
コメント一覧 (4)
現行版のエヴァングリーンについてなのですが、現在ウイスキー全般が値上がりし、アーリー黄がなくなった今、かなりの高コスパバーボンではないかと個人的に思っています。
ぬーさん、お久し振りです!
確かに、今や最低4年熟成のバーボンが1000円台前半で買える時代は終わったようで、その金額だとブレンデッドか2もしくは3年熟成の物となってしまいました。そんな状況下では、ヘヴンヒル社の製品は流石に高コスパで、緑/黒/白のエヴァンはどれもアーリー黃の代替案と言うか妥協案というか次善の策としていいでしょうね。
まだ他の超絶バーボンほど高騰しておらず、手に入れるチャンスがあればコツコツストックしてます。
初めまして、素敵すぎるお名前のエヴァン信者さん、コメントありがとうございます!
確かにここらへんはあまりラベルの色は関係ないですね。23年などは高嶺の花ですが、白緑黒ならオークションでお買い得なボトルですねえ。