バーボン、ストレート、ノーチェイサー

バーボンの情報をシェアするブログ。

2023年07月

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(画像提供Y.O.氏)

オールド・リップ・ヴァン・ウィンクル・オールド・タイム・ライは、その名の通りオールド・リップ・ヴァン・ウィンクル・ブランドのライ・ウィスキーな訳ですが、現在も販売されているヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライの前身と見做していいかも知れません。オールド・リップ・ヴァン・ウィンクル15年のバーボンが2004年にパピー・ヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ15年に置き換えられたのに似ています。なので、ここではヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライの今日までの足跡を辿ってみましょう。

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(Old Rip Van Winkle Distilleryの公式ウェブサイトより。彼らの全ラインナップ)
オールド・リップ・ヴァン・ウィンクル・ディスティラリー(ORVWD)のラインナップ中、ヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライは唯一のライ・ウィスキーなので「ライのパピー」なんて呼ばれることもあったりします。オールド・リップやらパピー・ヴァン・ウィンクルと言うと、高名なスティッツェル=ウェラーと結び付けられることも多いのですが、スティッツェル=ウェラー蒸溜所ではライ・ウィスキーを蒸溜していませんでした。そしてORVWDは、実際の蒸溜所を表すのではなく単に蒸溜事業会社の名前であり、彼らは所謂NDPなので、そのライはヴァン・ウィンクル家が蒸溜したものでもありません。ヴァン・ウィンクルのライは90年代半ば過ぎから後半頃、オーウェンズボロのメドリー蒸溜所が84年か85年に蒸溜したウィスキーを単一のソースとしてスタートしました。おそらくメドリーは何処かのボトラーの依頼でその時ライを蒸溜したと思われますが、それらは何らかの理由で売れ残り、後にユナイテッド・ディスティラーズがメドリーの資産を獲得すると、彼らは不要と判断した蒸溜所やブランド、そしてバレルを売りに出したので、それをジュリアン・ヴァン・ウィンクル3世が購入したのでしょう。この頃の彼はローレンスバーグのオールド・コモンウェルス蒸溜所でウィスキーをボトリングしています。メドリー・ライのマッシュビルは、一説には51%ライ、38%コーン、11%モルテッド・バーリーとされているのを見かけました。真偽の程は定かではありませんが、真実から遠く離れてはいなそうな気がします。このメドリーのウィスキーは、完全なシングルバレルではなかったようですが、時々は一度に1バレルしかボトリングしないこともあったとジュリアン自身が語っていました。
初めにリリースされたのはネック・ラベルがゴールドのオールド・タイム・ライでした。ボトルの肩に熟成年数を示すシールがなく、ラベルに「12 SUMMERS OLD」と記載され、おそらく96年ボトリングと推定されます(トップ画像の物)。これにはボトル・ナンバーはありますが、ロットを示すレターがありませんでした。続いて翌年からネック・ラベルがブラックのオールド・タイム・ライが発売され、こちらにはロットのレターが付き、Cレターの物も確認出来ることから、多分、数年間は販売されたかと思われます。ゴールド・ネックは実際に12年熟成のようですが、ブラック・ネックは12~15年熟成の可能性があるようです。オールド・タイム・ライはどれも90プルーフでボトリングされました。
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1998年、同じソースからヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライ13年として背の高い「コニャック」ボトルにボトリングされた物が日本に輸出されます。同じ頃、ハーシュ・セレクション名義でプライス・インポーツのためにも同じライがボトリングされました。1999年にはヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライ13年がアメリカの市場でも発売されます。13年熟成のファミリー・リザーヴ・ライは、更に5年間バレルの中で熟成を続けたにも拘わらず、同じ熟成年数表記で毎年リリースされました。聞くところによると、ファミリー・リザーヴ・ライの最初の方のリリースには、全ての物ではないと思われますが、ボトルの首に付いたハングタグ(ブックレット)に実物のライ・グレインが入った小さな包みが付属していたそうです。当時は今と違ってまだライ・ウィスキーの低迷期でしたから、ライに馴染みがない人々へ穀物そのものを紹介するマーケティングだったのでしょう。
一見すると普通のヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライ13年かと思ってしまいそうな、「1985」とヴィンテージがラベルに表示された特別なファミリー・リザーヴ・ライが2000年前後あたり(一説には2001年)にヨーロッパ市場へ向けてボトリングされました。このウィスキーの実際の熟成年数は15年と見られ、唯一の100プルーフでのボトリングであり、唯一「チルフィルタードではない」とラベルに記述のある物でした。アメリカでは一般的ではなかったアンチルフィルタードは、マニア層の多いヨーロッパでは望まれており、ジュリアン自身もウィスキーの冷却濾過は風味の一部を取り除くと確信していたので実験的に試してみようと思った、と語っています。冷やすと曇りが出るが、それは風味の問題ではなく飽くまでも外観上の問題であり、そのことはヨーロッパでは問題にならない、と。このライは彼によると「私のフランスの顧客の要望で提供された」そうですが、イタリアの勘違いではないかと云う指摘もあります。それは兎も角、この希少でコレクター垂涎のボトルをジュリアン自ら「私たちが世に送り出したライの中で最高のものだった」と言ったらしい。
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2001年1月にはハーシュ・セレクションの2回目(最終)のボトリングが行われました。実際の熟成年数は16年か17年でした。2002年にバッファロー・トレース蒸溜所との提携を果たしたジュリアン・ヴァン・ウィンクル3世は、ボトリングをローレンスバーグから同蒸溜所のあるフランクフォートに移します。
前述のように、ヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライは初めてボトリングされた時は13年でしたが、ボトリングされた年によって実際には13~18年熟成していました。このウィスキーが19年熟成となった時、これ以上熟成を進めるべきではないと判断され、2004年にバレルから取り出されてステンレス・スティール・タンクに貯蔵されます。その際に旧バーンハイム蒸溜所(もしくはジョージ・T・スタッグ蒸溜所)のクリーム・オブ・ケンタッキー・ライとブレンドされました。クリーム・オブ・ケンタッキーについては過去に投稿したこちらの記事を参照下さい。一説にはその比率は50/50とされています。このため、2004年から2016年までのファミリー・リザーヴ・ライの実際の熟成年数は19年でした。このブレンド処置はおそらくジュリアン3世の10年以上先を見据えた長期的な計画でした。ライが不人気な時分にライを購入し、もう一生分のライを持っていると思っていた彼でしたが、思いの外ファミリー・リザーヴ・ライは売れたのでしょう。その原酒がいつか枯渇するのは分かり切ったことなので、それを見越してバッファロー・トレースのライが彼のウィスキーに見合う熟成年数になるまでの間、年間290ケースしか製造しないようにキープして、10数年間ライをリリースし続ける計算があったと思われます。ところで、2012年にバッファロー・トレース蒸溜所のライがブレンドに加えられたという噂があり、真実かどうかは不明ですが、広く信じられているようです。兎も角、このブレンドが2016年に遂に底を突くと、2017年の一旦休止を経て、バッファロー・トレースで蒸溜された新しいバッチが2018年に初めてボトリングされました。以降、100%バッファロー・トレースのライとなって現在に至っています。
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(Old Rip Van Winkle Distilleryの公式ウェブサイトより)

こうしたなかなかに複雑な経緯を辿ったヴァン・ウィンクル・ファミリー・リザーヴ・ライのボトルの中身の原酒を把握するには、ボトリング年を特定することが重要になるのでざっと説明しておきます。ボトリング年はボトル・ナンバーの前に付くレターで主に判断します。各ラベルの上部には手書きのボトル・ナンバーがあり、通常はその前にアルファベットが書かれています。日本市場でのみ販売された最初のボトルにはレターがありませんでした。それに次いでアメリカ市場にてリリースされた1999年のボトリングから「A」が付きました。その後は順次「B…C…D…」と年毎にアルファベットが続いて行きます。2007年の「I」まで来ると、何故かそれは一旦終わり、2008年後半から再びレターは「A」から始まりました。しかし、新しい「A」と「B」は2年連続しています。その後は2015年の「F」まで年毎にアルファベットが進んで行き、2016年のボトリングで急に「Z」が現れます。これはタンクに貯蔵されたメドリーとクリーム・オブ・ケンタッキーのブレンドが終了したことを示すものでした。レターが被っている新旧の「A〜F」に関しては、2002年途中までの旧い物はボトリングされた地がローレンスバーグと記載されているので判り易いですが、所在地表記もフランクフォートで被っている物はボトルに刻まれたレーザー・コードで判断するのが最善とされます。バッファロー・トレースのボトリング・ラインは、2007年からボトルにドット・マトリックス・コードを使用し始めたとされているので、新しいレターの物にしかデイト・コードがない筈です。そして、2018年からまた「A」に戻るのですが、この時の物は数字の前ではなく、何故か数字の後ろにレターが来ます。で、これ以降はボトル・ナンバーを記載する欄すらないラベル・デザインに変更になりました。
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下にネットで確認出来たヴァン・ウィンクルのライ・ウィスキーをリストしておくので参考にして下さい。これは噂に基づいた部分も含むので、確定的な情報でないことを念頭に置いて見て頂けたらと。左からブランド名、発売年、レター・コードやロット番号など、ラベルの熟成年数(実際の熟成期間)、プルーフ、推定ソース、所在地表記、ボトル形状/ガラスの色/フォイルやワックスの色、特記事項となっています。ボトリング年か発売年順に並べたかったのですが、細かくは判らないため多少前後するかも知れません(特に2000年前後の物は)。また、ここにはジュリアンがボトリングしたと思われる初期のVOSNのライは含めていません。


VAN WINKLE'S RYE WHISKEY LIST

OLD RIP VAN WINKLE OLD TIME RYE|1996|No Letter(only number)|12 Summers Old|90 Proof|Medley|Lawrenceburg|Squat Bottle|Gold neck label.

OLD RIP VAN WINKLE OLD TIME RYE|1997|A|Aged 12 Years|90 Proof|Medley|Lawrenceburg|Squat Bottle|Black neck label.

HIRSCH SELECTION RYE|1998|Lot 97-1|13 Years Old|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass, Black Wax|Bottling for Preiss Imports. This first lot would have been the same as a non-lettered VWFRR.

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|1998|No Letter(only number)|13|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass, Red Foil|Japan only

LOTTAS HOME Papa's Private Family Reserve|1998|1207|13|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass, Red Foil|A special bottling one for a German importer whose daughter was named Lotta, and sent out as her wedding invitation, aprx 60 bottles made.

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|1999|A|13(14)|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass, Red Foil|First US Release

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE "1985"|Circa 2000|A|--(15)|100 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass?, Black Foil|Unchillfiltered

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2000|B|13(15)|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass, Red Foil

RED TOP RYE|2001|----|15 YEARS OLD|95.6 Proof|?|Lawrenceburg|Cognac Bottle, ?, ?|Homage to the Westheimer Family.

OLD RIP VAN WINKLE OLD TIME RYE|Circa 2000|C|Aged 12 Years(15〜16)|90 Proof|Medley|Lawrenceburg|Squat Bottle|Black neck label.

HIRSCH SELECTION RYE|2001|Lot 00-1|13(16)|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Green Glass, Black Wax|For Preiss Imports. This is considered the same as the C-lettered VWFRR.

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2001|C|13(16)|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2002|D|13(17)|95.6 Proof|Medley|Lawrenceburg, Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|Bottling moved from Lawrenceburg to Frankfort this year.

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2003|E|13(18)|95.6 Proof|Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2004|F|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|Moved into stainless steel tanks, Cream of Kentucky blended with Medley.

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2005|G|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2006|H|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2007|I|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2008|A|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|Letter code started over with "A"

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2009|A|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2010|B|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2011|B|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2012|C|13(Med19/CoK19?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|Rumored that Buffalo Trace distilled rye was added to the blend.

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2013|D|13(Med19/CoK19?/BT13?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley + BT?|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|Larger font at bottom for "bottled by" and "ORVWD"

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2014|E|13(Med19/CoK19?/BT13?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley + BT?|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2015|F|13(Med19/CoK19?/BT13?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley + BT?|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2016|Z|13(Med19/CoK19?/BT13?)|95.6 Proof|Mix of CoK and Medley + BT?|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|"Z" marking indicates last of the tanked Medely/Cream of Kentucky blend.

No Release in 2017

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2018|****A|13|95.6 Proof|Buffalo Trace|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil|Letter Comes After the Numbers

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2019|No Bottle Numbers|13|95.6 Proof|Buffalo Trace|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2020|No Bottle Numbers|13 |95.6 Proof|Buffalo Trace|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2021|No Bottle Numbers|13|95.6 Proof|Buffalo Trace|Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil

VAN WINKLE FAMILY RESERVE RYE|2022|No Bottle Numbers|13|95.6 Proof|Buffalo Trace| Frankfort|Cognac Bottle, Clear Glass, Red Foil


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ちなみにリストでグリーン・グラスとあるのは上のようなかなり薄い緑色のガラス瓶を指します。また、2013年のフォントが大きくなった件も上の画像のようになります。それと、オールド・リップ・ヴァン・ウィンクル・オールド・タイム・ライのBレターの物は画像検索で見当たらなかったのでリストに入れませんでしたが、もしかしたらあるのかも知れません。その他の物でも発見したり、また何かしらの間違いの指摘などは奮ってコメント頂けると助かります。

偖て、今回このような古い貴重なライを飲めることになったのは、日本有数のバーボン・マニアの方とサンプル交換したからでした。こちらから送った物に対して大変希少かつ多くのサンプルを送り返して頂きまして、恰も海老で鯛を釣るが如き結果になってしまったのは申し訳ないやら有り難いやらで…。また画像の提供、そして本ブログの記事を書くにあたっていつも情報提供に協力して頂き感謝に堪えません。この場を借りてお礼を言わせてもらいます。N.O.さん、この度は本当にありがとうございました! バーボン繋がりに乾杯! では、最後に飲んだ感想を少々。

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OLD RIP VAN WINKLE OLD TIME RYE 12 Summers Old 90 Proof
No. 1143
推定96年ボトリング。ほんの少しオレンジがかった濃いめのブラウン。スパイシーな香り立ちからお菓子のような甘い香りも広がる。豊かなベーキングスパイス、フローラル、カラメリゼ、マスティオーク、白胡椒、ドライイチジク、メープルクッキー。口当たりはややウォータリー。パレートは豊かな穀物を感じ易い。余韻はライのビタネスでさっぱりと切れ上がるが、鼻腔にオールドオークとドライフルーツが居続ける。草っぽさやハーブなどの緑感はそれほどなく、甘さとスパイスに振れたバーボニーなライ・ウィスキーという印象。
Rating:86.5/100

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周知のようにワイルドターキー101のラベルとボトルのデザインが一新されました。現地のアメリカでは、早くも2020年11月にエンボス・ターキーのハンドル・ボトルが登場し、通常のボトルも2021年1月からゆっくりと順次切り替わって行ったようです。しかし、公式なアナウンスは2022年3月に行われました。何らかの理由で新しいボトルが全ての市場に届くまで発表するのを待ったらしい。日本では2022年9月から発売されました。新たにデザインされたボトルのミニマムなラベルは、ウィスキー自体の色を直感的に理解されることを狙っているとされます。また、ブランドのアイコンであるターキーをボトル前面にエンボス加工したのは、洗練されたクラシックなスタイルの表現とプレミアムなイメージの視覚化だそうです。デザインの開発過程で行った日本の消費者を対象にした調査では、「高級感がある」、「現代的になり洗練されている」、「飲んでみたくなる」と言った高い評価を得たのだとか。ラベルに描かれたターキーの変遷だけ簡単に振り返っておくと、初期から長らく続いていたこちらを向いた正面ターキーが1999年まで、続いて登場した横向きターキーのフルカラーが1999〜2011年、同じく横向きターキーのセピア調が2011~2015年、モノクロのスケッチ・ターキーが2015〜2020年、そしてエンボス・ターキーの登場となります(以上の年数はアメリカ基準)。
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ワイルドターキー蒸溜所は、旧来のリピー・ブラザーズ、アンダーソン・カウンティ、JTSブラウン&サンズ、ブールヴァード等と呼ばれた蒸溜施設に代わる新しい施設が2011年に始動しています。以前このブログで取り上げた2019年10月ボトリングと推定されるスケッチ・ターキー8年101を買った時、熟成年数を単純計算すると新原酒かも知れないぞと思い、よし新しい味を試してみようじゃないかと意気込んだものの、実際に飲んでみるとどうも旧来のフレイヴァー・プロファイルとあまり変わらない印象を受け、あれ?となりました。そこで、確実を期すため、日本流通の物が新ラベルに切り替わるまで待つことにしました。で、漸く飲む時は訪れ、今回の投稿に至ったのです。このエンボス加工ボトルがリリースされる以前から、日本ではラベルのターキーの色が薄くなるにつれ味も薄くなったなどと揶揄されることもあったワイルドターキー8年101。この度のラベル/ボトル・チェンジにより、遂に紙ラベル上からターキーは居なくなり、色合いは透明になってしまった訳で、その理屈で行くと今ボトルの物が最も味が薄っぺらくなっていることになりますよね? 私はそうした旧来のラベルに対する段階的後退理論?の意見に必ずしも全面的には与しませんが、当ブログにも新しいワイルドターキー8年に対する否定的評価が寄せられていたこともあり、一抹の不安を感じながらの開封になりました。

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WILD TURKEY 8 Years 101 Proof
2021年ボトリング。ボトルコードはLL/JK220638(推定2021年11月22日)。チェリーキャンディ、焦げ樽、お菓子の砂糖コーティング、ブラウニー、若いプラム、ミルクココア、杏仁、穀物、胡椒、マッチの擦ったあと。トップノートは爽やかでフルーティ。少しとろみのある口当たりにするっとした喉越し。パレートは甘く、かつピリリと辛い。余韻はややあっさりめでコーンとナッツ。
Rating:85/100

Thoughts:初めての一口を恐る恐る飲んでみると…あれ? そんなに悪くない? もっと酷いのかと想定していたのですが、思っていたより美味しいです。香りも味わいも、中心となるのはオークとフルーツキャンディですかね。ワイルドターキー独特のチェリーノートが、旧来の物が生のフルーツもしくはドライフルーツを想起させるとしたら、新しい物はキャンディを彷彿させると言った感じですが、これはこれで…。強いて言うと、ダークなトーン、タバコ、レザー等の深みを与えるノートが減退して何だかのっぺりとしたような気がします。当ブログにコメントをくださる方が仰っていたのですが、確かにアーシーさが欠けた印象です。それにスパイスの奥行きもなくなり、アルコールの刺激が些かシャープになった感じもします。ただ、これらよりも面食らったのは、キャラメルやヴァニラの風味が希薄になって焦がしてないシュガーの味わいが強くなったところかも知れません。甘味は強く感じるものの、何故か深みのない甘さなのです。海外の方ならコットン・キャンディやアイシングとかグレイズと表現するやつでしょうか。悪い面ばかり論ってしまいましたが、ワイルドターキー特有の強い焦げ樽の風味は健在ですし、かなり甘く、フルーツ感もそれなりにあり、開封から暫らく放置しておくと幾分かフレイヴァーの密度も高まるし、飲み慣れると全然悪くはありません。何より、ワイルドターキーはバッチ間での味わいの変動が大きく(*)、旧ラベルのスパイシー&ドライな傾向のバッチよりかはこちらの方が個人的には美味しいぐらいで、そこは評価すべきかと。そう言えば、辛口のカレーや麻婆豆腐に合わせて食中酒として飲むと、甘味を強く感じる上にスパイスも増強されたようになり、大変美味しく飲めましたね。
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偖て、ワイルドターキー8年がなぜここまで変わってしまったのか。いや、これは日本限定の8年に限った話ではなく、本国アメリカに於ける定番NAS101でも同じようなことが言われています。有名なバーボン系ユーチューバー達は動画のネタにワイルドターキーNAS101の新/旧ラベル比較を行っているのですが、概ね同じ意見になっていました。なので、先ずはNAS101について見ていきましょう。
ワイルドターキー愛好家の第一人者であるデイヴィッド・ジェニングス氏は、新しいワイルドターキーNAS101について2021年1月の段階では、2020年に開けたどのボトルよりも良いとは言えないまでも同じくらい良いものだと語っています。そこから数ヶ月後、「新しいボトル・デザインが小売店の棚にゆっくりと並ぶにつれ、ワイルドターキーNAS101の風味が変わったと言うウィスキー愛好家の声を耳にした」彼は、その主張を検証するために2021年6月に充填されたボトルを購入し、2017年ボトリングのNAS101と比較することにしました。結果は、両者の間には幾つかの細かい違いはあるもののワイルドターキーの味に変わりはなく、25ドルのバーボンが不満や文句を言われる筋合いは全くない、と述べています。2021年NASは「甘く、より"洗練"された」と表現するのが最適で、ワイルドターキーらしい味わいそれ以上でも以下でもない、と。結局のところプルーフ、価格、プロファイルに於いてワイルドターキー101は今でも最高のデイリー・バーボンである、と。
他方、新しいラベル・デザインを採用した2022年3月ボトリングの物に失望した或る方は、海外の有名な某掲示板にワイルドターキー101の年代別4本(2022年NAS、2020年NAS、2008年エクスポート8年、2006年NAS)の飲み比べを投稿しました。そこで「2020年の物には古いものから幾つかのキー・エレメンツが欠けているものの、まだ家族的類似性が見られ」、「2006年や2008年のボトルから2020年の物まで一直線の線を引くことが出来る」が、「2020年と2022年の物との間には紛れもない溝がある」と述べています。2020年と2022年はどちらも2011年に稼働した新しい設備で蒸溜されているにも拘らずです。そこで彼の最終的な推測は、蒸溜が悪くなったのではなく、若いものをボトリングしているからだと思う、と云うものでした。NAS101の裏ラベルには「6~8年まで」の熟成がなされている旨が示されていますが、これは法的拘束力のある記述ではないため、実際には4年程度の若いウィスキーをブレンドすることは可能であり、2022年のボトリングには6年未満のバレルがダンプされているのではないか、と。
お気付きのように、この両者の試飲しているボトルのロットには半年以上もの差があります。なので、両者の個人的な味覚や趣味嗜好は一旦措いて、取り敢えずその発言を信頼出来るものとして捉えると、味わいは2021年を通して徐々に変化して行ったか、或いは2021年後半辺りのボトリングから一気に変化したかのどちらかではないかと思います。件の某掲示板に「新しいラベルの最初の数本はそれなりに良かったので、この変化はラベルの変更と同時のものではないと思う」とのコメントがありました。ややこしいことに、どうやら中身が変わったのとラベルが変わったのは完全には一致しないようです。私はワイルドターキーの味わいの変化をシンプルに新しい蒸溜施設の原酒に切り替わったからだと思っていたのですが、どうも事はそう単純ではないらしい。NAS101が6〜8年熟成(数年前にエディ・ラッセルは平均7年半と言っていた)で、新施設の稼働が2011年と言うことは、2019年に新蒸溜所原酒100%になっていてもおかしくはなく、それなら2019年に不味いという評判が出てもいいのに、何故か2021年になってから味が落ちたようではないですか。だからこそ某掲示板のWT飲み比べスレッド投稿者さんは味の落ちた原因を新しい蒸溜施設に求めるのではなく、バッチングの平均熟成年数の低下に求めてる訳で…。昔からワイルドターキー蒸溜所はマッシュビルもその他の製造方法も何十年も変わっていないとしばしば主張して来ました。これは、長い年月の間には清掃のし易いファーメンターに変わったり、職人の勘に頼っていたパートがコンピューター制御に変わったり、高性能なフィルターが導入された等はあっても、穀物の粉砕や発酵時間や蒸溜メソッドなどの基本的なバーボンの製造方法は変わっていない、そういう意味でしょう。なので、取り敢えず穀物の選定、イースト、蒸溜プルーフやバレル・エントリー・プルーフ、チャー工程の時間などは変わっていないと推測されます。また、新ワイルドターキー蒸溜所へツアーに行った方々による内部の写真を閲覧すると、メインとなるビア・スティルの銅製部分などは年季が入ってるように見え、もしかすると以前の施設から引っ越しさせただけのようにも見えます(※ここら辺の事情を実際に見学ツアーへ行って知ってる方はコメントよりご教示下さい)。もしこれらの想定が正しいのであれば、新蒸溜所原酒のクオリティが著しく落ちるとは考え辛く、確かにバッチングに選ばれたバレルがヤンガーだから味が落ちたと思いたくなります。ワイルドターキー蒸溜所マスター・ディスティラーのエディ・ラッセルの息子ブルースが2018年頃に公にしたコメントでは、当時のNAS101の最新バッチには7~10年熟成のバーボンが含まれていたとされています。もしこれが数年に渡って続き、2021年頃になって、或いは新ボトルに切り替わる頃に、突如10年原酒をブレンドしなくなったとすれば、話の辻褄は合ってはいることになるでしょう。
しかし、日本限定の8年101は? これは文字通り最低8年熟成であり、それを飲んでもNAS101と同じような変化を感じるということは、若いウィスキーが原因ではなく、新蒸溜所由来のウィスキーそれ自体にあると考えるしかないのでは? 上述のように、私が2019年10月ボトリングと推定される旧ラベル8年101を飲んだ時、味わいが劣っているようには思えませんでした。ところが今回の新ボトル8年101は僅かに劣っているし、何よりフレイヴァー・プロファイルが異なります。今回のボトルは推定2021年11月ボトリングです。この二つの間の物を私は飲んでないので、一概には言い切れないかも知れませんが、先ほど取り上げたNASとほぼ一緒の軌跡を辿っているように見えます。では8年101に、NAS101についてのバッチングに使用されるバレルの平均熟成年数の低下という仮説を応用すると、8年101の味の落ちた原因は、昔のものは10年超の原酒がブレンドされていたが今は完全に8年原酒のみとなったから、とでもなりますよね。え、じゃあ旧来の8年101て、ちょうど良い熟成加減の8年にコクと崇高性を与える長熟原酒を少し混ぜた至高のバランスをもったバーボンで、しかも安いというお値打ち品だったの? いや、まさか…。
先程から言及しているWTを飲み比べるスレッドの投稿者さんは、スタンダードな101の衰退がより高級なワイルドターキーの表現に対する需要の高まりに関係している可能性を示唆しています。NAS101が品質を落としたと思われる一方で、少なくともレア・ブリードは優秀な状態を維持し続けているところから、彼の推測ではNAS101を犠牲にして、6年、8年、12年の大量のバレルを必要とするレア・ブリードに6〜8年熟成の良質なバレルを振り向けているのではないか、と。確かに、レア・ブリードに限らず、今はどこの蒸溜所もシングル・バレル・プログラムに力を注いでおり、ケンタッキー・スピリットやラッセルズ・リザーヴのストア・ピックのシングル・バレルに良質のバレルが振り分けられている可能性はあるかも知れません(**)。毎年リリースされるマスターズ・キープだって比較的高齢のバレルを使用し、それなりの数量が販売されています。近年ではラッセルズ・リザーヴ13年の導入もありました。或いはバーズタウン・バーボン・カンパニーがフュージョン・シリーズ等のブレンドにWTバレルを使っているとされ、そこに良い樽の一部が引き抜かれているかも知れないという推測もあったりします。日本でも新ボトルの切り替えと同時に12年101も復活していますよね。12年101は13年ディスティラーズ・リザーヴの後継な訳ですが、仮に生産量が同量だとすると、91プルーフと101プルーフの違いから、必要なバレル数は12年101の方が多くなります。ところで、私は自宅で様々なバーボンやライ・ウィスキーを混ぜたオリジナル・ブレンドのアメリカン・ウィスキーを作ったりして遊ぶのですが、短期熟成のちょっと物足りないバーボンに、長熟もしくはオールド・ボトルのバーボンをほんの少し加えるだけでもコクや敢えての雑味を与えることが出来、なかなか飲みごたえのあるバーボンになったりします(***)。そうした実体験から言うと、上で見たような、スタンダード101より高級な路線の拡大によって古いバレルの供給は大幅に減り、結果、NAS101と8年101に振り分けられていた長熟原酒が取り除かれ、その味わいは弱体化したという憶測は案外的を得ているようにも感じられます。とは言え、これは新しい蒸溜所が旧来と同等の品質のウィスキーを生産することが出来ると仮定した意見です。バーボンの製造方法に味の違いを生み出す変更があったのなら、私個人には知る術がありません。事情通からの何かしらの情報が入るのを待ちましょう。既に新しいボトルのワイルドターキー8年を飲んだ皆さんは、どういう感想や意見をもちましたか? どしどしコメントお寄せ下さい。

Value:一部のバーボン愛好家にとってワイルドターキー101は永遠の定番でした。人によっては毎日飲むバーボンでさえあったでしょう。いや、バーボンしか飲まない愛飲家もウィスキー全般を嗜む愛飲家も、淑女も紳士も、老いも若きも、肉体労働者も知識労働者も、ジミー・ラッセルが何者であるか知ってる人も知らない人も、汎ゆる人々がワイルドターキー101を頼りになる相棒として購入し飲んで来た筈です。私とて、8年101とは限りませんが、何かしらワイルドターキー蒸溜所のボトルを開封済ボトルのローテーションに必ず組み込んで来ました。それが…確かに何かが変わってしまった、従来品のファンからすると良くない方向に。想い返せば、ラベルのターキーが正面から横を向いた時も、カラーがセピア調のモノクロームに変化した時も、味わいが劣化したと言う人がいました。今回の変化はその比ではない劣化だと考える人もいるでしょう。慣れ親しんだWT101のスパイスがないとか、失われたライのフレイヴァーを求めてフォアローゼズのSmBを飲まなければならなくなったとか、間違って81プルーフを買ってしまったのかと思ったとか、まるで別の蒸溜所で造られたような味わいだとか、もう買わないとまで言う人もいますから。ワイルドターキー蒸溜所のエントリー・レヴェルの製品は、価格以上の価値のある逸品から、もはや価格相応の品質になったのかも知れない。しかし、このボトルはジムビームでもフォアローゼズでもメーカーズマークでもジャックダニエルズでもない味がします。それはこのボトルを購入するのに十分な理由になるのではないでしょうか? ウィスキーの世界ではわりと一般的に、現行ボトルよりも古いボトルの方が味が良いと語られたりしますが、これは飽くまで古い味を知っている人にのみ起きる現象です。これからワイルドターキーを飲もうとする人には、きっと何の問題もない…と信じたい。
私? 勿論、定期的に買いますよ、今後のバッチで何か変わるかも知れませんから確認のためにもね。但し、買う頻度は少なくなると思います。それは味わいが変化したからではありません。殆どのウィスキー愛好家にとって最も重要なのはウィスキーの品質でしょうが、私にとってより重要なのはブランドのイメージを体現するボトルとラベルでした。2010年代に起こったアメリカのバーボン・ブームは、2020年代に入っても衰えるどころか益々活況を呈しており、その勢いは留まるところを知らず、様々なブランドが新しい潮流に棹さしてボトルやラベルを刷新しました。新しく誕生したブランドにはネオ・ヴィンテージ感と呼べるような肌触りがあるものも多いですが、古典的なバーボン・ブランドが刷新を図る場合、古色蒼然としたラベル・デザインを端正でシンプルに変える傾向にあると思います。おそらく新たに愛好家になった人は高級感のあるスタイリッシュな物を求めているのでしょう。エライジャクレイグの新ボトルやウェラーの新ラベルを初めて見た時にも思いましたが、どうもアメリカの一般消費者の感覚と私の感覚には大きな隔たりがあるようで…。私はスタイリッシュで洗練された高級感をワイルドターキーに求めていません。正直言うと新しいボトルは買いたくなくなるデザインなのです(****)。皆さんの新ボトルに対する印象はどうなのでしょう? これまたコメント頂けると幸いです。


*スタンダードな101のバッチングに使用されるバレルは1000以上とされ、非常に巨大なものですが、それでもバッチ間には多少のばらつきが生じます。バッチ毎に味が違う理由としてよく挙げられるのは、次の2点です。一つは、ワイルドターキーはウィスキーの熟成に伝統的な木材とメタル・クラッドの組み合わせによるリックハウスを使用していますが、その全てが毎年「旬」を迎える訳ではないこと。つまりその時々で良いと判断された特定のリックハウスからバッチングに使用されるバレルが引き出されるので、結果、フレイヴァー・プロファイルが異なってしまいます。もう一つがバレル・エントリー・プルーフの低さです。ワイルドターキーの115バレル・エントリー・プルーフは、熟成後のバレル・プルーフが凡そ110〜120の間に収まり、そこから101プルーフへ希釈されるので、より一般的な125バレル・エントリー・プルーフを使用するブランドと比べると水の量は少なめになります。水を増やせばプロファイルの再現性は高まり、逆に水が少なければより多くのフレイヴァーが得られる分ばらつきが生じ易い訳です。

**最近ボトリングされた通常の?ラッセルズ・リザーヴ10年とケンタッキー・スピリットはあまり良くないという発言も掲示板のコメントで見かけました。

***他にも、一般的なバーボンにライ・ウィスキーを少し混ぜると、ハイ・ライ・マッシュ・バーボンの味わいのようになったりして面白いです。よくフルーツ味のジュースとかで果汁1〜5%とかありますよね。あれって、それだけじゃ大した意味なくね?と思いがちですが、意外と効いてる可能性はあって、短熟バーボンに長熟バーボンを5%程度入れると、途端に飲み易くなったりします。ここで紹介したのは、言わばフレイヴァー剤のように長熟ウィスキーやライ・ウィスキーを使用するテクニック?です(笑)。皆さんも興味があれば試してみて下さい。

****勘違いされるといけないので念のため言っておくと、私はマスターズ・キープのボトルは大好きです。あれは本当に高級だからいいのです。そういう意味で言うと、12年101にエンボスト・ターキー・ボトルは何の不服もありませんでした。ただ、スタンダードなワイルドターキーにあのボトルは自分的にはピンとこないし、違和感を払拭できないだけなのです。

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