2023年11月

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ジョージディッケル・バーボン8年は継続的な全国リリースの製品として2021年夏にディッケルのコア・ラインナップへ追加されました。同年のナショナル・バーボン・デイに発表されたこの製品がユニークな理由は二つあります。一つは、言うまでもなくバーボンである点です。これはジョージ・ディッケル蒸溜所にとってラベルに「バーボン」の文字がある初めての製品でした。
ジョージディッケルとジャックダニエルズは共に、テネシー・ウィスキーとバーボンが同じものではないことを消費者に強調して来ました。彼らは「ストレート・バーボン」と商品ラインナップの大半に書いておしまいの大手バーボン蒸溜所とは違うのです。この二つのアメリカン・ウィスキーの違いは長年議論され、テネシー・ウィスキーは独自のカテゴリーだと強硬に主張する人もいれば、それは単にバーボンという大きなカテゴリーの一部だと穏和に主張する人もいます。ここでそうした議論を始める積りはありませんが、それまで自らの製品をテネシー・ウィスキーと呼んで来たディアジオ傘下のジョージ・ディッケル蒸溜所がバーボンをリリースしたのは何かしら示唆的でしょう。
そもそもテネシー・ウィスキーはバーボンとラベル付けするための法的要件を全て満たしています。つまり、ジョージディッケル・テネシーウィスキーはバーボンと表示されていませんが、しようと思えばいつでもバーボンとラベルに表示することは可能だった訳です。そして実際のところ、このジョージディッケル8年バーボンとNo.8テネシー・ウィスキーには、エイジ・ステイトメント以外に製法上の差はありません。どちらもコーン84%、ライ8%、モルテッドバーリー8%という同蒸溜所の古典的なマッシュビルで造られている上、バーボンとテネシー・ウィスキーを分けるポイントとして名高いチャコール・メロウイング製法、即ちリンカーン・カウンティ・プロセスも行われています。
では、なぜ著名なテネシー・ウィスキーのメーカーは、突如として自社リリースの一つをバーボンと呼び始めたのでしょう? シニカルな見方をするならば、これはただのマーケティングであって今バーボンが流行っているからバーボンのラベルを貼ってその恩恵に与かろうとしているだけだ、となります。しかし、ブランド側の回答としては、そのフレイヴァー・プロファイルに基づいてのことだと言います。近年そのブレンディングと樽選びの能力でアメリカン・ウィスキー界でスターとなっているカスケイド・ホロウ・ディスティリングのディスティラー兼ジェネラル・マネージャーのニコール・オースティンは、同蒸溜所から産出される特定のバレルは「より伝統的なバーボンの香りに傾いており、ジョージ・ディッケルの他の製品に見られるテネシー・ウィスキーのテイスティング特性を表現していない」と述べました。おそらくディッケル・バーボン8年の核となるアイデアは、古典的なテネシー・ウィスキーと言うかジョージディッケルのプロファイルが現れていないバレルは少なからずあり、寧ろバーボンに近いプロファイルになってしまったそれらに適切な居場所を与えることだったのでしょう。現在市場にはテネシー州で蒸溜された長熟バーボンが沢山あることが知られています。アメリカ以外の国も含む多くのボトラーがそれらをボトリングしているからです。そして、それらは殆どディッケルから供給されていると見られます。このディッケル・バーボン8年は、謂わばそれらの若年ヴァージョンと見ることも出来るかも知れませんね。まあ、それは措いて、オースティンは「バーボンはより親しみやすくバランスの取れたものであり、ディッケル・バーボンは私たちのポートフォリオ全体への素晴らしい入口です」と語っていました。

このディッケル・バーボンがユニークな理由の二つめは、ラベルに大きくあしらわれた「8」がレシピ番号ではなく、文字通りの熟成年数であることです。ジョージ・ディッケル蒸溜所の創業以来、彼らの代表的な銘柄と言えば、ブラック・ラベルの「オールドNo.8ブランド」とホワイト・ラベルの「オールドNo.12ブランド」でした。これらはここ10数年の間に、ラベルのデザインが段階的に少し変化したり、ラベルの色みが変わったり、微妙な名称の変更が施され、それぞれ「クラシックNo.8レシピ」、「スーペリアNo.12レシピ」となっていました。ディッケル・バーボン8年の発売以降のことだと思われますが、紛らわしかったその数字が削除され、これらは現在では単に「クラシック・レシピ」と「シグネチャー・レシピ」となったようです。
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その紛らわしい数字のせいで誤解している人も多いのですが、一部の熟成年数が明記されたジョージディッケル製品を除き、No.8と12は発売当初から現在に至るまで全てNAS(熟成年数表記なし)のウィスキーでした。それ故、ディッケル・バーボンはそのラインナップの中でエイジ・ステイトメントという際立つ特徴があるプロダクトになっています。では、そろそろこのテネシー産のバーボンを注いでみるとしましょう。

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George Dickel Bourbon Whisky Aged 8 Years 90 Proof
ボトリング年不明、レーザーコードはL1146R60011553。色は中庸なブラウン。焼いた木材、シリアル、シナモン、どら焼きの皮、ベリーソースをかけた杏仁豆腐、微かにグレープ味のガム。ノーズはトースティで清涼感のある香りから、ローストしたアーモンドも僅かに顔を出す。口当たりはサラッとしつつ円やか。パレートはややフルーティでグレイニー。余韻はドライながら香ばしい樽香とナッツが少々。全体的にスパイス感は弱め。
Rating:80→81.5→83.5/100

Thoughts:開封直後の第一印象は8年より若そうというものでした。焦がした樽の深みが感じられず、彼らにとって重要な筈のテネシー・ウィスキーとしてリリースするにはイマイチだったバレルをバーボンとしてリリースしてるのではないか、と邪推するほど薄っぺらい香りと味わいでした。しかもそれは暫く続きました。しかし、開封から3ヶ月くらいすると、アルコールの尖りが落ち着いたのか、香りは甘さを増し、味も甘みを感じ易くなりました。とは言え、フルーツのフレイヴァーは相変わらずそれほどでもなく、またディッケルらしさもさほど感じられず、悪いところも良いところもない無難なバーボンという印象はまだ拭えませんでした。ところが開封から10ヶ月経って残り3分の1くらいになった頃、ぐっとフルーツ・フレイヴァーが増し、アーシーなフィーリングも出て来て美味しくなりました。レーティングの矢印はそのことを指しています。但し、総評としては、主にオークと甘いお菓子が原動力になっていて、フルーツとスパイスは弱く、余韻は少しドライなバランスのミディアム・ボディのバーボンと言ったところかと。
で、件のテネシー・ウィスキーとバーボンがどれほど違うのかに就いては、強いて言うと他のテネシー・ウィスキーを名乗る製品より酸味と苦味が弱く、甘みが感じ易いような気はしました。ですが、飽くまでその程度であり、残念ながらこのジョージディッケル・バーボンは味わいに大きな独自性を発揮しているとは言い難いです。海外のレヴュワーさんのテイスティング・ノートを眺めてみると、ジョージ・ディッケル蒸溜所のウィスキーの特徴としてミネラルとかフリントストーンズ・チュアブル・ヴァイタミンと表現されるフレイヴァーを、このバーボンでもディッケルだと分かる位にあるとする人もいれば、確かに存在するが圧倒的ではないとする人もいます。個人的には後者に賛同です。また、甘さの側面についても意見が別れ、「フィニッシュは歯が痛くなりそうな甘さ」と表現している人もいれば、その感想に「ディッケル・バーボンが甘いのは認めるが、バーボンの平均以上の甘さとは言い難い」と反対している人もいました。私の感想はこれまた後者の方と同じでした。「ディッケル・バーボンは、8年間熟成させ、完璧にブレンドされた手作りのスモールバッチ・バーボン」とされているので、正確なバッチ・サイズまでは判りませんが、もしかするとスモールバッチ故のバッチ間での味わいの変動はあるのかも知れません。

Value:基本的にジョージディッケル・ブランドは「お買い得」で知られ、カスケイド・ホロウ・ディスティリングは比較的安価な価格帯への拘りを強くもっているように見えます。彼らの販売戦略なのでしょうか、旧来のNo.8は約20ドル前後、旧来のNo.12は約25ドル前後と、ほぼ同じ価格帯にフラッグシップ・ブランドが二つあります。そして、それらより上位のバレル・セレクトが45ドル前後、ボトルド・イン・ボンドが40〜50ドル。そこに30〜35ドルのジョージディッケル・バーボンが加わったのです。既に確立されたブランドの中に新たなミドル・クラス品が加わったことで、そのラインナップはますます細分化されました。No.8の20ドルからBiBの50ドルまで僅か30ドル内の間に幾つものウィスキーが犇めき合っている、と。これらの中にあってジョージディッケル・バーボンは、上で述べたように最終的に美味しくはなったものの、テネシー・ウィスキーとバーボンを棲み分けするだけの個性には聊か欠けているように思います。それに、どうせディッケルを飲むならテネシー・ウィスキーの方が良くないか?と思ってしまうのは私だけではないでしょう。日本での販売価格は8000円前後が相場です。味わいからするとちょっと高いなとは思うのですが、昔はもっと安かったNo.12も現在では7000円程度なので、順当なプライシングかな。「バーボン」という魔法の言葉に価値を感じる人、典型的なジョージ・ディッケルの風味に飽き飽きした人、テネシーだがバーボンという一風変わった物を嗜みたい人にはオススメです。

そう言えば、今年のホリデイ・シーズンにはディッケルからテネシー・"バーボン"の特別な18年物がリリースされるようですね。日本で飲めるのでしょうか…。

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(上は異なる版のボトルの写真。ヘヴンヒル公式ウェブサイトより)
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ヘヴンヒル・セレクト・ストックは、ヘヴンヒル蒸溜所のヴィジター・センターである「ヘヴンヒル・バーボン・エクスペリエンス(旧称バーボン・ヘリテッジ・センター)」およびケンタッキー州の一部の限られた小売店にて少量販売される、革新性とコレクション性の高いアメリカン・ウィスキーのラインです。これは基本的にヘヴンヒルの実験的ラインのため、マッシュビル、エイジング、フィニッシュ、プルーフはエディションによって異なります。そのバッチ・サイズはかなり小さく、5バレル未満であったり、最近の物でも26バレルとされていました。2022年後半期からは、ユー・ドゥ・バーボン・エクスペリエンスで提供されているようです。この「You Do Bourbon」と言うのは、ヘヴンヒル・バーボン・エクスペリエンスで行われる「ツアー」の選択オプションの一つで、75分で40ドルを払い、研究室のようなテイスティング・ルームに座ってエライジャクレイグ・バレルプルーフ、ラーセニー・バレルプルーフ、バーンハイム・オリジナル・ウィートウィスキー・バレルプルーフの3種とあればセレクト・ストックを試飲し、その中からお気に入りを選択して、自分でボトルに詰めてラベルの記入をするものです。購入したボトル毎に5ドルが地元の非営利団体に寄付されます。このテイスティング体験には、ラボの探索や1935蒸溜所劇場での上映が含まれているそう。

これまでに発売されたヘヴンヒル・セレクト・ストックの各エディションを以下に纏めておきます。左から順にリリース・デイト、プルーフ、熟成年数、どういうものかの説明です。


HEAVEN HILL SELECT STOCK EDITION LIST

1st Edition|Spring 2014|130.2|8 Years Old|Wheated Bourbon finished in Cognac barrels for two years.

2nd Edition|Summer 2014|128|8 Years Old|Wheated Bourbon finished in Cognac barrels for 27 months.

3rd Edition|Fall 2014|124.4|8 Years Old|Kentucky Straight Bourbon Whiskey finished in Cognac barrels for 21 months.

4th Edition|Fall 2014|127.6|14 Years Old|Bourbon finished in big barrels.

5th Edition|Fall 2015|127.6|8 Years Old|Wheated Bourbon finished in Cognac barrels for 19 months.

6th Edition|Fall 2016|96|20 Years Old|Four barrels of Small Batch Bourbon from before the fire at Heaven Hill in 1996. The barrels were aged 20 years in rickhouses that were adjacent to fire. Non-chill filtered.

7th Edition|Fall 2017|110|4 Years Old|Small Batch Bourbon that was aged for four years, then rebarreled in new charred oak barrels for an additional two years.

8th Edition|Winter 2017|97|14 Years Old|Corn Whiskey that was aged for 14 years, then rebarreled into new charred oak barrels for an additional year.

9th Edition|Spring 2019|94|18 Years Old|Two barrels of Wheated Bourbon from the first floor of different rickhouses mingled together, non-chill filtered.

10th Edition|Winter 2019|90|6 Years Old|Kentucky Straight Bourbon Whiskey that was aged for six years then finished in Good Folks Coffee Company's Bourbon barrel-aged cold brew coffee barrels for an additional two weeks.

11th Edition|Winter 2021|123.4|8 Years Old|Small Batch Bourbon finished for six months in a new oak barrel custom toasted to a unique taste profile defined by our Master Distiller. Bottled at barrel proof.

12th Edition|Spring 2022|110|13 Years Old|Small Batch Bourbon finished for two years in 36-month, air-dried Chinquapin barrels that were charred to a level 3.

13th Edition|Spring 2022|110|8 Years Old|Rye Whiskey finished for two years in 36-month, air-dried Chinquapin barrels that were charred to a level 3.


このデータはヘヴンヒルの公式ウェブサイトから採ったものですが、調べてみると他にストレートバーボン・ドットコムのためにハンド・セレクトされたプライヴェート・ピックが二つありました。これらはヘヴンヒル蒸溜所のマスター・ディスティラーでALSによって引退したパーカー・ビームのプロミス・オブ・ホープ基金への資金を集めるためのボトルでした。ボトリングされたものは、数本を覗いて全てコミュニティーのメンバーに譲渡され、各メンバーは販売しないことを誓約していたそうです。当時はボトル1本75ドルでした。ピック1は8年熟成のウィーテッド・バーボンをコニャック・バレルで19ヶ月フィニッシングしたもの。127.6プルーフで計366本。2003年9月24日蒸溜、2013年9月19日のボトリングです。確証はありませんが、ファースト・エディションより半年も早くボトリングされているところからすると、セレクト・ストックのラベルを使った最初の1本なのかも知れません。ピック2は8年熟成のウィーテッド・バーボンをコニャック・バレルで27ヶ月フィニッシングしたもの。124.6プルーフで計426本。2003年9月24日蒸溜、2014年5月2日のボトリングです。
それと、先述のユー・ドゥ・バーボンで2022年7月に提供されたものには、テーパード・ステイヴ・バレルで14年間熟成させたバーボンがあります。この樽はその名の通りステイヴの両端が先細りになっているためダイヤモンドのような形をしており、風変わりなバレル形状がバーボンの味にどのような影響を与えるかを見るための実験だったらしい。このバーボンのマッシュビルはヘヴンヒル蒸溜所のスタンダードな78%コーン/10%ライ/12%モルテッドバーリーで蒸溜され、パーカー・ビームのお気に入りとされるリックハウスYで熟成されました。26バレルからバッチングし、132.3プルーフでのボトリング、MSRPは200ドルです(ツアー代の他にこの金額を支払ってボトルを購入する)。その後はウィート・ウィスキーが提供された模様。

偖て、今回試飲するセレクト・ストックは、2017年にリリースされたセヴンス・エディションです。これは通常通り4年間熟成させた後、チャーしたオークの新樽で更に2年ほど再び熟成させたスモールバッチ・バーボン。つまり、他の酒などが入っていた樽で追熟を施しフレイヴァーをレイヤードさせるのではなく、ダブル・オークドと呼ばれるバーボンらしさをアンプリファイドする方向性のやつですね。
なかなか日本ではお目にかかれないこの貴重なバーボンは、とあるバーボンマニアの方からご提供頂きました。感謝の気持でいっぱいです。本当にありがとうございました! バーボン繋がりに乾杯! では、注ぐとしましょう。

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HEAVEN HILL SELECT STOCK 110 Proof
2017年ボトリング。色は赤みを帯びたディープ・アンバー。焦げ樽、ベーキングスパイス、僅かにチェリー、ミルクチョコ、オレンジピール。ノーズは甘いナッツの香りがメインで柑橘類のヒントも感じられる。とろみのある口当たり。パレートは濃厚な穀物とシナモニーなスパイス。余韻はハイプルーフに期待するよりは短かいが、重厚なオークとさっぱりとしたシトラスが現れ悪くない。グラスの残り香はココア。パレートがハイライト。
Rating:85/100

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今回は、前回まで開けていたフォアローゼズ産ヘンリーマッケンナの近年ボトルと比べてみようと、90年代の同じくフォアローゼズ産の物を開けてみました。ヘンリーマッケンナにフォアローゼズ産とヘヴンヒル産があることについては以前投稿した記事を参照下さい。

見た目としては、液体の色は画像では伝わり難いと思いますが90年の方が若干濃いめです。ラベルのデザイン自体は変わりないものの、微妙に使われる言葉が違ったりしますね。近年物は「kentucky Straight Bourbon Whiskey」、90年の方は「Kentucky's Finest Table Whiskey」となっています。
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そして、これまた画像では判らないと思われますが、この90年は濁ってこそないものの少々曇りが見られます。それと、現行の安いバーボンには見られない微粒子感もあります。では、さっそく注いでみましょう。

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HENRY McKENNA 80 Proof
推定90年ボトリング(瓶底)。色はアンバー。石鹸、オールドファンク、キャラメル、オールスパイス、ヴァニラウエハース、クローヴ。開けたてはソーピーな香り。水っぽい口当たり。パレートはドライで微妙な収斂味も。余韻にも爽やかな清涼感と石鹸ぽいフローラルが。
Rating:77→83.5/100

Thoughts:初めに述べたように近年物と90年物を比較しようとしていた訳ですが、残念なことにこちらのボトル、石鹸の香りが強すぎて較べる対象としては適していませんでした。友達にも飲んでもらったところ「俺的にはそんな悪くないけどね」と言っていたので、大丈夫な人には大丈夫なんでしょうけど、私的には飲み物としてここまで石鹸の香りがするのは好みではありません。また、オールドなファンキネスも強過ぎました。そうした部分を抜きにして言うと、アルコール刺激は少なく、フレイヴァーの密度も近年物より優れていたとは思います。邪魔な臭いがあるとは言え、こちらの方が断然、熟成年数が長そうなダークなテイストは明らかに感じられたので。70〜90年代バーボンには、エントリー・クラスの物にも有り余っていた長熟バレルをブレンドしていたと聞き及ぶのですが、正にそんな感じのコクのある味わいです。但し、甘さとフルーティさはそれ程でもなく、ビターかつドライに傾いてはいます。

…と、ここまで否定的に書いていたのですが、開封から少しづつ飲み1年が経過すると石鹸臭が消えまして、急に美味しく感じるようになりました。上の点数の矢印はそれを示しています。

私が近年物と旧来物を比較したかった背景には、フォアローゼズ蒸溜所の製法が関わっています。周知のように同蒸溜所では現在、2つのマッシュビルとキャラクターの違う5つのイースト菌を使って10種類の原酒を造りますが、それは一体いつから始まったのでしょうか? フォアローゼスは1943年にシーグラムの傘下に入りましたが、シーグラムは酵母の研究に余念がなかったと言われるので、その当時から行われていた製法なのでしょうか? それらははっきりしません。けれど、近年物と90年物を比較することで何か見えることもあるのではないか、と考えていたのです。えー、結果は…よく分かりませんでした(笑)。すぐ上に書いたように長熟ぽさは感じたものの、マッシュビルが「E」なのか「B」なのか、はたまた混合なのか、イーストは何なのか、までは私には全く感じ取れませんでした。強いて言えば、この頃の物を飲んでもハイ・ライぽい印象は受けましたが…ただそれだけです。
以上のような訳で、昔のフォアローゼズ蒸溜所の事情に精通している方はコメント欄よりご教示頂けると幸いです。あと昔のボトルを飲んだことのある方はどういう感想をもったでしょうか、またバーボンの石鹸香についての体験談や考察なども、是非コメント欄よりどしどしお知らせ下さい。

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