2024年02月

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A.H. Hirsch Reserve 16 Years Old Gold Wax 95.6 Proof
今回飲んだA.H.ハーシュ・リザーヴ16年は、スクワッティなボトル形状にゴールドのワックスでシールされた47.8度の物です。同様のブラック・ワックスの物やブーンズノールよりアルコール度数が高いのが特徴でしょうか。マスターの話では、所謂ブルー・ワックスのハーシュよりこちらの方がリリースが先だったと仰ってました。この伝説のバーボンのバックストーリーは過去に投稿した記事を参照下さい。この「ペンシルヴェニア1974原酒」が使用されたボトルはこれまで何回か飲んで来ましたが、何度飲んでもやっぱり自分の好みではないですね。長期熟成による柔らかい酒質とビターさ、複雑なスパイスとハーブ、枯木のテイスト等は感じ易いものの、私はもっと単純な焦がした樽のスウィートな香ばしさやフレッシュなフルーツ感が好きなので。パレートでの渋みはあまりありませんが、余韻には苦味も感じました。この機会に言ってしまうと、個人的にはこの原酒は過大評価されていると思います。自分の好みは一旦措いて、他の長熟バーボンと比較してみても、それほど際立って優れているようには感じないのです。特別なフィーリングがないと言うか…。ぶっちゃけ下のレーティングは、3点はバックストーリーとレアリティとラベル・デザインに対してです。但し、適切なタイミングで飲んでいれば本当に素晴らしかった可能性はあるのかも知れない。私はボトリングされたばかりの90年代当時に飲んだことがないので、その当時に飲まれたことがある方は是非ともコメント欄よりご感想をお寄せ下さい。いや、当時でなくても飲んで、「そう? めっちゃ旨いよ?」とか「お前の舌がお子ちゃまなんじゃね?」という意見も随時募集中です。
Rating:88/100

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ラッキー・ストライク・バーボンはマーシィ・パラテラのインターナショナル・ビヴァレッジ(アライド・ロマー)のブランドで、日本向けに短期間もしくは一回限り(91年?)ボトリングされたと思われます。ヴァリエーションには12年90プルーフ、13年94プルーフ、15年101プルーフ、17年94プルーフ、ドライ86プルーフがありました。おそらくタバコの「ラッキー・ストライク」との直接的な繫がりはないと思いますが、そのタバコ銘柄の名称の由来はアメリカのゴールドラッシュ時代に金を掘り当てた者が言った「Lucky strike」と云うスラングに由来するらしいので、このバーボン・ブランドもケンタッキーのバーボン鉱脈に眠っていた金に等しい優良なバレルを引き当てた幸運というイメージで名付けられたのではないでしょうか。ボトリングはKBDがしています。
では、肝心の中身は何なのでしょうか? 可能性としては幾つか考えられます。一つは何処かしらの、例えばヘヴンヒルとか旧バーンハイムなどのKBDがストックしていた単一の蒸溜所のバレルをマーシィがピックし、使用しているというもの。或いはエヴァン・クルスヴィーンと共同でピックしたのかも知れない。もう一つはKBDの所有する複数の蒸溜所のバレルをエヴァンがブレンドして提供していたというもの。彼はそうして自らの味わいをクリエイトする達人だったと言われています。更なる一つはマーシィがユナイテッド・ディスティラーズから購入したスティッツェル=ウェラーのバレルをエヴァンがそのままボトリングしたというもの。当時は様々な熟成年数のバーボンが安く買えた時代でした。それは今や伝説となっているスティッツェル=ウェラーでさえも例外ではなかったでしょう。マーシィ自身が語るところでは、自分のプロダクトには非常に多くの様々なバレルを使ったが、2005年以前に作成したブランドにはS-Wを多く使ったそうなので、可能性は高いかと。バーボン探求者は中身を正確に知りたい欲求に駆られますが、もしかするとマーシィやエヴァン本人に中身の件を尋ねてみても、当時あまりに多くのブランドを造り過ぎて何に何を使ったか記憶しておらず、大雑把な回答しかしてくれないかも知れません。そんな訳でとにかく飲んでみるしか…。

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LUCKY STRIKE 15 Years 101 Proof
推定91年ボトリング。テクスチャーは柔らかいがパンチがある。仄かなキャラメル、高尚な木材、豊かなベーキングスパイスの香り。味わいは如何にも長熟という味わいで、タンニンが強く、レザーや土っぽさもある。ダークなフルーツは感じるが、これといった明確なフルーツは言えない。余韻は薬草感を伴ったオールドオークが恐ろしく長く続く。
Rating:87/100

別の機会に17年熟成の物を飲めたので、そちらをおまけで。これは大宮のバーFIVEさんの会員制ウィスキー倶楽部で提供されたものでした。17年は最も数量が少なかったと聞きます。

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(画像提供Bar FIVE様)
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LUCKY STRIKE 17 Years 94 Proof
推定91年ボトリング。赤みを帯びたブラウン。微粒子感のある液体。キャラメル、オールドオーク、オールスパイス、焦がし砂糖、オレンジピール、茴香、僅かに爪の垢、シナモンクッキー。甘く、かつスパイシーなノーズ。とても柔らかい口当り。パレートでは渋みが強い。余韻はスパイシーかつハービー。
Rating:88/100

Thought:長期熟成バーボンは木質な風味と木材由来のハーブ&スパイスの風味が勝ち過ぎて、表層的に似たり寄ったりの風味になると個人的には感じます。だから、正直、飲んでも何処の原酒か全く判りませんでした。ヘヴンヒルと言われればヘヴンヒルのようにも思えるし、スティッツェル=ウェラーと言われればスティッツェル=ウェラーのようにも思えてしまいます。飲んだことのある皆さんはどう思ったでしょうか? コメント欄よりどしどしご感想をお寄せ下さい。
15年と17年を比較すると、プルーフの高い15年の方が美味しいのではないかと思っていたのですが、加水量の多い17年の方が却って自分の苦手な風味が薄まったのか飲み易い上に若干フレイヴァーフルに感じました。但し、これは上に述べたように別の機会に飲んでいます。それ故にサイド・バイ・サイドでもなく、ボトルの状態や私自身の体調を考慮すると聊か信頼性に欠ける意見かも知れません。

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今回ご紹介するのは小岩のバー、マスターピースです。バーテンダーとして30年以上の経験を積んだオウナーさんが一人でやっているお店で、2015年10月21日にオープンしました。基本的にカクテル・バーなので、メインはカクテルなのですが、モルトやバーボンのレア物もあることで知られています。店名となっている「Masterpiece」という英語は、「傑作」、「名作」、「代表作」などの意味をもつ言葉であり、ここに来ればそういう傑出したお酒に出会えますよ、或いは貴方にとってそういうお酒に出会って欲しいとの想いを込めて名付けられました。とは言え、このバーの魅力はお酒よりも寧ろ気さくで人懐っこいマスターのトークにあるかも知れません。私が伺った時は、新婚旅行のエピソードや酒の失敗談などで爆笑し、楽しい時間を過ごせました。カクテルが充実していることもあり、適度に薄暗い店内の照明やBGMのジャズと相俟って、女性一人でも訪れやすいバーです。現に私が行った時は、常連?の女性が一人で飲んでいました。季節限定のカクテルなどは拘りのあるものが飲めるようです。

マスターはイタリアかぶれのバーテンダーを自称していたりするのですが、アメリカのバーボンも大好きでよく飲んでいたそう。愛飲していたのは、なんとヴァージン・バーボン7年。昔はケースで買って、週に一回程度、一晩で2ボトル開けてしまうという訳の分からん飲み方をしていたとか…(笑)。よほど好きなのでしょう、店内にはヴァージン・バーボンのパブ・ミラーも飾られていました。バーボン好きには堪らないカッコ良さですよね。
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我々バーボン愛好家としては、気になるのはバーボンの品揃えですが、流石にボトルの本数的にはバーボン主体の店のようには多くありません。しかし、そこら辺で簡単には飲めない厳選された銘柄が残っています。また、まだ未開封の90年代のレアなボトルもありました。気になる方はバーのツイッターでチェックしてみて下さい。


BAR Masterpiece
〒133-0057 東京都江戸川区西小岩1丁目19−36 ケイズファーストビル 201
Tel. 03-3672-7507

営業時間 19:00〜25:00
日曜定休日
※マスターが一人で営業のため、用事がある時は臨時休業になります。店休のお知らせは各種SNSでご確認を。

X(Twitter)
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Instagram
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今回は日本でのバーボン輸入がまだ華やかりし頃のジムビーム・ホワイトラベルを開栓してみました。個人的には今の物より古めかしいこのラベルの方が好みです。こちらはオークションで購入したもので、液体はグラスに注ぐとクリアに見えますが、ボトルのままだとほんの少し曇りがあるように見えます。

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JIM BEAM White Label 80 Proof
推定92年ボトリング。鉛筆の削りカス、キャラメル、オールドボトルファンク、チリパウダー、フルーティな接着剤、鰹節、クエン酸、タバコ、ドライクランベリー。口当たりは円やか。余韻はミディアムでスパイシー、あとちょっと薬草感。
Rating:72→82/100

Thought:開封したては、ただただ香りも味わいも余韻も鉛筆の削りカスそのものでした。単なる木屑ではなく、鉛筆の芯の香りもするんですよね(笑)。正直、飲むのが辛かったです。そのため、極く少量づつ飲みながら様子を見ていたのですが、半年くらいしたら不快な香りは上手いこと消えてくれました。そうなってみると、味わいには僅かにオールドファンクがあるものの不愉快なほどではなく、普通に美味しいと感じられました(*)。熟したアロマと深みのあるスパイスが現れる余韻は、これがオールドボトル故の経年変化もあるのでしょうが、現行のホワイトラベルとは全く別物な印象です。オールドボトル愛好家の方が昔のビームは優れていた、という意味合いのことを言っているのを耳にしたことがあります。オークションでそれほど高値がつくバーボンでもないので、多少のギャンブル性を覚悟の上なら購入するのもまた一興かと。


*但し、グレンケアンで飲むとオールドファンクが強く感じられて、余り美味しくはありませんでした。ショットグラスだと良い感じにオールド臭が薄らいだように思いました。また、夏場より冬場のほうが美味しく感じたので、私は試していませんが、もしかするとロックで冷やして飲むとより良いのかも知れません。

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