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JACK DANIEL'S MASTER DISTILLER 90 Proof
現在では43度でボトリングされ、歴代のマスター・ディスティラーがフューチャーされている「マスター・ディスティラー・シリーズ」の祖先的な?元祖的な?やつです。1993年に日本限定で発売され、2001年に終売となりました。
蒸溜所のマスター・ディスティラーは熟成庫を隅々まで知り尽くしており、どの場所が原酒にとって最良であるか知っているし、どれが特別な樽であるかも知っている、そして、それを自らの親しい友人のみに振る舞ったとか。そういう逸話を基に造られたのがこの限定版テネシーウィスキーでしょう。ブラントンズやフォアローゼス・ブラックでも似たような逸話で語られていますね。下に付属品の小冊子の文章を、短いので全文掲載しておきます。
「創始者ジャック・ダニエルが、かつて親しい友人に贈るためにえらびだしていた、とっておきのテネシーウイスキー。それは、ジャック・ダニエル・ウイスキーの中でも、ある貯蔵庫の特定の場所で熟成し、より深い色と豊かなコクをまとった逸品でした。このウイスキーは大切に保存され、彼自身のサイン入りで、限られた人々にだけ贈られていました。今日でも、この『ジャック・ダニエル・マスター・ディスティラー』は、創始者が発見したその貯蔵庫の同じ場所から、熟練の手で選び出されているウイスキーです。たとえようもなくスムーズで、いちだんと深い味わい。ジャック・ダニエル・ウイスキーのすばらしさを愛する人々にとって、これ以上の贈りものはありません。」
現実的に考えると、おそらく熟成庫の上層部から選ばれた樽のスモールバッチではないかと予想します。発売年代から考えてジミー・ベッドフォードがマスターディスティラーの時代の物でしょう。
本ボトルは推定98年のボトリング。アロマ・パレート・フィニッシュ全てにおいて、スタンダードなOld No.7は言うに及ばず、物によっては47度のシングルバレルより香り高いし、旨みも強い気がします。他のバッチはどうか知りませんが、このボトルには結晶のような澱(オリ)が発生していました。大概のウイスキーは澱があるほうが美味しい気がします。
Rating:87.5/100

ジャックMD2