カテゴリ:ケンタッキーバーボン > ジムビーム蒸溜所


とある酒屋で半額に値下がっている古いノブクリークを発見したので即座に購入。ブランド紹介はこちらの過去投稿をご参照ください。

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KNOB CREEK 9 Years 100 Proof
推定2001年ボトリング。如何にも美味しそうな赤みがかったブラウン色。焦げ樽、ややひねた酸っぱい香り、ヴァニラ、ナツメグ、焼き過ぎて焦げたトウモロコシ、ジンジャーエール、赤ワイン、タバコ、新聞紙。甘い香りは控えめの焦樽フルーツ系アロマ。ナッティなテイストはあまり感じられない。開けたての味わいはドライだったし、余韻の苦みが強かったが、残り3分の2ぐらいになってからはチェリー系のフルーティさと甘味が増し、酸っぱい香りも減じて劇的に美味しくなった。最終的にはやや酸味に寄っているもののバランスが整った頗る上等なバーボンという印象。2010年代の物より全然美味しく感じる。「酸化の神様ありがとう」の一本なのか? 90年代やそれに近いノブクリークは質が高かったのか?
Rating:88/100

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今宵の一曲はブッカー・リトルの「マイナー・スイート」です。TIME盤と言えばリトルがワンホーンで臨んだ名盤であり、彼お得意のマイナー調の曲が多い作品として知られますが、この作品の人気はもうひとりの夭折の天才、ベーシストのスコット・ラファロの存在にある、と言っても過言ではないでしょう。グイグイと強靭なベースを聴かせてくれてます。その他のバックも鉄壁の面子。さて、合わせたバーボンは、

JIM BEAM SIGNATURE CRAFT 12 YEARS 86 Proof
2013年にリリースされたシグネチャー・クラフト・シリーズの12年熟成物。ビームの製品はブッカーズで6〜7年、ノブクリークで9年程度と、長期熟成をあまりしない中で異例とも言える12年熟成なのがウリでしょうか。当然ながらマッシュビルはジムビームと同じ77%コーンのロウ・ライ・レシピ。そしてスモール・バッチでのボトリングです。では、飲んでみましょう。

焦がしたオーク、フレッシュフルーツ、ヴァニラビーンズ、ピーナッツ、ビターチョコ、紫蘇。思いの外、キャラメル系の甘い香りが薄め。飲み口はすっきり。余韻はやや苦めでナッティかつビール様、更にヨモギ。海外の有名なバーボンレビュワーの評価がなかなか良かったので期待しすぎたのか、少々拍子抜け。確かにジムビームらしい焦樽系のアロマは豊富なのだがテクスチャーが滑らか過ぎる。出来ればもう少し引っ掛かるものが欲しい。47度でボトリングしてもらいたかった。
Rating:84/100

Thought:これは単に私の好みなだけかも知れませんが、どうも現行のジムビームは音で喩えると、低音域と高音域が効いているのに中音域がすっぽりと抜けた音のようなバーボンに感じます。勿論、その音が好きな人もいるでしょう。けれども個人的には好きな音ではありません。またビームのスモールバッチシリーズのバーボンたちと比べると余韻が好みでなかったこともあり、値段を考慮するならもう一度購入したいお酒ではなく、同程度の価格ならばハイアープルーフのノブクリークを選びます。

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「安酒を敬いたまえ」シリーズ第二弾。今回はジムビーム編です。

Jim Beam Distillery◆ジムビーム蒸留所
ジムビームのロウ・ライ・マッシュビルには調べてみるとコーン/ライ/バーリーがそれぞれ、77%/13%/10%と75%/13%/12%の二つの説がありました。どちらが正解か判断がつかないので並記します。チャーリングレベルは# 4 とされ、バレルエントリープルーフは125です。

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JIM BEAM White Label 80 Proof
1000〜1300円程度
世界一売れてるバーボンと言われています。少なくとも日本で入手の容易さで一番なのは間違いないでしょう。そのため私は自分のレーティングの基準として現行ジムビームホワイトを78点と定め、それよりどれだけ上か下かという具合に点数を付けているのですが…さて、困りました。
この度の企画用にラベルデザインが変更になった物を購入し、試飲したのですが、前ラベルよりも味が落ちてるように感じるのです。前のはライトではあってもそれなりに美味しかったし、比較的味わいも安定していたと思うのですが、これはとても4年熟成とは思えないほど熟成感が乏しい。どうも当たり外れがあるのかも知れませんし、何らかの理由で味が落ちたのかも知れませんし、もしくは時が経過してから開封したら美味しかったのかも知れません。一応レーティングはしておきます。
弱々しいバーボンノート、米、コーン、ハチミツ、だいぶよく言ってパイン。開封して二週間位で少しマシになったものの、どうもピンとこない。前ラベルの物は、調子の良いとき(笑)は白ワインを思わせるマスカットの風味が感じれたのですが。そちらのはこちらをご参照下さい。
Rating:76/100

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OLD CROW 80 Proof
1200〜1500円程度
歴史あるブランドのオールドクロウも、今やビームの下層バーボンとなっています。マッシュビルはジムビームホワイトと同じで間違いないと思われますが、酵母も同じという説と、酵母は違うという二説がありました。正直言って酵母の違いまでは飲んでも私には判りません。マチュリティの違いが絡んでくるからです。ジムビームホワイトが4年熟成、オールドクロウは3年熟成と言われています。それでいて流通量の多いものは安価になるという経済法則によって、ジムビームのほうが安く買え、僅かながら高い価格のオールドクロウは、スペック的にみれば買う意味のないバーボンとなってしまいます。ところが…です。熟成というウイスキーの味の決め手となるプロセスが神の手に委ねられているせいか、それともマスターディスティラーの悪戯か、或いは会社の良心か、はたまた瓶内熟成(微妙な酸化)のお陰か、もしくはチャーリングやトーストのレベルを変えているのか、ともかくこのオールドクロウに関してはジムビームホワイトを上回ってます。
本ボトルは2012年ボトリング。全てがライトではあるし、穀物感もありありとあるものの、樽香、味の濃さ、余韻の深みはジムビーム白より少し良好。特に焦げた樽の風味は断然あります。ただし、全てのオールドクロウがこうではないと思われます。と言うのも私は1990年代後半と2000年代初頭に二本ほど当時の現行オールドクロウを飲みましたが、その時はジムビームホワイトより格下の味わいだと感じたからです。それらなら3年熟成と言われても納得出来る味であり、レーティングするなら76点でした。現在のオールドクロウは少しだけラベルデザインが違います。それの味わいはどうなんでしょうね。
Rating:79/100

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JIM BEAM RYE PRE-PROHIBITION STYLE 80 Proof
1400〜1500円程度
ジムビームライは私の過去投稿でレビューしてますのでこちらを参照して頂ければと思います。また旧ラベルのライ(俗にいうイエローラベル)もレーティングしています。
Rating:82/100

この他にビーム産の安バーボンには数年前までバーボンデラックスがありましたが、どうも現在では終売となったらしく、購入しづらくなってるので割愛させてもらいました。
また当企画における比較対象が同時点で購入したボトルでないことをお詫びいたします。

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KNOB CREEK Small Batch 9 Years 100 Proof
ジムビームのスモールバッチコレクションの一つノブクリーク(現在では9年表記はなくなりました)。ビーム家6代目ブッカー・ノーが禁酒法以前の力強いバーボンへの回帰を目指して造り上げ、特徴的なボトルデザインと相俟って、92年の発売以来人気があります。その特徴的なデザインは禁酒法時代にルーツがあり、ブーツの中に酒を隠しやすいフラスクを模したレクタンギュラーボトル、またそれを新聞紙で包んで隠していたという故事に倣ったラベルデザイン、どちらも秀逸というしかありません。
あと、ノブクリークという名前の由来について、ケンタッキー州にある小川の名前であり、偉大なる大統領エイブラハム・リンカーンが幼少期を過ごした土地にちなむと説明されることが殆どですが、大昔にナショナル・ディスティラーズのブランドで「ノブクリーク」という名前のバーボンがあったという指摘があります。確かに他のスモールバッチラインナップの名前は、ブッカーズ、ベイカーズ、ベイゼル・ヘイデンズとどれも人名であり、ノブクリークだけ仲間外れな感じはします。まあ、余談ですが…。 
さて、お味の方はというと、アロマはキャラメルとオークが中心で、フレイヴァーにはナッティかつトースティなテイストがあります。個人的にはフルーティーさはブッカーズのほうがあるような気がしました。またジムビームのバーボンの中で最も樽の焦げた味がするように感じます。それをややスモーキーと言うのでしょう。これは好きな味です。ただし、私にはどうしてもジムビームのバーボンには、もう一つ何かが足りなく感じます。それを奥行きとか深みとかコクと言ってもいいですし、濁りと言ってもいい。とは言え、スモールバッチではない通常のジムビームラインと比較すれば遥かに香り高いのは間違いありません。本ボトルは推定2009年ボトリング。
Rating:85/100

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JIM BEAM BLACK DOUBLE AGED 8years 86 Proof
ジムビームラインナップのホワイトラベルの上位に位置するブラックラベル。現在では「EXTRA-AGED」と書かれ、NAS(No Age Statement)ながら熟成期間は6年程度とされ、日本では80プルーフにてボトリングされています(アメリカでは86proofのようです)。
で、その少し前まで流通していたスタイリッシュなデザインのボトルですが、混乱を招くような表現が使われています。ホワイトの4年熟成に対してブラックは8年熟成だから「DOUBLE AGED」と2倍の意味であるのは話が分かりやすい。ところが同じデザインのボトルで6年熟成のブラックがあるのですが、それには「TRIPLE AGED」と書かれているのです。ダブルの要領でいけば3倍の12年熟成になりそうなのにそうではない。無理矢理解釈すれば、ストレートバーボンと名乗るために必要な最低熟成年数の2年の3倍という意味かな?とは思えますが、どっちかに統一しろよッという突っ込みは免れないでしょう。その声が聞こえたせいなのか、今は上に述べた「EXTRA-AGED」に落ち着いたみたいです。
さて、肝心のお味のほうですが、これは美味しい。ホワイトでは味わえないリッチなフレイヴァーとスイートネス。甘さに振れた味わいながらスパイシーさとフルーティーさとシリアル感のバランスが良く、これが2000円程度ならお買い得だったと言うしかありません。
Rating:84/100

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BASIL HAYDEN'S 8 Years Old 80 Proof
ジムビーム社のスモールバッチ・コレクションの一つベイゼル・ヘイデンズ8年です。1992年から発売されました。現在では8年の表記が消えNAS(ノン・エイジ・ステイトメント)となっています。貯蔵庫の最下段で8年長の熟成と言われ、他のブッカーズ、ノブクリーク、ベイカーズと比べてロープルーフ(80proof)なのと、ライ麦比率の高いハイ・ライ・マッシュビル(コーン63%、ライ麦27%、モルテッドバーリー10%)なのが特徴。
1000円から2000円台のバーボンとは明らかに一線を画す芳香を持っていて、スムース、スパイシー、フルーティ、軽い甘味のバランス感覚はいかにもライ麦多目の味わい。けれど個人的には深みに欠ける味だと思います。ロープルーフなのが原因かと…。これなら同じくハイ・ライ・マッシュビルのオールド・グランダッド・ボンデッドのほうが好みです。ビーム社のスモールバッチコレクションの日本での販売価格が高すぎるんですよね…。そのせいでコストパフォーマンスを重視する私のレーティングでは、どうしても点数が押さえ気味になってしまいます。ただし紙ラベルにbHのメタルベルトのボトルデザインは恐ろしくカッコいい。
Rating:83/100

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Booker's
BATCH No. C05-A-12
7YRS 5MO
128.5 PROOF
推定2012年6月ボトリング。高濃度なので全てがハイパワーで楽しめる。オーク、キャラメル、レザー等。但しそれほど長期熟成でないせいか、チョコレートやプルーンは出てこない。むしろビームらしいフレッシュフルーツの味わい。旨いと言えば旨いのだが、正直言って「特別」なフィーリングはない気がする。何よりも旨味を増して来たのが残り三分の一を切ってからだったのが痛かった。しかも、それでもブラントンズのSFTBには遠く及ばない。初期のロットやプライベートストックなどはもっと美味しいと聴くのだが…。
Rating:85.5/100

オールドグランダッド114DSC_0937

OLD GRAND-DAD 114 (57% abv)
伝統あるブランドのオールドグランダッド。昔はナショナルディスティラーズの看板製品でした。今ではビーム社のジムビームラインのコーン多めのレシピとは違う、ハイ・ライ・レシピ(コーン63%、ライ麦27%、モルテッドバーリー10%)で造られています。熟成年数はNASですが、飲んだ感じは4〜6年程度の熟成感かなと思います。
まずトップノートは、流石にハイプルーフなのでアルコール臭がキツめ。奥にキャラメルとフルーツキャンディー。飲み口もアルコールのパワーが辛さを感じさせますが、十分に甘みがあります。余韻の芳香も焦げた樽の風味とスパイス感のマッチングがよい感じ。1、2滴加水するとフレッシュフルーツ感が増します。このオールドグランダッドのラインはライ麦が多い割にはドライな印象があまりなく、甘さが程良くて、個人的には好きです。そして、なによりコスパが高い。推定2011年ボトリング。
Rating:84/100

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JIM BEAM White Label 80 Proof
2012年ボトリング。キャラメル、焼きたてパン、フレッシュフルーツ(強いて言うとマスカット)、樽香、どれもが弱々しく香る程度。でもバランスは良い。売れてる本数から言っても味の採点基準にちょうどいいかと。
Rating:78/100

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