バーボン、ストレート、ノーチェイサー

バーボンの情報をシェアするブログ。

カテゴリ:ケンタッキーバーボン > バッファロートレース蒸溜所

DSC_0140
2018-08-02-18-22-48

「安酒を敬いたまえ」シリーズ第三弾、今回はバッファロートレース蒸留所編です。

Buffalo Trace Distillery◆バッファロートレース蒸留所
BTのバーボンにはマッシュビル#1と呼ばれるライ麦率推定10%以下のロウ・ライ・レシピと、#2と呼ばれるライ麦率推定12〜15%のハイ・ライ・レシピの二つがあります。他にも小麦レシピやライレシピもありますがここでは関係ないので触れません。チャーリングレベルは# 4、バレルエントリープルーフは125です(実験的なものは除く)。

2018-08-02-18-21-24
BENCHMARK OLD No.8 BRAND 80 Proof
1000〜1500円程度
実はこのバーボンを日本語でネット検索すると、20年前に出版された本から引用したと思われる情報やら、No.8を誤って8年熟成としてみたり、果てはモルトが主原料などと書かれた文章まで見つかり、あまりにも酷い状況です。また英語のバッファロートレースの公式ホームページですら、まるで主原料がライ麦であるかのような記述が見られるのです。幾らなんでも扱いが雑過ぎます。
ベンチマークは、そもそもはシーグラムが1968年にプレミアムラインの製品として発売したものです。シーグラム解体後にブランドをサゼラック(BTの親会社)が購入し、蒸留をバッファロートレースが行うようになりました。その時からラベルに「McAFEE's」と書かれるようになりましたが(この写真の物よりひとつ前のラベルデザインの物からで、おそらく日本では2009年あたりまでは流通していたと思われます)、これはマカフィー兄弟という初期ケンタッキーの入植者がバッファロートレース蒸留所のある場所のすぐ北の史跡を測量したことに因むようです。やや取って付けた感がありますが、ベンチマークという言葉が測量用語で水準点の意味なので言葉を掛けたのでしょう。おそらくシーグラムがプロデュースした当時はバーボンの新しい基準となる味わいを目指したのだと思います。
現行製品はマッシュビル#1で作られる3年熟成のエントリークラスバーボンとなっています。誤解を恐れず言えば、熟成場所が違うとはいえ、このバーボンをもっと熟成させたものが、バッファロートレースであり、更にイーグルレアと続き、果てはジョージTスタッグとなる訳です。では飲んでみましょう。
オーク、シリアル、ハチミツ、葡萄、生クリーム。バーボン然とした芳香は悪くないが弱い。円やかな口当たり。余韻のスパイス感少なめ。飲むとコーンウイスキー感が強いものの、甘味の勝った味わいは好印象。
Rating:79/100

2018-08-02-18-22-21
Ancient Age 80 Proof
1200〜1500円程度
元はシェンリーが創始した名ブランド。現在はBTのマッシュビル#2で造られるエントリークラスバーボンで、おそらく昔は4年熟成だったと思うのですが、いつの頃からか3年熟成になっているようです。バーボンが急速に高需要となった2010年以降じゃないかと勘繰っているのですがどうでしょう?
えーと、ここからレビューなんですが、ごめんなさい、先に謝ります。実はこのボトル現行品ではありません。推定07年ボトリングと思われる代物で、どうも「酸化の奇跡」か何かが起こったようです。開封直後から古典的バーボンノート全快で、オーク臭、キャラメル、ダークチェリー、僅かにスパイス。開封からしばらく経過するとラム酒を思わせる香りへと変化。更に余韻はコーヒーゼリーwithミルクまで出てきました。流石に90年代以前のバーボンのもつ何か質的に異なるような雑味成分の多い味わいではないものの、40度なのに香りが濃厚だし、口当たりもクリーミーなのです。
バーボンマニア、特にオールドボトル愛好家がよく言う、2000年あたりを境にバーボンが不味くなった説というのがあるのですが、本ボトルの07年ボトリングが正しいとすればその定説を覆しています。プチオールドボトルとは言え、とてもじゃないけど千円ちょいとは思えない味わいであり、もしかしたら最近のバーボンは不味いというより「硬い」だけで、酸化を上手くコントロール出来れば美味しい可能性を感じさせてくれる一本でした。ちなみに現行製品は、ボトルの肩に写真で見られるようなANCIENT AGEのエンボスはありません。エンボスがあれば古い製品です。売れ残りなどを見つけたら是非トライする価値はあるかと思います。
ただ、これでは当企画の趣旨を外れているので、参考までに言いますと、私が前に2010年ボトリングのエンシェントエイジを2013年頃に飲んだ時には、いたって普通のエントリークラスバーボンという印象で、レーティングするなら79点がいいとこでした。
Rating:83/100

2018-08-05-19-46-11
OLD TAYLOR 80 Proof(not 6 year)
1300〜1500円程度
オールドテイラーは長らくナショナルディスティラーズの看板製品で、87年からはビーム社の製品となっていました。その後2009年からはブランド権と樽のストックをサゼラック(BTの親会社)が買い取りリリースしています。いつの頃からかラベルに「6」という数字はあるものの「year」の文字はなくなり、6年熟成ではなくなりました。
弱いヴァニラ香と樽香、ややツンとした接着剤的な香り、メロン。飲み口はさっぱり。甘味が薄く、フルーティーとは言えるが、やや苦味があり、余韻は弱い。どうも飲んだ感じ6年に近い熟成感すらなくもっと若い印象を受けます。また、このボトルが何年製か判らないのですが(購入は2017年)、私が飲んだ限りバッファロートレース蒸留所の#1マッシュビルバーボンという感じがしません。かと言ってジムビームそのものかと言われるとそれも自信がないのですが、同時期に飲んだジムビームホワイトラベルやオールドクロウとは風味プロファイルは異なるように思いました。けれどジムビーム寄りの味ではある気がします。単純に計算するとビームストックは2015年に底を尽きる筈ですが…。まさかこれはジムビーム+バッファロートレースのブレンドなんて可能性もあるのでしょうか? 飲んだことある方のご意見を伺いたいです。
Rating:79/100

IMG_20171228_063614_831

ブラントンズは現在のプレミアムバーボンの魁として当時まだ珍しかったシングルバレルという形式で1984年から発売されました。当時のマスターディスティラー エルマー・T・リーが、先達のアルバート・B・ブラントンが特別に出来の良い樽を他の樽と混ぜずに招待客に振る舞っていたのをヒントに製品化したという伝説があります。
バッファロートレース蒸留所は、以前の名称をエンシェントエイジ蒸留所と言い、更に前はブラントン蒸留所とも知られていました。往年の親会社であるシェンリー社が同蒸留所に55年勤務したアルバートに敬意を表し蒸留所の名称をブラントン蒸留所としたと言います。ルーツを辿れば最初期はアルバートの父親ベンジャミン・H・ブラントンが建てたリーズタウン蒸留所に行き着き、エドモンド・H・テイラーJr.やジョージ・T・スタッグが辣腕を振るった時代がありました。バッファロートレース蒸留所のリリースするバーボンは同蒸留所のリーダーたる偉人の名前を冠したブランドが多いのです。

ブラントンズにはライ麦15%程度と言われる# 2 マッシュビルが使用されます。熟成年数の表記はありませんが、約8年とされ、全てウェアハウスHにて熟成されます。バッファロートレース蒸留所の熟成庫は殆どか煉瓦造りなのですが、H倉庫は唯一メタルの被覆で造られており、熟成が速く進むそうです。一説には4年ほど熟成した段階でマスターディスティラーを含む検査官がテイスティングをし、これは良い出来の樽だと判断されたものをH倉庫へと移して、更に3〜6年寝かせて熟成のピークに達したものをボトリングするのだとか。
またブラントンズと言えば特徴的なのは多面体のボトル形状とケンタッキーダービーのジョッキーを模したキャップでしょう。このデザインは秀逸という他ありません。キャップにはB・L・A・N・T・O・N2・Sのどれかの印があり、ゲートに佇む姿〜馬を疾駆する姿〜ガッツポーズで勝利する姿までの八種類があって、キャップを集めている人もいます。他のヴァリエーションとしては、度数の低いブラック、度数の高いゴールド、樽出し原酒のストレート・フロム・ザ・バレルなどがあります。この中でストレート・フロム・ザ・バレルだけがアンチルフィルタードで、他のはチルフィルタードとなっています。度数にせよフィルトレーションにせよ、かなりの違いを産み出しますよね。

IMG_20171228_063614_827

Blanton's Single Barrel Bourbon Whiskey 93 Proof
Dumped 6-15-12
Barrel No. 21
Warehouse H
Rick No. 24
こちらは並行輸入品です。並行輸入品は茶色っぽい紙の色で、正規輸入品はもっとクリームぽい紙の色をしています。で、どういう訳か並行輸入品よりも正規輸入品のほうが味が優れてるように感じるのです。このボトルに関しても、キャラメル香とスパイシーさの加減もよく、美味しいは美味しいのですが、そこまでの深みは感じれず…。シングルバレルという性格上、並行か正規かの違いに拘わらず、そもそも一樽一樽が違うのは当然なので、たまたまなのかも知れませんが、昔から「正規の方が味が良い」説は根強くあります。私の思い込みなのでしょうか?
また、もっと言えば90年代の物のほうが遥かに深みがあり美味しいと感じます。なので残念ながら得点は抑え気味になりました。  
Rating:85/100


_20180703_213402

バッファロートレース蒸留所がその名を冠したバーボン。ということは同蒸留所を代表する銘柄とみてよいでしょう。1999年6月、長らく親しまれたエンシェントエイジ蒸留所から名称をバッファロートレース蒸留所へと変更し、その二ヶ月後に発売されたのが始まりです。
使用されるレシピは# 1 のロウ・ライ・マッシュビルで、コーン80%/ライ麦10%(もしくはそれ以下)/大麦麦芽10%と噂されています。この# 1 マッシュを使う他の銘柄には、ベンチマーク、イーグルレア、カーネルEHテイラー、ジョージTスタッグなどがあります。もう1つの# 2 はハイ・ライ・マッシュビルで、ライ麦が12〜15%と噂されており、エンシェントエイジ、ブラントン、エルマーTリー、ロックヒルファームス、ハンコックスリザーヴなどに使用されています。
バッファロートレースバーボンには熟成年数の表記はありませんが、色々調べてみると、8〜12年、8〜10年、7〜9年という三つの説がありました。まあ、だいたいそんなところと思っておけばよいでしょう。またウェアハウスのC、I、Kの中層階の樽からのみ選ばれ、35〜40樽をワンバッチとしてボトリングされているとの情報もありました。
このボトルは45度なのですが、並行輸入品でたまに40度ボトリングの物を見かけます。おそらくどこかの国では40度でボトリングされたものが普及しているのでしょう。見た目が殆ど変わらないので購入の際は気を付けたほうが良いですね。では前置きはこれくらいにしてテイスティングに行きましょう。

IMG_20171209_213940_700
BUFFALO TRACE 90 Proof
推定2007年ボトリング。アーモンド、キャラメル、シトラス、オレンジ、米、アプリコットジャム。やや酸味のあるすっきり感。焼樽の香ばしさと柑橘系のフルーティーさ、概ね甘く僅かにスパイシーなバランス感覚。度数も、40度でもなく、50度でもない、ちょうど中間の45度、ここが肝かも。ラベルのワイルドさとは裏腹にモダンな味わいで、非常にバランスが良くレベルの高いバーボン。これが3000円以下で買えるならかなりオススメだと思います。現代バーボンの入門にぴったり。
Rating:85/100

2018-09-30-00-40-45


IMG_20180607_013128_330
Blanton's SINGLE BARREL BOURBON
93 Proof(abv 46.5%)
Dumped on 4-15-92
Barrel No.36
Warehouse H
On Rick No.32
ハイ・ライ・マッシュビルの割にスパイシーさはあまりなく、甘みに振れたバランス型の味わい。とろみのある口当たり。2010年代のボトルと比べると全然旨味があるように感じた。
Rating:87.5/100

IMG_20180607_013146_394
Blanton's Straight from the Barrel
132.4 Proof(abv 66.2%)
Dumped on 10-10-11
Barrel No.119
Warehouse H
On Rick No.33
基本オーキー。アップルブランデーのような風味も。そこにアセロラのアロマも出てびっくりする。とってもバタリーな口当たり。50度程度では感じない塩味も。余韻は長く、戻り香が楽しめる。ブラントンのラインナップ中、唯一ノンチルフィルタードなのが効を奏してると思う。
Rating:90/100

2018-09-11-08-21-06
Blaton's Gold Edition

Dumped on 9-2-97
Barrel No.62
Warehouse H on Rick No.11
103 Proof
ブラントンズ・ゴールドはアメリカ国内では一般流通しておらず、免税店と輸出向けの製品です。こちらはプチ・オールドボトルということもあるかも知れませんが、妙にとろりとした酒質とリッチなフレイヴァーはスタンダードを遥かに凌駕していました。
Rating:90/100

2018-06-07-00-33-21
2018-09-11-08-29-05

↑このページのトップヘ