
【B】
◆Backset(Setback)─バックセット(セットバック)
日本語では蒸溜残液または蒸溜廃液と訳される。蒸溜後のスチーム底部に残っているマッシュの薄い液体部分。スペントビア、スペントマッシュ、スティレージ、サワーマッシュとも言う。それにはアルコールは含まれていないが栄養素を持ち、新しいマッシュよりも酸性なため、次回のマッシング時にマッシュタブ(クッカー)もしくはファーメンターに加えることで酵母が働きやすい酸性環境を調え、菌の繁殖や野生酵母の侵入を防ぐ。バックセットと新しいマッシュの比率は概ね1:3〜1:4だと言われる。バックセットやセットバックという言い方は、ウィスキースラングとしてでなければ「逆戻り」や「退行」の意で、つまりはそういった命名なのだろう。サワーマッシュの項を参照。
◆Barley─バーリー
大麦。一般的にバーボンではマッシュに大麦麦芽が5〜15%ほど使われる。
◆Barley Malt─バーリーモルト
大麦麦芽。モルテッドバーリーと同じ。「Malted Barley」の項を参照。
◆Barrel─バレル
単純な理解としては「樽」のことと思っておいて事足りる。しかし、厳密な理解を求める場合には、樽はカスク(キャスク)と言い、バレルはサイズを表すとされる。バーボン・バレル(ASB=アメリカン・スタンダード・バレル)一樽の容量は約200ℓ。しっかり乾燥させたアメリカン・ホワイト・オークから主に造られ、内側を高熱で焼いた新樽を使うのがバーボンの縛り。新樽の使用は1938年にクーパー(樽職人)やロガー(木こり)の生活保護を目的として定められた。ただし、高品質なバーボン生産者はそもそも新樽を使っていた。使用済みのバーボン・バレルはスコッチ・ウィスキーやジャパニーズ・ウィスキー等のメーカーに売却される。新樽は約160ドル、古樽は60〜70ドルが相場だとか。
◆Barrel Entry Proof─バレルエントリープルーフ
蒸溜が終わった原酒を樽に入れる際のプルーフが何プルーフかということ。バーボンでは125プルーフ以上で入れてはいけない。
◆Barrel Proof─バレルプルーフ
加水調整せずに樽から出したままのアルコール度数でボトリングしたバーボンをバレル・プルーフ・バーボンと言う。ブッカーズやジョージTスタッグ、ウィレット・ファミリー・エステート等がそうしたバーボンとして有名。水で薄めないということは、一樽から取れるボトルの本数が少なくなるため贅沢な仕様であり高価になる。バレル・ストレングスやカスク・ストレングスも同じ意味。
◆Barrel Strength