カテゴリ:企画シリーズ > バー紹介

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今回ご紹介するのは小岩のバー、マスターピースです。バーテンダーとして30年以上の経験を積んだオウナーさんが一人でやっているお店で、2015年10月21日にオープンしました。基本的にカクテル・バーなので、メインはカクテルなのですが、モルトやバーボンのレア物もあることで知られています。店名となっている「Masterpiece」という英語は、「傑作」、「名作」、「代表作」などの意味をもつ言葉であり、ここに来ればそういう傑出したお酒に出会えますよ、或いは貴方にとってそういうお酒に出会って欲しいとの想いを込めて名付けられました。とは言え、このバーの魅力はお酒よりも寧ろ気さくで人懐っこいマスターのトークにあるかも知れません。私が伺った時は、新婚旅行のエピソードや酒の失敗談などで爆笑し、楽しい時間を過ごせました。カクテルが充実していることもあり、適度に薄暗い店内の照明やBGMのジャズと相俟って、女性一人でも訪れやすいバーです。現に私が行った時は、常連?の女性が一人で飲んでいました。季節限定のカクテルなどは拘りのあるものが飲めるようです。

マスターはイタリアかぶれのバーテンダーを自称していたりするのですが、アメリカのバーボンも大好きでよく飲んでいたそう。愛飲していたのは、なんとヴァージン・バーボン7年。昔はケースで買って、週に一回程度、一晩で2ボトル開けてしまうという訳の分からん飲み方をしていたとか…(笑)。よほど好きなのでしょう、店内にはヴァージン・バーボンのパブ・ミラーも飾られていました。バーボン好きには堪らないカッコ良さですよね。
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我々バーボン愛好家としては、気になるのはバーボンの品揃えですが、流石にボトルの本数的にはバーボン主体の店のようには多くありません。しかし、そこら辺で簡単には飲めない厳選された銘柄が残っています。また、まだ未開封の90年代のレアなボトルもありました。気になる方はバーのツイッターでチェックしてみて下さい。


BAR Masterpiece
〒133-0057 東京都江戸川区西小岩1丁目19−36 ケイズファーストビル 201
Tel. 03-3672-7507

営業時間 19:00〜25:00
日曜定休日
※マスターが一人で営業のため、用事がある時は臨時休業になります。店休のお知らせは各種SNSでご確認を。

X(Twitter)
https://twitter.com/bar_masterpiece?t=NKPM414O8xcDurLNH0KSsg&s=09

Instagram
https://www.instagram.com/bar_masterpiece?igsh=MWdpaDZ5bHVzemY2Yw==

Facebook
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(画像提供F氏)

マスターズ・レアは、今となっては正に名前の如くレアなバーボン。グレンモア・デイスティラリーズが1970年頃に導入したブランドです。現代に生き残っていない古いブランドにありがちなことですが、ネットで探っても情報が殆ど見つからず詳細は分かりません。よって以下は憶測になります。おそらく、マスターズ・レアという名前からしても、ラベルのデザインからしても、限定的で高級志向なバーボンだったのではないでしょうか。また90.9プルーフという半端な数字でのボトリングなどには、どことなく現代のプレミアム・バーボンに通ずる趣が感じられます。

このバーボンの面白いところと言うか興味深いところは、ラベルに「SINCE1836」と、ジョセフ・ワシントン・ダントの有名なログ・スティルの創業年を記載しているところです。当時、「J.W.ダント」というブランドはシェンリーが所有していました。そのため、何故グレンモアがJ.W.ダントの創業年を匂わせるん?となる訳ですが、これはおそらくイエローストーン・コネクションによるものかと思われます。JWの息子であるジョセフ・バーナード・ダントはゲッセメニーに独自の蒸溜所を建設し、それをコールド・スプリングス蒸溜所と名付けました。ルイヴィルの卸売酒類業者テイラー&ウィリアムズ社は、この蒸溜所から供給されるバーボンでイエローストーン・ブランドを作成すると、すぐにヒットさせ彼らの旗艦ブランドにしました。この間にダントのディスティラーとしての評判は高まりましたが、禁酒法によりゲッセメニーの蒸溜所は一旦停止されてしまいます。禁酒法期間中、テイラー&ウィリアムズは薬用ウィスキーの販売ライセンスを持っていませんでしたがブランドを維持し、ウィスキーの保管料とボトリング手数料を払うことで、ライセンスを取得していた企業の一つブラウン=フォーマンによってイエローストーンは販売されました。禁酒法が解禁されると、JBとその息子達は蒸溜会社としてイエローストーン社を設立し、ルイヴィル郊外のシャイヴリーに新しい蒸溜所を建設しました。禁酒法以降、蒸溜所を始めるのは簡単ではありませんでしたし、40年代には戦争もありました。そのせいなのか、1944年にイエローストーン・ブランドはグレンモアにより購入され、同社は以後それを主力ブランドの一つにしていました。バーボンという「商品」のマーケティングは、伝統を重んじ、如何に歴史を遡れるかで価値が高まるようなところがあります。「なんと創業は18○○年!」などと言って。だからこそ、マスターズ・レアのラベルでJ.W.ダントの創業年を謳っているのではないかと…。

1966年頃にはイエローストーンはケンタッキー州で最も人気のあるブランドになったと言われますが、1970年代を迎える頃にはバーボンの売り上げは年々減少し汎ゆる蒸溜所の倉庫は満杯となっていたとも聞きます。そういう観点からすると、マスターズ・レアはNAS(熟成年数の記述なし)ながら、少なくともある程度は長期熟成原酒を含むのではないかと想像しています。ブランド名に使われる「レア(希少さ)」というワードにしても長熟の高尚表現と勘繰ることが出来るでしょうし。
ボトル前面下部のラベルに記載の「Bottled at the distillery by MSTER'S RARE DISTILLING CO. Louisville, Ky.」のマスターズ・レア・ディスティリング・カンパニーというのは想定企業名(架空企業名、DBA)ですが、所在地がルイヴィル表記であるところからすると、ボトリングはイエローストーン蒸溜所でしょう。使用している原酒もイエローストーンの可能性は高いと思いますが、グレンモアのもう一つの蒸溜所であるオーウェンズボロのプラントから来ている可能性も否定できません。何しろ「Distilled」とは書かれてませんから。また、海外の有名なバーボン掲示板で或るアメリカン・ウィスキー愛好家の方は、ダントの創業年とルイヴィルの所在地を記載しているところから、JBの弟のジョン・P・ダントの蒸溜所から来ているのではないかと書いていました。まあ、どれも憶測ではあります。海外のオークション・サイトの商品説明文ではグレンモア蒸溜所で製造された、と書かれていました。前後の文脈からしてオーウェンズボロのプラントを指していますね。

偖て、このようなレアなバーボンを飲むことが出来るのは、今年の4月から長野県諏訪市に新しくオープンしたバーボン・バー「Fujisan's_Bar」のマスターのご厚意によるものです。マスターのF氏とはインスタグラムで知り合い、バー開店以前から同じバーボン好き同士として仲良くしてもらっていたのですが、お店のストックの中でも希少な部類に属する物を開封したので是非味見をして欲しいとのことで、サンプルを送って頂けたのです。本来ならこちらがオープン祝いに何かしらせねばならぬところ、逆にこんなにも希少な物を飲む機会を提供して頂き感謝しかありません。この場を借りて再度お礼をさせて下さい。画像提供も含め、本当にありがとうございました! そして、いつかお店に伺いたいと思っております。最後尾にお店の紹介をしてありますので、バーボン好きの方は是非ともチェックしてみて下さい。では、飲んだ感想を少しばかり。

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MASTER'S RARE 90.9 Proof
推定70年代ボトリング。赤みを帯びた濃いブラウン。黒蜜、樹液、アニス、フェンネル、炭焼ハンバーグ、ドライオレンジ、お爺ちゃんの薬箱、レモングラス、僅かにバター。ノーズは濃密な甘い香りと爽やかなスパイス香が主で、柑橘系の香水のような香りも。水っぽい口当たり。パレートは複雑なハーブ&スパイス、収斂味も。余韻は長く、ややドライでハービー。アロマがハイライト。

中身に関する情報が全くないのですが、飲んでみるとけっこう長熟なのでは?というフレイヴァーに感じました。10年は超えていそうなマチュレーションです。時間をおくと複雑に変化する香りが面白く、崇高性を感じました。個人的には味わいにもう少し熟成フルーツもしくは濃い色のフルーツを、または甘みを感じたかったですかね。
Rating:88/100


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バーボンをコレクションして十数年のオウナーが、昼間農業に勤しむ傍ら、上諏訪駅から徒歩5分の位置にオープンした隠れ家的なバー。小さいながらも白を基調とした小綺麗な印象の店内は、アメリカン・ポップな飾りでレトロな雰囲気が味わえます。80〜90年代のオールド・バーボンを中心とした品揃えを、当時の仕入れ価格をもとにしたリーズナブルな値段で提供。パピー・ヴァン・ウィンクルからワイルドターキー、プリ・ファイアー・ヘヴンヒルからエンシェント・エイジまで。バーボンが8割、スコッチ1割、ジャパニーズとその他が1割という構成です。厳しい世の中にも拘らず、ほぼバーボンしかないお店を開く男気に乾杯。

Fujisan's_Bar
長野県諏訪市大手2-3-3桑澤店舗ビル1階

営業時間
月 19:00 〜24:00
火 19:00 〜24:00
水 19:00 〜24:00
木 19:00 〜24:00
金 19:00 〜25:00
土 19:00 〜25:00
日 19:00 〜24:00 

休日
殆どの場合やっていると思われますが、不定休のため利用前に店舗に確認するの無難かと。連絡は下記のエキテンのサイトが便利そうです。

Instagram
https://instagram.com/fujisans_bar?igshid=YmMyMTA2M2Y=

エキテン店舗情報
https://s.ekiten.jp/shop_34423568/?from=top_page

You Tubeでお店が紹介されていました

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(画像提供Destiny様)

過日、今のような状況になる前に、久々にバーボン・バー遠征に行ってきました。マニア筋の方には言わずと知れた名店、上大岡の「Shot Bar Destiny」です。

私がまだ殆どバーボンの知識がない時分、ワクワクしながら楽しみに読んでいた『バーボンウィスキー大百科』というブログがありました。自らが最も好きな銘柄から「ランドルフ」とハンドルネームを付けたバーボンマニアの方が、バーボンに対する想いやら、飲んだ銘柄の感想やら、忌憚のない意見などを開陳されているので面白いし、何より当時までに発売されていたバーボン関連の書籍や雑誌記事などのほぼ無意味なマーケティングの言葉を引用したブランド紹介と違ってもっと突っ込んだ情報を得れる有益なブログだったのです。残念ながら、もう10年以上前から更新されなくなっているため過去形で言いました。もし彼があのままブログを続けていてくれれば、私ごときが当ブログを始めることもなかったかも知れません。それは措いて、そこにはランドルフ氏自身のバーボン人生と重ねて幾つかのバーが紹介されており、その中でも目を惹くほど絶賛されていたのがデスティニーの前身にあたるお店でした。これ以上に熱情と愛のある紹介文もなかなかありませんので、ここに少しだけ引用させて頂きましょう(文意を変えない程度に省略を施しています)。

「関西の名店訪問を楽しんだ後も精力的に関東のお店を飲み歩」き、「飲んだバーボンの数400種類になっていました。その頃になると、徐々にではありますが追いかける銘柄も頭打ちに成り始めました」。「当時、私はとにかく飲んだことのない銘柄を追いかけ」、「飲んだことが無いものは新旧問わず飲みたくて仕方が無かったのです」。そこに現れたのが上大岡のバーボン・バー「ブルボン」でした。関東や関西の名店「にも無かったボトルがこのお店の棚に並んでい」て、「私はものすごいテンションが上がり、興奮したのを今でも覚えています」。「そんなマニアックな私をお店のマスター」は「暖かく出迎えてくれました」。マスターは「私より少し年上の方ですが、話を聞くと、私以上にバーボンマニア。ですので、私のような飲み手の気持ちをとてもよく分かってくれていて、ボトルを見たくて店の中をうろちょろしても、新たに開封したボトルのハーフショットでも、快く対応してくれました。今まで色々なお店でバーボンを飲んで来ましたが」、ここのマスター「ほどバーボンに強くこだわりを持ち、強く愛着を持っているバーテンダーさんは初めてでした。バーボンの味わい方、ボトルのラベルに書かれている地名から蒸留所を判別する方法、バーボンの歴史や現在までの流れなど、楽しいバーボン談義の中でさりげなく教えてもらいました。今まで私はとにかく銘柄だけを追いかけて飲んでいただけに、目から鱗が落ちるような話ばかりでした。このお店は単にバーボンの数があるだけではありません。バーボンの楽しみ方自体が色々できるのです。その後、何度も通いましたが」、「今振り返ると、もの凄い貴重なボトルも開けてくれたと思います。ここのお店でヴィンテージバーボンの魅力に開眼できたと思っています」。このお店そしてマスター「との出会いが、私にとってバーボンの魅力をさらに発見するきかっけになったのは間違いありません。私のバーボン人生の中ではとても大きな出会いになりました」。

どうでしょう、こんなものを読ませられては、バーボン愛好家は行きたくなってしまいますよね? また、私が本ブログのバー紹介で以前取り上げたフストカーレンに行った際、そこのオウナーのS氏も「バーボンの味わいを勉強するという点に関してはデスティニーさんがオススメです」という趣旨の発言をされていました。そんな訳で、私とて何年も前から行きたかったバーだったのですが、漸く機会あってこの度お邪魔することが出来た、と。

デスティニーは2003年5月7日に上大岡で「Shot Bar BOURBON(ブルボン)」としてオープンしました。数年間そこで営業された後、2007年7月1日に銀座に移転し、2010年8月まで営業。同年9月から元の上大岡へと戻り「Shot Bar Destiny」がオープンし現在に至ります。オウナーは98年頃から1200〜1300本位のバーボンを蒐集しており、その末にバーをオープンしたと聞きました。個人的に気になっていたのは、なぜ店名を変更したかでした。バーボンへの熱量から店名もそのままバーボン(ブルボン)というのは分かり易いではないですか。英語の「Destiny」は運命や宿命と訳される言葉なので、もしかすると「貴方とバーボンの運命的な出会いを提供しますよ」というような意味合いなのではないかと勘繰っていたのですが、まさかの単なる旧店舗(以前のバー?スナック?)の名前をそのまま使用しただけだそうですw。いや、まあ、それこそ「運命」なのかも知れません。私の解釈は正しいに違いない(強引)。

偖て、こちらのバー、そしてマスター、噂に違わぬ魅力がありました。取り揃えられたバーボンは、十年前に比べると超貴重酒の数は減ってしまったかも知れませんが、まだまだ関東屈指。特筆すべきことに、少なくとも今回私が飲んだ物に限っては、どれもボトル・コンディションが素晴らしかったです。基本的なことかも知れませんが、マスターは注文されたボトルを注ぐ前に入念に香りをチェックされていました。また、飲み終えたグラスはすぐ下げずに、分かり易いよう飲んだ銘柄のボトルの前に置き、グラスの残り香をいつでも確認できるように配置してくれる気遣いもありました。
そして私がマスターと同じ種類のバーボンを愛する人間ということもあり、バーボンの話は面白い面白い。バーボンに関して「何でも聞いてください」と仰って頂けたのに、私が極度に酒に弱いため数杯で思考回路が停止し、事前に用意していた質問の殆どが頭から抜け落ちる体たらく…。しかしそれでも、夜8時頃から閉店まで滞在し、至福の時間を過ごせました。何よりバーボンの知識云々は関係なく、それ以上にマスターのお笑い要素強めの?人柄が心地良かったのです。バーボン好きは絶対、そうでない方にもオススメ。現在の社会情勢が落ち着いたら是非行ってみて下さい。

そう言えば、一つ面白いなと思ったエピソードがあります。私がお店に滞在中、マスターは「今日はちょっと緊張してます」と何度か言っておられました。それは、日本で指折りのバーボン・バーと言えども、そうそう毎日バーボンマニアが集う訳ではなく、多少なりともバーボンを知っていそうな奴が久々に来店したから出て来た言葉でした。私は、入店時に前から来たかったバーであることは告げましたが、流石に自分から「どうもー、僕はバーボンに詳しいでーす」などとは名乗り出ていません。では、どうして私がある程度バーボンのことを知っている人間だとマスターは判ったのでしょう?
それはマスターによれば、ボトル群の眺め方で判別できたと言うのです。デスティニーはカウンターの座席の後ろ側にもボトルを並べた棚があるので、私は初めの一杯を何にしようか座席を立って眺めていました。その眺め方が少なくともバーボンの銘柄を相当知っている人間の眺め方であった、と。マスター曰く、それほど銘柄を知らない人(例えば大手酒類販売店に並んでいる銘柄を知っている程度)なら端から端へぼんやり「スゥーーーーッ」と眺める、しかし多くの銘柄を知っている人なら「サーーーーッ」と素早く見るのだけれど一つ一つ「タンッ、タンッ、タンッ」とちゃんと認識しながら眺める、だから判るのだそう。凄い洞察力だなあと思いましたし、そういう所作から滲み出るものがあるのだなあと、とても面白く感じた次第です。では、最後に店舗情報を。


Shot Bar Destiny
〒233-0002
神奈川県横浜市港南区上大岡西2-9-15 シャンローゼ上大岡1階
営業時間:18:00~翌3:00
定休日:第一日曜日(日・月連休のときは月曜日)
※行く前に最新の情報はSNSをチェックして下さい

Instagram
https://www.instagram.com/shotbarbourbon/

現行Blog
https://ameblo.jp/shotbardestiny/

旧Blog
https://ameblo.jp/shotbarbourbon/

旧々Blog(バーボンウイスキー名鑑)
https://www.sakedori.com/spn/s/bourbonwhiskey/

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今回の投稿は告知です。

本ブログでは既にお馴染みのイラストレーターKazue Asaiさんの作品が、お酒の美術館中野店にて7月初旬から約1ヶ月間展示されます。ギリギリの告知になってしまったのには、皆様もご承知のようにコロナ禍での緊急事態宣言の影響、およびその後の動向がよく分からないためでした。また「初旬」とか「約」とか言ったりしてるのもその影響でして、細い日程は分かり次第、追記の形でお知らせ致します(※7/1〜31の展示で本決まりになりました!)。
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関西からスタートして今や全国的な展開を見せている「お酒の美術館」は、株式会社のぶちゃんマン(代表者 滝下信夫)が運営する事業の一つで、自社買取したオールドボトルを販売するビジネス以外に、希少なお酒をもっと気軽に楽しんでもらいたいとの想いから生まれたスタンディング・バーです。独自ルートでの格安仕入れをしているため、希少なお酒を1杯500円からという驚異の価格設定で提供しながらも高い利益率を確保することが出来るのが強み。店内の品揃えの大半は、現在は原酒不足で終売となった入手困難なジャパニーズ・ウィスキーも含む70年代〜バブル期の洋酒ブームに流通していたボトル群であり、それを手の届きやすい価格で提供するものだから、学生から若い女性、仕事帰りのちょい呑みサラリーマン、 訪日外国人、終売ボトルを懐かしむ中高年まで幅広い方々に支持されています。

8坪あれば開業できるお酒の美術館の加盟店舗は個々にオウナーの個性が出せるようで、オーセンティックな雰囲気のレトロ・バーと言った店舗もあれば、アンティーク感のないパブのような雰囲気の店舗、果ては大手コンビニチェーンとの提携によりイートインスペースを活用した店舗まであります。で、今回ご紹介するのがその中の一つ中野店。2019年12月14日にオープンした同店はオウナーの山田さんの奥様が絵を描かれる方だそうで、店舗には沢山の絵が飾られているのが特徴です。その時々で或る作家さんをフィーチャーするらしく、お酒の美術館であると同時に文字通り絵の美術館ともなる訳です。これはなかなかに独創的なバーと言えるのではないでしょうか。詳しくは下記の「まるっと中野」さんの記事が素晴らしいので参照して下さい。
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そしてこの度、ここに作品展示をすることになったのがKazue Asaiさん。キュートでロックでクレイジーでパンクなお洒落ガールを描かせたら天下無双、只今人気急上昇中のイラストレーターです。彼女はお酒の美術館に合わせて、美女とお酒をモチーフにした絵を大量に描きました。彼女の作品が約30枚も一度にナマで観れる機会はそうそうありません。しかも、お酒を呑みながら…。気に入ったイラストがあれば購入も出来るようですよ☆ 皆さん、是非機会があれば足を運ぶことをオススメします。勿論、私も行きます。「美女」に囲まれながらオールドバーボンを嗜む贅沢時間ですからね。おそらく例の条件付酒類提供(※同一グループの入店 2人以内、酒類提供の時間制限11時〜19時まで、利用者の滞在時間90分以内)になると思われるので、遠方よりご来訪の方は事前にお店に確認を。

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JR中野駅、北口サンモール中野、コージーコーナーを右手に曲がるとすぐのお店です。


お酒の美術館ホームページ
中野店ツイッター
中野区公式観光サイト「まるっと中野」の記事
https://www.visit.city-tokyo-nakano.jp/gourmet/cospa/204983/


Kazue AsaiさんInstagramのギャラリー
https://instagram.com/kazue696?igshid=klp7laozh3e7

Kazue Asaiさんへのお仕事依頼はこちら
audiard196@gmail.com

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今回紹介するバーは新小岩の知る人ぞ知るフストカーレン。駅の南口から6〜10分程度歩いたところにあり、派手な看板はなくひっそりと佇んでいます。97、8年頃からこの場所で営業しているらしく、かつては住所/電話番号非公開だったこともあり、文字通り「伝説のバー」と呼ばれ、マスターとその品揃えは多くのファンを魅了し同業のバーテンダーも通った名店で、2016年に先代の目黒氏から弟子の白石氏に引き継がれました。

私は先代マスターの時代に行ったことはありませんが、おそらく現在のほうがバーボンは充実しているようです。90年代を中心として、80年代後半から2000年代の今では希少なオールドボトルがずらり。特にブラントンズの年代別のストックの数はおそらく日本一ではないかと思えるほど。ヘヴンヒルやワイルドターキーもなかなか豊富。現行品はリミテッド・リリースのちょっと拘ったバーでないと見かけられないバーボンを置いてます。そう、現マスターはバーボンに人並みならぬ愛があるのです。それ故、我々にとっては準バーボン・バーと謂える存在。マスターに自分がバーボン好きなのを告げると、私には高くて購入する気にならなかった貴重な「Evan Williams」の本(写真集?)を見せて頂けました。

バーボン以外では、本数はモルトの方が多いと思われますし、その他のスピリッツやリキュール、旬のフルーツを贅沢に使用したカクテルなどがあります。なのでウィスキー沼にハマったマニアにも、そうでない女性の方などにもオススメ。店内の照明はその日の天候などで微調整するそうで(私が行った日は暗め?)、雰囲気もバツグンです。時々提供されるチャームは多分その時ある旬のフルーツやチョコや生ハムなど拘りの食材。マスターの話術もあり、あっという間に帰る時間になってしまいました。既に現マスターの「自分の色」は出ていますね。

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(画像提供AKR様)

Bar Fust Carlent
東京都葛飾区新小岩4-13-6 水村コーポ1F
03-5607-3484
営業時間 19:00~
水曜定休日

フェイスブック
https://m.facebook.com/pages/%E3%83%95%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3/308199912524189?locale=ja_JP

インスタグラム
https://instagram.com/fustcarlent?igshid=1akwow515nouf

食べログ
https://s.tabelog.com/tokyo/A1312/A131204/13039850/top_amp/

「男の隠れ家」紹介記事
https://otokonokakurega.com/meet/bar/14421/

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先日、久し振りにバーへ遠征して来ました。お邪魔したのはバーボン好きなら誰しも知っている埼玉県大宮のBar FIVE。となると大袈裟に言えばバーボン巡礼の旅という訳ですね。

FIVEのオープンは1998年。元々の店名はファイヴ・ハンドレッドだったと言います。その名の由来は、ウィスキーもカクテルもビールも料理も全て500円だったから。しかも当時は営業時間も夕方5時から翌朝5時だったとか。マスターが「5」を好きなのですかね? そこのところは聴きそびれちゃいました(※追記。マスターがお釣りを渡すのが面倒だったかららしいです)。
あの多くの被災者を生み出した東日本大震災の折り、FIVEも無害だった訳ではなく、200~300本の貴重なオールドボトルが失われたそうです。するとオーナーのマスターはすかさず移転を決め、数ヵ月後には近くの現店舗へ移りました。旧店舗はレッド・ゼッペリンの似合うもっと猥雑な雰囲気だったそうですが、現店舗は黒と白を基調とした小粋なジャズの似合うシックな雰囲気です。

FIVEは基本的にオールドボトル専門で現行品は置いてなく、2000年以前の希少なボトルがずらりと並んだバックバーは壮観であり、それ目当てに県外や果ては海外からもお客さんが訪れるのですが、それだけのバーではありません。寧ろ、強面だが優しくユーモアのあるマスターと気遣いの出来るバーテンダーさんお二人のホスピタリティこそが最大の魅力。バーは「お酒」よりも「人間」に引き寄せられて行く場所だと実感しました。バーテンダーさんの「常連様に支えられています」と云う言葉に深く納得です。ここには酒の自慢話とウンチクだけを語る下品な輩は似合わない。ハイエンド・バーほど畏まりすぎず、居酒屋ほどくだけすぎない、絶妙なバランスはとても居心地が良いのです。

そして「日本一鍋を振るバーテンダー」と異名を取る漢が造るメニューの無い料理もウリの一つ。私は苦手な食材だけを告げてオススメを造ってもらいました。彼の腕前は近隣の会社からデリヴァリーの依頼が来るほどなのです。私が居た時間も注文がけっこう立て込み、来店のお客さんの分もあったので、忙しく料理を造り続け、更には配達まで行っていました。おかげで残念なことに彼とは会話が殆どできず仕舞いでした(笑)。

レアなバーボン目当てで行くのもいいでしょうし、ただ飲んで楽しみたいだけで行くのもいいでしょう。バーボン以外のリカーやカクテルもあり、落ち着いた薄暗い店内と洒落た料理の提供は女性一人でも入りやすいバーでもあります。また不定期で週末にジャズ・ライヴが催されたり、月1でウイスキークラブという厳選されたラインナップを安価に提供するイヴェントもあります。

あと、珍しいのが、これだけの品揃えのバーにしてはランチ営業までやっているところ。なんでもメニューはカレーだけだそうで、サラダとドリンク付きの500円ワンコイン・ランチ。FIVEの由来からして想像通りのお値段。そしてメニューが一種ゆえに吉野家並みのスピードで提供されるのだとか(笑)。気になる方は食べログやRettyで調べてみて下さい。

FIVEは、バーボンの品揃えに関しては少なくとも関東でベスト「5」に入る名店です(ええ、もしかしたら一番か二番かも知れませんが、敢えてこう言いました)。関東圏、もしくは埼玉へお越しの際は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。あ、メンバー外の方は事前予約が無難かと思われます。訪問される際は一応お店に確認して下さいね。


BAR FIVE
埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-223 モナークヴィラ1F
048-644-3550

ランチ営業
平日のみ 11:30~14:00(売り切れ次第終了)

バー営業
平日 17:00〜26:00
祝日 17:00~0:00

フェイスブック
https://m.facebook.com/barfive1998/?locale2=ja_JP

インスタグラム
https://instagram.com/fivemao0124?igshid=cxv8c9cm97zs

ツイッター
https://twitter.com/shufuchefkitch2?s=09

ユーチューブ
https://youtu.be/_06Abu7uTUo

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ここ最近、連続で投稿していたバー編は前ポストで終わりです。なので最後にバーの紹介を少しばかり。伺ったバーは千葉県大貫にありまして、その昔三軒茶屋や銀座でバーを経営していらしたマスターが、近くに海はあるものの、繁華街も何もない田舎、普通の家の一階を苦心の末に改装して2017年6月に再オープンされたお店です。その名を「幻の桜」と言います。三軒茶屋や銀座時代に伝説となった、知る人ぞ知る名店です。ここにはビールもカクテルもおつまみもなく、提供はストレートのみ、水割りもありません(チェイサーの水はあります)。はっきり言って行く人を選ぶお店ではあります。しかし、バックバーに並ぶお酒は貴重な物が多く、注いでくれる器もマスターがコレクションされているアンティークグラス、それでいて堅苦しい雰囲気でも、威圧感のあるマスターでもなく、Tシャツとサンダルで行ける正にアットホームなバーでもあります。私はバーボンしか飲んでませんが、バーボン専門店ではありません。むしろ、モルトやその他の蒸留酒のほうが多いくらいです。
どうでしょう、想像できましたか? バーの既成概念を覆す立地に、風変わりなマスター、タイムスリップしたかのような希少なお酒とグラス。長閑な住宅地の一角から、扉を開ければそこは別天地。ここに来れば「序列はなくなる」。興味を持った方は、お店のブログがありますので、下のリンクからどうぞ。営業時間が独特だし、住所も電話番号も公開していませんので、行く前にはブログのチェックが必須です。立地条件と提供物の狭さ故か、経営は厳しいに違いないでしょう。その燈火を消さないためにも、あなたがオールドリカー愛好家なら、関東住まいの方は勿論、遠方の方でも是非訪れてみて下さい。


ああ、そうだ、マスターのお人柄を語る話がひとつあった。私がこちらのバーへお邪魔する前に、昼飯を食べにレストランへ寄ったのですが、 そこに忘れ物をしてしまいました。バーへ着いて、挨拶を済ませ、席に座った時そのことに気づきました。私は飲酒する身ですから電車と徒歩でここまで来ています。歩いて10分くらいのレストランだったので、私は歩いて取りに行こうと思いました。マスターにそのことを告げると、慣れてない土地を何度も歩かせるのは忍びなかったのでしょうか、まずはレストランへ確認の電話をし、その後、マスターの奥様に取りに行くよう取り計らってくれたのです。いくらお客とはいえ、3分前に会ったばかりの者に、心のあたたまる行為でした。
「変わったとこにある店ですけど、マスターの心意気がいいっすね」(一緒に行った相棒の言葉)

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