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アーリータイムズ150周年記念ボトルは、その名の通りアーリータイムズの1860年の創業から数えて150年を迎えることを祝して2010年にリリースされました。3000ケース(各24ボトル)のみの数量限定で、375ml容量のボトルしかなく、アメリカでの当時の小売価格は約12ドルだったようです。

アーリータイムズは豊かな伝統とマイルドな味わいで知られるブランドです。創業当時の設立者ジャック・ビームは、業界が余りにも急速に近代化し過ぎていると考え、「古き良き時代」を捉えたブランドを求めて、その名をウィスキー造りの昔ながらの製法(アーリータイムズ・メソッド)から付けました。彼はマッシングを小さな桶で行い、ビアやウィスキーを直火式カッパー・スティルでボイリングする方法が最善と信じていたのです。アーリータイムズの伝統を匂わせるマーケティングは当り、順調に売上を伸ばしましたが、やがて禁酒法の訪れにより蒸留所は閉鎖されました。
一方でブラウン=フォーマン社の創業者ジョージ・ガーヴィン・ブラウンの跡を継いでいたオウズリー・ブラウン1世は、1920年、禁酒法下でも薬用ウィスキーをボトリングし販売するための連邦許可を取得しました。彼は既存の薬用ウィスキーの供給を拡大するために、1923年にアーリータイムズ蒸留所、ブランド、バレルの全在庫を買い取ります。1925年にオウズリーはアーリータイムズの全てのオペレーションをルイヴィルのブラウン=フォーマンの施設に移しました。禁酒法が発効すると1900年代初頭の多くの人気ブランドは姿を消しましたが、ブラウン=フォーマンによって買われていたアーリータイムズは絶滅から免れ、薬用ウィスキーとして販売され続けたことにより消費者から忘れ去られませんでした。1933年に禁酒法が終了した後、ブランドは黄金時代を迎えることになります。オウズリーのリーダーシップの下、ブラウン=フォーマンは1940年にルイヴィルの南にあったオールド・ケンタッキー蒸留所を買収し、そこをアーリータイムズの本拠地としました(DSP–354)。そして1953年頃には、アーリータイムズはアメリカで最も売れるバーボンとなりました。広告ではブランドを「ケンタッキー・ウィスキーを有名にしたウィスキー」とまでアピールしたほどです。1955年、ブラウン=フォーマンはプラントの全面的な見直しと近代化を行いました。まだまだバーボンは売れる商品だったのです。
しかし、70年代はバーボンにとって冬の時代でした。ブラウン=フォーマンは1979年になるとルイヴィルのオールド・フォレスター蒸留所(DSP-414)を閉鎖し、同バーボンの製造をアーリータイムズ・プラントに移管しました。その頃、二つのブランドの品質に影響を与える重要な決定が下されます。オールド・フォレスターは同社の看板製品なのでプレミアム・バーボンとして選ばれ、アーリータイムズは二種類の製品に分けられてしまいました。一つは輸出用の製品で「ケンタッキー・ストレート・バーボン・ウィスキー」規格を保持しましたが、もう一つのアメリカ国内流通品は80年代初頭に新樽ではない中古樽で熟成された原酒を含むため「バーボン」とも「ストレート」とも名乗れない「ケンタッキー・ウィスキー」となったのです。もしかすると、その時に熟成年数もまた短くしたかも知れません(3年熟成)。こうして、嘗て栄光を誇ったアーリータイムズはアメリカでは最高のブランドではなくなりましたが、ボトムシェルフ・カテゴリーの中では存在感は示したでしょうし、海外、特に日本ではバーボンの代名詞的存在であり続けました。
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この150周年記念ボトルは、1923年当時ブラウン=フォーマン・ディスティラーズ・コーポレーションの社長だったオウズリー・ブラウン1世が薬用ウィスキーとしてボトリングした時のアーリータイムズのフレイヴァー・プロファイルを見習って造られている、と同社の統括的なマスターディスディラーであるクリス・モリスは語っています。
禁酒法時代の薬用ウィスキーの殆どは時宜遅れのボトリングでした。それらには本来ディスティラーが意図していたより3倍長く熟成されたウィスキーが入っていたのです。1923年という初期禁酒法下で、ブラウン=フォーマンは5~6年程度の熟成のアーリータイムズを薬用ウィスキーとしてボトリングし始めました。それはライトな蜂蜜色で、メロウ・オークにブラウン・シュガーにヴァニラの香り、シンプルなスイート・コーンとヴァニラと仄かなバタースコッチの味わいをもち、過ぎ去りし最高のアーリータイムズを偲ばせると云います。つまり、そうした禁酒法の初期に販売されたであろうメディシナル・アーリータイムズ・プロファイルを模倣するために、「アーリータイムズ・ケンタッキー・ウィスキー」のプルーフを引き上げ、更に熟成年数を引き延ばすアプローチをした物が、この150周年アニヴァーサリー・エディションという訳です。また、ボトルと言うかパッケージングも禁酒法時代のウィスキーのデザインになっていますが、このデザインが実際あった物の復刻なのかどうか私には分かりません。多分それ風にデザインした物ではないかと想像しますが、実情をご存知の方はコメント頂けると助かります。それは偖て措き、2011年になるとブラウン=フォーマンはアメリカ国内で「アーリータイムズ354バーボン」なるストレート・バーボン規格の製品を発売しました(レヴューはこちら)。私には何となく、発売時期からするとこのアニヴァーサリー・エディションには、従来のボトムシェルファーとは違う少しプレミアム感のある「354」の売り上げを伸ばすための地ならしと言うか「アーリータイムズの栄光よもう一度」的な?宣言の役割があったように思えてなりません。まあ、空想ですが…。 
では、そろそろ飲んでみましょう。

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EARLY TIMES KENTUCKY WHISKY 150TH ANNIVERSARY EDITION 100 Proof
2010年ボトリング。バターレーズンクッキー、フローラル、焦樽、焼いたコーン、ワカメ、ホワイトペッパー、微かなチェリー、藁。少しとろみのあるテクスチャー。口蓋ではアルコール刺激はまずまずありつつ、木材とスパイシーさが。余韻はミディアム・ショートで、豊かな穀物を主に感じながらビタネスとスパイスとフルーツと香ばしさがバランス良く混ざり合う。
Rating:83.5→82.5/100

Thought:通常のアーリータイムズとは一線を画す現代のプレミアム・レンジのバーボンに感じやすい香水のような樽の香ばしさがあります。これの前に開けていたアーリータイムズ・プレミアム(90年代)とも全然違うフィーリングで、連続性はなく感じました。とは言え、それが件のバーボンではないケンタッキー・ウィスキーだからなのか、熟成年数の追加とプルーフィングその他によるものなのかは分かりません。少なくとも私には「これバーボンです」と提供されればバーボンと思う味わいでした。基本的には、何というかそれほどコクのない香ばし系とでも言いますか、美味しいのですが、個人的にはもう少し甘みかフルーツ感が欲しいところです。メロウネスもあまり感じないので、熟成年数はいいとこ6年くらいかなという印象です。正直、クリス・モリスには申し訳ないですが、これは禁酒法時代の風味を再現してるとは思えず、完全に現代的な樽の風味だと感じました。
それと上の点数なのですが、残量3分の1を過ぎた頃から風味がかなり変わりまして、それゆえ矢印で対応した次第です。香りは甘さが消え、口の中では酸味が少し増え、余韻はドライになり、バランス的には穀物とスパイスに偏りました。劣化した味わいではないのですが、良い変化とは言えないし、私の好みではないです。

Value:この製品は通常ボトルの凡そ半分量ということもあり、オークションでもそれほど高値にならず、70年代のイエローラベルより安価で購入出来ると思います。味わい的に物凄くオススメという訳でもないのですが、パッケージングがカッコいいのでそれなりの価値があります。デザインを含めて考えると、個人的には3000円代なら購入してもよいかと。

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昨日、報道されご存知の方も多いと思いますが、なんと、あの日本では最高の知名度を誇るバーボンブランド、アーリータイムズがブラウン=フォーマンの手を離れサゼラックへ行くことになりました。このブランド売買は今年の夏の終わりに完了する予定です。

アーリータイムズは今年で160周年を迎えるビッグネームで、禁酒法期間中から今に至る長い間ブラウン=フォーマンが所有して来ました。しかし、現在のアメリカのバーボン市場に於いては決してプレミアムなブランドイメージを獲得出来ていませんでした(昨今リリースのブルーラベルのボトルド・イン・ボンドは比較的好評だったのですが…)。逆にサゼラックはオールドテイラーをビームから買収後プレミアムラインのバーボンにリニューアルした実績があります。

ブラウン=フォーマン社によれば、この売却は今後ウッドフォードリザーヴのようなプレミアム製品に焦点を絞るポートフォリオ戦略の継続的進化の一部とのこと。

現在のアメリカのバーボンブームは安価なバーボンではなく、プレミアム志向のバーボン人気に支えられています。となると、これってBFがアーリータイムズを切り捨てたように見えなくもないような…。COVID19のパンデミックが影響しているのか裏事情は分かりませんが、日本人にとってこれはビッグニュースですよね? 

おそらくサゼラックはアーリータイムズのブランド権の他、熟成樽の在庫も取得するでしょうし、日本での販売実績があるのも知ってるでしょうから、当面は変わりないとは思います。しかし、その後は? 

サゼラックがどういったブランド戦略をとるのか現段階では一切明らかではありません。プレミアムに一本化してバジェット・バーボンでなくするのか? それともプレミアムラインとバジェットラインの二本立てで販売するのか?

いや、そもそもどこの蒸留所で生産するつもりなのでしょう?

サゼラックはバーボンを製造する蒸留所を幾つか所有してますが、有名かつ生産量が多いのはバッファロートレース蒸留所とバートン蒸留所です。もしバッファロートレースで生産し、マッシュビルをコピーせず、酵母も引き継がず、なお安価なエントリークラスのバーボンとして存続するなら、エンシェントエイジかベンチマークとほぼ変わらないアーリタイムズになりますよね? 一方で、バートンで生産するなら、ケンタッキータヴァーンやケンタッキージェントルマンとほぼ同じになるでしょう。逆に、マッシュビルをコピーし、酵母も引き継ぐのであれば、蒸留所のレシピが増えますけれども。或いは別の蒸留所で生産する可能性だってあるのかなぁ…と、あれこれ考えると楽しいですよね。それはともかく、日本で流通するアーリータイムズは近年ラベルがリニューアルされたばかりだというのに、数年後には味わいも一新する可能性は大きそうだという話です。DSP-KY-354をまるごと購入して、なおかつ樽もブラウン=フォーマンのクーパレッジから調達するのでなければ…。

皆さんは今回のニュースやアーリータイムズの今後についてどう思うでしょうか? ご意見ご感想コメントよりどしどしお寄せ下さい。ではでは、バーボンで世界に平和を。


※当ブログのニュース記事の投稿は時間的有効性と内容的有用性がなくなったと判断した時点で削除します。

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2019年にラベルを一新したアーリータイムズ。そのラベルはアーリータイムズの創業者ジャック・ビームではなく、中興の祖サールズ・ルイス・ガスリーをフィーチャーしたものになっています。そのことも驚きでしたが、これだけ安価なブランドなのにラベルをただの色違いにせず、ほんの少しデザインを変更しているのも注目点。ブラウンの方はガスリーの横顔の絵がラベル正面に来ています。
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ガスリーについては以前投稿した新イエローラベルのレヴューで紹介してますのでご参照下さい。今回はブラウンラベルを試してみます。ブラウンラベルとイエローラベルの違いについてはこちらを。

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EARLY TIMES Brown Label 80 Proof
2019年ボトリング。ローストバナナのキャラメルソース掛け、焦樽、コーンチップス、接着剤、僅かにフローラル、ペッパー、ほんのりシャボン玉。水っぽく柔らかい口当たり。味わいはイエローよりややスパイシー寄りでさっぱりめ。余韻は短く、少しビター。
Rating:77/100

Thought:どうも昔飲んだブラウンラベルより美味しくない気がしました。私がイエローラベルに感じ易いと思っていたアーリータイムズ独特の嫌な風味を今回のボトルには感じます。また、私の記憶よりフルーティさも幾分か欠けるように感じましたし、余韻も苦いように思いました。以前に投稿したイエローとブラウンを比較する記事では、ブラウンの方を高く評価していたのですが、なぜか新しいラベルになってからのアーリータイムズに関してはイエローの方が美味しかったです。ここ数年で私の味覚が変わったのか、単なる気のせいなのか、それともアーリータイムズのバッチングの差なのか、謎。
ちなみに先日まで開封していたアーリータイムズ・プレミアムと比較すると、バカらしいほどにプレミアムの方が旨かったです…。

Value:否定的なことばかり書きましたが、価格の安さが最大の価値であるバーボンなので、 難癖をつけるつもりはありません。千円ちょっとでこれが飲めるのはありがたい話だと思います。ヘヴンヒルやジムビームの1000円代で購入できるバーボンより風味が濃いと評価する人もいますし、飲んだことのない方は迷わずトライしてみて下さい。しかも是非ストレートで。安いバーボンはハイボール専用などと思わずに。実際のところかなり美味しいですよ?

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アーリータイムズ・プレミアムは日本市場限定の製品です。調べてみると1993年から発売され、1997年に終売になったとの情報がありました。後の2011年リリースで2014年に製造停止となった「アーリータイムズ354バーボン」同様、このプレミアムも短命だった訳です(354の過去投稿はこちら)。どちらも3~4年で製造されなくなったところを見ると、あまり売れなかったのでしょう。

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(アメリカ流通のアーリータイムズ・ケンタッキーウィスキー)

アーリータイムズのアメリカ本国での流通品は、1983年にそれまでの「ストレートバーボン」規格から中古樽熟成原酒を含む「ケンタッキーウィスキー」への転換がありました。そう、我々日本人がバブル時代に大量のバーボンを輸入し、バーボンブームが到来していたあの頃、「バーボンと言えばやっぱりアーリータイムズだよね」と憧れていたバーボンは、既に本国ではバーボンではなくなっていたのです。アメリカに於けるアーリータイムズ・ケンタッキーウィスキーはボトムシェルフの王者だったかも知れませんが、そのブランド・イメージは「古臭くて安い酒」だったに違いありません。恐らくそうした負のイメージを刷新しようとしたのが354バーボンの発売だったと思われます。しかし、ほんのちょっと先走り過ぎたのか、単なるマーケティングの失敗なのか、とにかくその目論みは外れました。製造中止のアナウンスの際にブラウン=フォーマンのスポークスマンは、消費者はアーリータイムズにプレミアムを求めていなかった、という趣旨の発言を残した程です。
一方、アーリータイムズの輸出用製品はケンタッキー・ストレート・バーボンとして継続されました。世界的な知名度は絶大であり、特に日本では確固たる地位と販売量を誇るブランドだったからです。では、その日本ですらそれほど売れなかった(と思われる)アーリータイムズ・プレミアムとは一体何なのでしょうか?

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ラベルのサイドに書かれた文言はバーボンのありきたりの常套句ばかりで読む価値もないものです。はっきり言えば、ボトルのみから判断できる情報では度数が3%ほど高い43度ということだけ。このプレミアムについて調べていると、或るブロガーさんの記事で「当時価格で1500円」とありました。随分と安くありません? まあ、354バーボンもアメリカでは17ドル前後の販売だったので、「プレミアム」とは言ってもアーリータイムズ自体がバリュー・ブランドだし、ちょっと上位だよ程度の意味しかないのでしょう。1997年発行のバーボン本によると、イエローとブラウンが参考価格で2700円、プレミアムが4000円とあり、実売価格ではないけれどそれなりの差額があります。そして、その本の製品説明によれば、

「プレミアムは、品質へのこだわりをより徹底させた日本限定品。原料を独特の比率で組み合わせ、酵母も専用のものを使っている。熟成が、香りと色、味わいに深みをあたえている。」

とのこと。え? マジで!? 正直言って、この手の本に載っているインフォメーションは疑わしいものが多く、どこまで信憑性があるのか判りません。アーリータイムズ自体の紹介には比較的紙面が割かれてはいますが、97年発行という時期柄か、96年発売のブラウンラベルについて多く語られ、プレミアムに関しては上の引用文だけしか記述はないのです。取りあえずこの件は後で少し触れるとして、このプレミアムという製品、パッケージングがヒドくないですか? プレミアムを謳いながらラベルの色がブラウンとカーキの中間色? え、売る気あるの? スタンダードのイエローより地味になってますけど? プレミアムが販売されていた当時、熟成年数やボトリング・プルーフの違いによってラベルの色の違う2~3種類のヴァリエーションを揃えたバーボンが沢山ありました。その中で、アーリータイムズにも少し度数の高いヴァリエーションがあるのは自然の流れだろうし、ネームバリューだってずば抜けているのだから、プレミアムが売れる潜在能力は大いにあったと思うのです。いくら「水割り文化」の日本人に最も売れているブランドだったとしても、ハイアー・プルーファーが売れる素地はなくはない筈。通常、ボトルやラベル・デザインを変えずにより良質なヴァリエーションもリリースする場合には、上位の物に高価そうに見える派手な色のラベルを使う傾向にあります。スタンダードが白や黒なら、上位のクラスには赤や銀や金などを使うという具合に。ひとえにプレミアムが売れなかった原因はパッケージにあったのではないでしょうか? この渋すぎる色ラベルのアーリータイムズは、どう見てもイエローラベルの廉価版にしか見えず、プレミアム感の欠片もありません。これでは売れる訳がない……と、ここまではプレミアムが売れなかったから終売になったという前提で話を進めました。ですが、逆に順調に売れていたという可能性も考えられます。これについても後で述べることにし、先ずは飲んだ感想を書きましょう。

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Early Times Premium 86 Proof
1993年ボトリング。キャラメル、焦樽、ブラウンシュガー、ダークフルーツ、バナナ、米、ほんのりバター、絵の具。甘い香りにフルーティさが潜むアロマ。澄んだ酒質。口当たりは水っぽいものの風味はしっかりしている。香りにスパイシーなトーンは感じないが、液体を飲み込んだ後には穏やかなスパイスが現れる。余韻は43度にしてはやや長めで、緩やかな穀物の甘さとビタネスが同居。
Rating:84.5/100

Value:これ、美味しいです。ユニークな風味はありませんが、すっきりしつつコクのあるバランスの取れた味わい。スタンダードのイエローより幾分かフルーティで、イエローラベルに感じやすい嫌な風味も薄いように思いました。今でも2000円程度で販売されていれば常備酒としてもいいですね。ただ、残り三分の一で暫く放置していたら、甘味が弱くなって程よい接着剤が前面に来てしまいました。上のテイスティング・コメントはその前に書いたものです。オークションでのタマ数はそう多くありませんが、今のところ高騰してない銘柄なので、2500~3000円程度で落札出来る模様。

Thought:さて、プレミアムの中身に関してなのですが、飲んでみた感想が飲む前の予想をかなり越えていたこともあり、幾つかの可能性を考えてみました。先ずは、上記のバーボン本自体の信用性がなく、件の引用文もテキトーに書かれたデタラメなものだと仮定した場合、

①単純にイエローラベルよりボトリング・プルーフが高いだけ。だが、3度の違いが風味に及ぼす影響は大きい。
②使われている原酒の熟成年数が僅かに長い、もしくはイエローラベルよりクオリティの高い樽が選ばれている。
③イエローラベルとはトーストの具合が違う樽が使われている(*)。

と、考えるのが妥当だと思います。問題はその引用文が信頼できる真実の情報だと仮定した場合です。注目は「原料を独特の比率で組み合わせ、酵母も専用のものを使っている」という部分。酵母は一旦おいて、この前半の文を素直に解釈し、言葉を補うならば、「イエローラベルとは違うプレミアム独自のマッシュビルを使っている」と言っています。私は過去にイエローラベルとブラウンラベルの比較レヴュー(こちら)を投稿し、そこでブラウンラベルのマッシュビルについて紹介しましたが、このプレミアムまでもが全く別のマッシュビルを使ってるとは到底思えないのです。マッシュビル、特にフレイヴァー・グレインであるライ麦の比率は味わいに大きな影響を与えます。違うブランドにするならまだしも、同じブランド、同じラベルデザインの色違いで、通常そこまではしないでしょう。しかも日本だけのために、更には廉価な販売価格なのにです。しかし、今は引用文が正しいという仮定で話を進めています。そこで思い付いた解釈理論が、

④プレミアムはブラウンラベルの前身であり、中身はブラウンラベルのハイアー・プルーフ・ヴァージョンだった。

というものです。これは実際プレミアムを飲んでみてイエローラベルより私好みだったことから思い付きました。何となくイエローよりライ麦の影響を感じるような味の気がしたのです。ですが、私自身は味覚音痴ですし、それくらいの風味の違いはボトリング・プルーフの差や熟成の具合でどうとでもなりそうな気もし、また同時期のイエローとブラウンとプレミアムをサイド・バイ・サイドで飲み較べした訳でもないので自信はありません。あくまで珍説であり可能性の提供という意図しかないのです(飲んだことのある皆さんのご意見、どしどしコメントへお寄せ下さい)。そして、珍説ついでに妄想を膨らませてみると、実はプレミアムはよく売れていたのではないか?とまで思い直し、

⑤プレミアムは実験的に開発され、日本市場で好評だったが、のちに日本人の味覚に合わせて40度にプルーフィング・ダウンし、ブラウンラベルとしてリニューアルされた。

というストーリーまで考え付きました。プレミアムの中止が97年、ブラウンの発売が96年ですから、なくはない推論かなと。まあ、どれもバーボンファンのとりとめのない与太話と思って聞き流して頂ければ幸いです。暇潰しには最適でしょう?(笑)。それと、身も蓋もない言い方ですが、

⑥単に90年代のボトルは今よりレヴェルが高かった。

という説も付け加えておきます。
最後に酵母に関してですが、件のバーボン本によるイエローとブラウンの違いの説明では、イエローラベルは「熟成期間の異なる酵母を4種類混ぜ合わせて」あり、ブラウンラベルは「イエローラベルの4種類の酵母に、性質と熟成期間の異なる3種類の酵母をプラスして華やかさを醸し出す」とあります。これってまるでフォアローゼズ蒸留所のようですよね? ブラウン=フォーマンもこうしてバーボンを造ってるという話を私は他では聞いたことがないのですが、本当なのでしょうか? こちらもご存知の方はコメントよりご教示頂ければと思います。


*ここで何度も言及しているバーボン本のアーリータイムズ・ブラウンラベルの説明では、トーストの加減がイエローラベルとは違う旨が記されています。③はそこからの類推として、プレミアムもそうだった可能性を示唆しました。

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つい最近アーリータイムズの日本向けラベルが新しくなりしました(2019年4月から)。近所のスーパーにてリニューアル記念として少し安かったので、さっそく購入してみた次第です。一目で分かるように、従来品にあった掘っ建て小屋?のような古めかしい蒸留所の絵柄がなくなりました。SNS上での新ラベルの投稿をざっと眺めてみると、前の方が良かった、という意見が多い印象を受けます。また私の周囲の友人に尋ねても、概ね同じ結果でした。私としては初めて見た時、カッコよくなったなぁと思ったのですが、どうも少数意見のようで…。まあ、私の所感は措いて、このデザインなのですが、ネットで海外のアーリータイムズを検索してみると、どうやらヨーロッパでは数年前からこのラベル・デザインが採用されていたようです。それはラベルの文言に少々の違いがあり、名前も「EARLY TIMES OLD RESERVE」と言う名称になっています。で、これ、ラベルにストレートの記載がなく「KENTUCKY BOURBON WHISKEY」となっているので、バーボン規格ではあってもストレート規格ではないと思われます。もしかすると熟成期間が2年以下の原酒が混ぜられているのかも知れませんね。また、ロシアでは「EARLY TIMES OLD 1860」という名称のものが販売され、こちらはバーボン規格ではない「KENTUCKY WHISKEY」となっています。アメリカ本国と同じように中古樽で熟成した原酒が混ぜられているのでしょう。ともかくも、こうして世界のボトルを見てみると「KENTUCKY STRAIGHT BOURBON WHISKY」が販売され続けている日本でのアーリータイムズの絶対的な人気ぶりを改めて実感します。

さて、この新しいラベルデザインの注目点は、S. L. Guthrieを前面に押し出していることです。
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彼について、現在の取り扱いもとであるアサヒビールの公式ホームページではこう説明されています。

「アーリータイムズ蒸溜所は、1920年に禁酒法が施行されたことにより、その他の蒸溜所同様、存亡の危機に瀕する。しかし、従業員であったサールズ・ルイス・ガスリーがブランドを守るべく意を決して私財を投げ打ってアーリータイムズの商標権、在庫を買い取り、秘密の倉庫にウイスキーを隠すことで、伝統を途切れさせなかった。
その後、医師が処方する薬用ウイスキーとして認可されたことで、例外的に広く飲まれるようになり、アメリカ国内でも有数の販売数を誇るバーボンウイスキーとなった。」

それにしても、なぜ今頃になってから急にガスリーの名前を持ち出して来たのでしょうか? 創業者を差し置いて? 理由は分かりません。ですが、アーリータイムズの歴史を繙くとガスリーの名は確かにそこに記されています。

蒸留一家としてのビーム家の始租ジェイコブ・ビームの孫でありデイヴィッド・ビームの息子であるジャック・ビームにより、1860年に創設された蒸留所とその造り出すブランドは、前時代の伝統的な製法への敬意を表してアーリータイムズと名付けられました。バーボンが徐々に近代化して行く流れの中での、マーケティングとブランディングに於けるノスタルジアをウリにした初期の好例と言えるでしょう。アーリータイムズはその「古き良き時代」を思わせる名前にも拘わらず、バーズタウン近くのL&N鉄道の隣に、輸送の利便性を考慮して戦略的に設置された近代的な蒸留所でした。伝え聞くところでは非常に清潔な操業を行っていたとされています。
1880年代になるとパデューカ・ネイティブのB.H. ハートという有能なビジネスマンが企業パートナーとなって社長を務め、ジャックは副社長兼ディスティラーを務めました。この時代にブランドはより強固になって人気を得、需要の増加により1890年ま​​でにプラントは大幅な増産を見せました。世紀の変った直後にハートは自分の株式をビームに売却し、その頃ジャックの甥でゼネラルマネージャーだったジョン・ショーンティが3分の1の株を購入します。 サールズ・ルイス・ガスリーは1907年頃、見習いのオフィス・ワーカーとして入社し働き始めました。そして、後に蒸留所のアシスタント・マネージャーまで出世したようです。
1915年5月11日、創業者ジャック・ビームはこの世を去り、甥のジョン・W・ショーンティが会社を引き継ぎ社長になりました。ジャックの息子であるエドワードも会社と関係がありましたが、彼は父親の死の数ヶ月前に42歳で死亡しています。禁酒法の足音が聞こえてきた1918年頃に蒸留所の操業は停止され、1920年にガスリーが蒸留所と農場を買い取りました。1922年にジョンが亡くなった後、 1923年にガスリーはアーリータイムズのブランドとストックをブラウン=フォーマン社に売却。彼らは「薬用スピリット」を販売する許可を得ており、増加する処方箋の需要を満たすための新たなバーボンの供給を必要としていたからです。それ以来、今に至るまでアーリータイムズはブラウン=フォーマンが所有しています。

ガスリーはセンセーショナルなアイデアを持った起業家であり、豪胆なギャンブラーでもあったのでしょう。禁酒法が施行され始める直前に、彼は蒸留所を急稼働させ、その多くのウィスキーを自分の地下室に貯蔵したと言われます。元禁酒捜査官に銃口を突きつけられて樽が盗まれたこともありましたが、危険を顧みずに、ガスリーはバーズタウン警察へのコネを使って、何とか樽を家に持ち帰ったこともあったとか。ガスリーの報われたギャンブルは、アーリータイムズ・ウィスキーを守ったことだけが唯一のものではなく、彼は犀利なカード・プレイヤーでもあったので、ポーカー一つでキャデラックを勝ち獲ったこともあったと言います。
またこんなエピソードもあります。ジョン・ショーンティの死後、残されたその未亡人は暫く後にデズモンドという名の若い男性と交際しました。彼女は彼が結婚しようとしていると信じ込んでいて、二人連れたってアトランティック・シティへと旅行に出掛けましたが、そこで男はかなりの金額といくらかの宝石類を巻き上げ、すぐに彼女を見捨てました。男は結婚詐欺師だったのです。蒸留所オーナーの妻ともなれば身分やその資産は想像に難くありません。狙われたのでしょう。ショーンティ夫人は無一文ですっかり立ち往生したままだったので、ガスリーは彼女を迎えに行って家に帰してあげたそうな。
ガスリーが彼のウィスキーを守るために経験と知性と富の全てを投資しなかったとしたら、アーリータイムズは今日我々の口に入らなかったかも知れませんね。それでは、ありがたく現在のアーリータイムズを頂くとしましょう。

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EARLY TIMES Kentucky Straight Bourbon Whisky 80 Proof
推定2018年?ボトリング(瓶底に18のエンボス)。メープルシロップをかけたパンケーキ、キャラメルマキアート、焦がした木材、鼈甲飴、微かなフローラル、コーンチップス、ココア。円やかな口触り。基本的にグレイン・フォワードなフレイヴァーにたっぷりのブラウンシュガー。フルーツで言うとバナナ。余韻に延びはないが、軽くスパイシーさもあり悪くない。
Rating:77.5/100

Thought:以前のラベルの物と比較して、それほど大差はない印象を受けました。口にいれた瞬間、ああ、アーリータイムズの味だなぁ、と。しかし、そう感じたのに以前投稿した比較対決シリーズでイエローラベルをレーティングした時とは、点数を変更しました。その時はブラウンラベルとの飲み較べという状況が、イエローに不利に働いてしまったのかなと今では思ったのです。単体で飲むと全然美味しく感じてしまいました。
アーリータイムズは同程度の価格帯のバーボンと比較してかなり甘さが際立ち、そして80プルーフにしては風味も濃いめな気がします。もう少し価格帯が上位のバーボンにありがちなタニックなドライネスもなく、あるとすれば若さ故のアルコールの刺々しさの筈ですが、それも活性炭濾過のお陰か円やかさのほうが感じました。

Value:「結局はアーリータイムズが初歩にして究極なんだよね」と言う意見があったとしても、私には全く反論する気は起きません。これが一番美味しいバーボンとは思っていないにも拘わらず、1300円程度の値段でバーボンらしい甘さが味わえ、全国津々浦々どこでも手に入る流通範囲の広さも考慮すれば、それこそ究極と言うべきなのは理解出来るからです。日本に於けるアーリータイムズの受容の広がりと深みは、アーリータイムズを日本のバーボン飲みの「故郷(戻るべき場所)」にしてしまったとすら思います。これが価値でなくて何が価値でしょうか。

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EARLY TIMES 354 BOURBON
アーリータイムズ蒸留所の創業は1860年と言われており、ジム・ビームの叔父にあたるジャック・ビームがバーズタウン近くのアーリー・タイムズ・ステーションにて創始したとか。禁酒法の施行は小さな蒸留所に大きな打撃を与え、数多くの蒸留所が廃業に追い込まれました。アーリータイムズも例外ではなかったのでしょう、1923年からブラウン・フォーマンに買収され生き延びているブランドです。50年代にはアメリカで最も成功したブランドの一つでしたが、1983年以降アメリカ国内ではバーボン規格ではなくケンタッキーウィスキーとして販売され(*)、国外輸出向けにはストレート規格のバーボンとして人気を博してはいたものの、本国では最下層のアメリカンウィスキーの地位に甘んじているように見えます。ところが2011年に突如この354と名付けられたバーボン規格のアーリータイムズが発売されました。あまり売れ行きが芳しくなかったせいか、2014年に終売となりました(**)。

354という数字はアーリータイムズを造るプラントの連邦許可番号(DSP-KY-354)から由来しています。熟成年数はNAS(No Age Statement)ながら4年とされ、特別に選ばれた樽からボトリングされているようです。
通常のイエローラベルと較べるとフレッシュフルーツ感が強まっている印象。オレンジやリンゴっぽい。やや水っぽく、澄んだ酒質。確かにイエローラベルより高級なテイストは感じられるが、正直言って物足りない。おそらく43度でボトリングしてくれてればもう少し美味しかったに違いない。ボトルのデザインは古めかしくてカッコいいのだが…。
Rating:81/100


*古樽で3年熟成された原酒が混ぜられているためバーボンと名乗れない。

**今ではボトルド・イン・ボンド規格のアーリータイムズが発売されてます。

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「安酒を敬いたまえ」シリーズ第四弾、今回はブラウンフォーマン編です。

Brown-Forman Corporation◆ブラウンフォーマン社
BFのバーボンにはオールドフォレスター、ウッドフォードリザーヴ、ジャックダニエルズ等がありますが、当企画ではアーリータイムズのみ扱います。ETのマッシュビルについては過去投稿にて紹介してますのでご参照下さい。チャーリング・レヴェルは一説には# 3 、バレル・エントリー・プルーフはおそらく125だと思います。

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EARLY TIMES Yellow Label 80 Proof
1100〜1300円程度
Rating:76.5/100

EARLY TIMES Brown Label 80 Proof
1100〜1300円程度
Rating:78/100

申し訳ありませんが、これらのレヴューもこちらを参照してもらえればと思います、重複してしまうので…。

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アーリータイムズは日本では抜群の知名度を誇るバーボンですが、アメリカでは「バーボン」ではなく「ケンタッキーウィスキー」として販売されています(*)。古樽で熟成された原酒が20%使用されているためバーボンを名乗れないのです。ラベルも日本人に馴染みのあるあのイエローラベルではありません。どちらかと言えばブラウンラベルに似た色合いです。ブラウンラベルは日本限定の製品であり、96年から販売されました。当時のブラウン=フォーマンのマスターディスティラーで「アロマの神様」と謳われたリンカーン・ヘンダーソン(**)が製品開発に尽力したそうです。
では、この2つのラベルの違いというか中身の違いは何なのかと言うと、現在日本での販売を受け持つアサヒの公式サイトによれば、マッシュビル、イースト菌、サワーマッシュの配分、チャコールフィルターの回数と種類まで、かなりの違いがあります。個人的に注目したのはそのマッシュビルです。

イエローラベルはコーン79%、ライ麦11%、大麦モルト10%。
ブラウンラベルはコーン72%、ライ麦18%、大麦モルト10%。

これはロウ・ライ・マッシュビルとハイ・ライ・マッシュビルの違いに相当するほどの差です。フレイヴァー・グレインであるライ麦の比率がこれだけ違うのならば、アーリータイムズとは全く違う銘柄を造り上げてもおかしくはなかった。現にバッファロートレース蒸留所ではライ麦率のロウとハイの違いで幾つかのブランドを造り分けています。ましてやイースト菌とサワーマッシュとチャコールフィルターまで違いがあると言うのだからよっぽどです。しかし、別のブランドは産まれず、アーリータイムズの兄弟が産まれたのでした。ブラウンラベルの説明をアサヒのサイトから引用しましょう。

「ココナッツの皮をベースにし活性炭でろ過する過程はどちらも同じ。アーリータイムズの飲み口のよさはここから生まれます。さらに、私たちが飲んでいるブラウンラベルになるにはもう一工程足されます。
イエローラベルとして造られた原酒とブラウンラベルとして造られた原酒を混ぜ合わせ、味わいを軽く、香りを高く仕上げます。
その上でピートをベースにした活性炭で再度ろ過。味わいをさらに磨き上げることで、あのスムースでコクの深い味わいができあがるのです。」

ここで注目なのは「イエローラベルとして造られた原酒とブラウンラベルとして造られた原酒を混ぜ合わせ」というくだりです(その比率は一説にはイエロー70%ブラウン30%と聞きます)。アーリータイムズを造っているプラント(DSP-KY-354)では、ブラウン=フォーマンの誇るもう一方の銘酒オールドフォレスターも造っています。そのオールドフォレスターのマッシュビルがコーン72%/ライ麦18%/大麦モルト10%なのです。
これは私の想像なのですが、もしかするとブラウンラベルの正体はアーリータイムズ原酒にオールドフォレスター原酒をブレンドしたものなのではないでしょうか?  イエローラベルとブラウンラベルは日本での販売価格は共に同じであり、1200円前後で買えてしまう「良心的で安定のバーボン」です。なのにブラウンラベルは随分と手間暇がかかってるように見える。もう500円くらいは高くてもよさそうに感じる。しかし、そうはならなかった。これはビジネス上のサーヴィスと考えるよりは、ブラウンラベルを構成する諸要素がそれほどコストをかけずに出来る、と考えたほうが自然な気がするのです。何かの本かウェブサイトか忘れましたが、アーリータイムズとオールドフォレスターでは使用する酵母が違うという情報を目にしたことがあります。それが真実なら、イエローとブラウンの酵母は違うと言うのだから、ブラウンにオールドフォレスターの酵母を使ってる可能性もあるのではないでしょうか?  そしてマッシュビルもオールドフォレスターと同じなら、それはオールドフォレスターじゃないですか……と、あくまで私の想像というか妄想でしかないことを書き連ねてしまいました……そろそろイエロー対ブラウンの対決に移りましょう。

EARLY TIMES Yellow Label 80 Proof
80プルーフの割りに色が濃く、キャラメル香もオークの風味も効いている。ブラウンシュガーライクな甘み。口に含むと円やかではあるが、やや水っぽい印象を受ける。それほどフルーツ感はないが、強いて言えばバナナ。余韻に、個人的には好ましくない風味を感じる(***)。それが何なのかわからないが。
Rating:76/100

EARLY TIMES Brown Label 80 Proof
イエローに較べより華やいだ香り。キャラメルやオークの風味が効いてるのは同じだが、飲み口には明らかにライ麦の影響を感じさせる。ブラウンシュガーにフレッシュフルーツが少し混じる感じ。円やかで水っぽいのも同じ。余韻は短いが、イエローにあった嫌な風味は気にならない。
Rating:78/100

Verdict:個人的にはブラウンの圧勝でした。私がハイ・ライ・マッシュビルが好みなので当然と言えば当然かな。イエローが好みという意見も聞きますから、詰まるところコーンの甘さを取るかライのフルーティーさを取るかの選択なのかも知れません。どちらも価格の優れたバーボンです。


*近年では群青色のラベルでボトルド・イン・ボンドのアーリータイムズが本国で発売されました。遡ると「354」という上位ラインのストレートバーボンもありました。更に遡ればスタンダードな物もストレート規格でした。

**ヘンダーソン氏はウッドフォード・リザーヴの立ち上げやジェントルマン・ジャック(JDの親会社はBrown-Forman)の商品開発、昨今ではエンジェルズ・エンヴィを造り上げたバーボン業界の伝説の方で2013年に75歳で死去されました。

***この風味は開封から一年ぐらい放置しておくと消えます。

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