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オールド・グロームスは日本のバーボン好きには比較的知られていますが、本国アメリカでは一部のマニアを除いて殆どの人が知らない銘柄です。その理由はオールド・グロームスのラベルが日本市場向けなのと、生産量が少ないからだと思われます。そして、それを造っているのがNDP(非蒸留業者)なのは確かなのですが、原酒の調達先については、諸説あったり、製造年代による変遷があると見られ、また一部は別ソースの可能性もありそうで、あまり明らかではありません(*)。そんな謎のブランドにあって唯一そのソースが明確なのが、このオールド・グロームス・ヴェリー・ヴェリー・レア16年。
殆どのオールド・グロームスはラベルに「イリノイ州シカゴ」とありますが、このオールド・グロームス16年だけ「ケンタッキー州ローレンスバーグ」とあります。これはジュリアン・ヴァン・ウィンクル三世のオールド・コモンウェルス蒸留所でボトリングされたことを示しており、彼自身の証言からあの有名なA.H.ハーシュ・リザーヴと同じペンシルヴェニア1974原酒が使用されたと判明しているのです。ラベルにもちゃんとに「ケンタッキー」の文字はなく、「ストレート・バーボン・ウィスキー」としか書かれていません。それにラベル・デザインも他のオールド・グロームスとは少し趣が異なり、なんと珍しくラベルには日本語の文章も綴られています。
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「珍品」とか「殿方」という言葉や文体に時代を感じさせますよね。A.H.ハーシュ・リザーヴとペンシルヴェニア1974原酒に関しては前回の投稿で紹介しましたのでそちらを参照して頂くとして、A.H.ハーシュ・リザーヴ16年とオールド・グロームス16年の中身の差はボトリング・プルーフだけだと思います。そこで、飲み比べ用に両者を同時注文した次第。一体どれほどの違いがあるのでしょうか?

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(画像提供Bar FIVE様)

Old Grommes Very Very Rare 16 YEARS OLD 101 Proof
推定1990年もしくは91年ボトリング(**)。フレイヴァーに於いて同じものを飲んでる感じはかなりあります。ですが、こちらの方がアーモンドキャラメルのような焦樽の香りが強く、パレートでもより甘みを感じ易い印象。ハーシュ・リザーヴがスパイス&ハーブが前面に来るのに対し、オールド・グロームスはキャラメルが前面に来るので、全体としてバランスが優れていると言うか整っている気がします。まあ、好みではあるでしょうが、やはりプルーフィングによる違いは大きく感じました。個人的には100プルーフ(前後)はバーボンにとって完璧なプルーフだと考えているので当然かも知れません。世界的な知名度ではA.H.ハーシュ・リザーヴ16年に劣りますが、オールド・グロームス16年はそれよりも更に美味しいバーボンだと思います。海外の方に較べてこれを飲みやすい環境にある我々日本人としては「飲まなきゃ損損」であり、「あるうちに飲んどけッ!」と切に思う…。
Rating:92/100


*後期のオールド・グロームスは日本で流通している情報ではジムビーム原酒とされており、それは8割方そうかも知れませんが、ここでは初期を含めたブランド全般に言及しています。シリーズ全体の紹介や会社の概要、ブランドの名前の由来となっているヒューバート・グロームスについては、いづれ機会があれば書くこともあるでしょう。

**瓶底の数字は88とありますが、この時期のジュリアン・ヴァン・ウィンクル三世は少し古いボトルを使用しているという情報がある他、ペンシルヴェニア1974原酒の情報を基に考えると、この年数が妥当と思われます。