バーボン、ストレート、ノーチェイサー

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タグ:シングルバレル

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ブラントンズは現在のプレミアムバーボンの魁として当時まだ珍しかったシングルバレルという形式で1984年から発売されました。当時のマスターディスティラー エルマー・T・リーが、先達のアルバート・B・ブラントンが特別に出来の良い樽を他の樽と混ぜずに招待客に振る舞っていたのをヒントに製品化したという伝説があります。
バッファロートレース蒸留所は、以前の名称をエンシェントエイジ蒸留所と言い、更に前はブラントン蒸留所とも知られていました。往年の親会社であるシェンリー社が同蒸留所に55年勤務したアルバートに敬意を表し蒸留所の名称をブラントン蒸留所としたと言います。ルーツを辿れば最初期はアルバートの父親ベンジャミン・H・ブラントンが建てたリーズタウン蒸留所に行き着き、エドモンド・H・テイラーJr.やジョージ・T・スタッグが辣腕を振るった時代がありました。バッファロートレース蒸留所のリリースするバーボンは同蒸留所のリーダーたる偉人の名前を冠したブランドが多いのです。

ブラントンズにはライ麦15%程度と言われる# 2 マッシュビルが使用されます。熟成年数の表記はありませんが、約8年とされ、全てウェアハウスHにて熟成されます。バッファロートレース蒸留所の熟成庫は殆どか煉瓦造りなのですが、H倉庫は唯一メタルの被覆で造られており、熟成が速く進むそうです。一説には4年ほど熟成した段階でマスターディスティラーを含む検査官がテイスティングをし、これは良い出来の樽だと判断されたものをH倉庫へと移して、更に3〜6年寝かせて熟成のピークに達したものをボトリングするのだとか。
またブラントンズと言えば特徴的なのは多面体のボトル形状とケンタッキーダービーのジョッキーを模したキャップでしょう。このデザインは秀逸という他ありません。キャップにはB・L・A・N・T・O・N2・Sのどれかの印があり、ゲートに佇む姿〜馬を疾駆する姿〜ガッツポーズで勝利する姿までの八種類があって、キャップを集めている人もいます。他のヴァリエーションとしては、度数の低いブラック、度数の高いゴールド、樽出し原酒のストレート・フロム・ザ・バレルなどがあります。この中でストレート・フロム・ザ・バレルだけがアンチルフィルタードで、他のはチルフィルタードとなっています。度数にせよフィルトレーションにせよ、かなりの違いを産み出しますよね。

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Blanton's Single Barrel Bourbon Whiskey 93 Proof
Dumped 6-15-12
Barrel No. 21
Warehouse H
Rick No. 24
こちらは並行輸入品です。並行輸入品は茶色っぽい紙の色で、正規輸入品はもっとクリームぽい紙の色をしています。で、どういう訳か並行輸入品よりも正規輸入品のほうが味が優れてるように感じるのです。このボトルに関しても、キャラメル香とスパイシーさの加減もよく、美味しいは美味しいのですが、そこまでの深みは感じれず…。シングルバレルという性格上、並行か正規かの違いに拘わらず、そもそも一樽一樽が違うのは当然なので、たまたまなのかも知れませんが、昔から「正規の方が味が良い」説は根強くあります。私の思い込みなのでしょうか?
また、もっと言えば90年代の物のほうが遥かに深みがあり美味しいと感じます。なので残念ながら得点は抑え気味になりました。  
Rating:85/100


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周知のようにフォアローゼスは他の蒸留所では見られない独自の方法でそのバーボンを造り出します。それは二つのマッシュビルとキャラクターの違う五つのイースト菌を使って10種類の原酒を造り、平屋のウェアハウスで熟成させ、それらをブレンドすることで品質と味を安定させるという方法です。フォアローゼスは1943年にシーグラムの傘下に入りましたが、その当時からシーグラムは酵母の研究をしていて、その影響を受けた造り方なのでしょう。またコックスクリークにある平屋の熟成庫も、元々はシーグラムが熟成の本拠地としていた歴史があるそうです。シーグラムという会社はなくなりましたが、フォアローゼスはその魂を受け継いでいると言ってもいいかも知れません。

10種類の原酒は4文字のアルファベットによって「O■S◆」というように表記され、「O」はフォアローゼス蒸留所で造られていることを意味し、「S」は「Straight whiskey」もしくは「distilled Spirit」を意味します。「S」の略は分かりやすいですが、なぜ「O」がフォアローゼズ蒸留所を表すかと言うと、それは昔フォアローゼズ蒸留所はオールドプレンティス蒸留所という名称だったからです。いくつもの蒸留所を抱えていたシーグラムは原酒の産出される蒸留所のバレルに各略号を与えており、その名残から「Old Prentice」の頭文字「O」でフォアローゼズ蒸留所を表すのです。
そして「■」の部分にはマッシュビルの種類を表す「E」もしくは「B」が入ります。「E」マッシュビルはコーン75%/ライ20%/モルテッドバーリー5%でライ麦少なめのレシピ、「B」マッシュビルはコーン60%/ライ35%/モルテッドバーリー5%でライ麦多めのレシピです。注意してほしいのはライ麦少なめのEマッシュビルでも、他社で言うとハイ・ライ・マッシュビルと呼ばれるライ麦含有率なところです。つまりフォアローゼスはライ麦率が凄く高いバーボンなのです。
そして末尾の「◆」にはイーストの種類を表す「V・K・O・Q・F」の何れかが入ります。左から順に、デリケート・フルーツ・クリーミー、ライト・スパイス・フルボディー、リッチ・フルーツ・フルボディー、フローラル・エッセンス、ハーバル・エッセンスというキャラクターを持っているとされ、それぞれに熟成のピークが違うそうです。この5種類のイーストは、上に述べたようにイーストの研究に余念のなかったシーグラムが、往時ケンタッキー州で所有していた五つの蒸留所にルーツがあるとの説がありました。どれがどの蒸留所のイーストなのか判りませんが、その五つの蒸留所とは、ルイヴィルのカルヴァート蒸留所、シンシアナのオールド・ルイス・ハンター蒸留所、ラルー郡のアサートンヴィル蒸留所、ネルソン郡のヘンリー・マッケンナ蒸留所、そして現在フォアローゼズの本拠地となっているローレンスバーグのオールド・プレンティス蒸留所です。
これら2×5の10種類のそれぞれの特徴は下記のようになるとのこと。

OESV─デリケートフルーティ、フレッシュ、クリーミー
OESK─スパイシー、フルボディ
OESO─フルーティ(レッドベリーズ)、ミディアムボディ
OESQ─フローラル(ローズ、アカシア)、バナナ、ミディアムボディ
OESF─ミント、フルーティ、フルボディ
OBSV─デリケートフルーティ(洋梨、アンズ)、スパイシー、クリーミー
OBSK─リッチスパイスネス、フルボディ
OBSO─ライトフルーティ、スパイシー、ミディアムボディ
OBSQ─フローラル(ローズ)、スパイシー、ミディアムボディ
OBSF─ミント、フルーティ、スパイシー、フルボディ

イエローラベルはこれらを全てブレンドしたもので
OESV+OESK+OESO+OESQ+OESF+OBSV+OBSK+OBSO+OBSQ+OBSF

スモールバッチは4種類のブレンドで
OESK+OESO+OBSK+OBSO

シングルバレルは当然1種類で
OBSV

と、されています。ちなみにリミテッドリリースの物はその都度、最も熟成の良いものが選ばれているようで、例として

2016年リミテッドリリース・スモールバッチは
OESK(16yr)+OBSV(12yr)+OESO(12yr)

エリオッツ・セレクトは
OESK

が、選ばれています。その他に現地では、プライベート・セレクションという或るお店や団体のためのシングルバレルがあり、それは任意の樽を選ぶことが出来るみたいで、お店の名前と「O■S◆の○年▲ヶ月熟成」というように記載されたシールがボトルの横に貼ってあります。それらはめちゃくちゃ旨いらしいです、バレルストレングスだし…。まあ、それは措いて、そろそろ通常品のシングルバレルの感想を。

Four Roses SINGLE BARREL 100 Proof
Warehouse No. RS
Barrel No. 80-6F
イエローやブラック、スモールバッチと比べると、ハイプルーフのせいか、だいぶオーキーな香り。飲むと、あぁフォアローゼスだなぁというフルーティさだし、濃いし、スウィーティーかつスパイシーで勿論おいしいのですが、どうも奥行に欠ける気がする。リッチではあるがコンプレックスではない印象を受けました。正直、スモールバッチの方が好みです。私とOBSVの愛称が悪いのか、ブレンドでないからそう感じるのか、他の樽だったらよかったのか、どうもわかりませんが、このボトルに関しては特別なフィーリングは感じませんでした。
Rating:86/100

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JACK DANIEL'S SINGLE BARREL SELECT 90 Proof
RICK NO. R-15
BARREL NO. 12-2062
セメダイン、オーク、キャラメル、杏仁。スタンダードなオールドNo.7に比べるとだいぶナッティな感じがする。また、だいぶ甘い。45度以上のジャックはどれも本当に美味しい。けれど、このボトルに関しては何かが足りない。いまいち深みに欠ける。
Rating:85/100

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エライジャクレイグ18年3DSC_0182
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Elijah Craig Single Barrel Aged 18 Years 90 Proof
BARRELED ON 2-23-90
BARREL NO. 3755
バーボンの父と称されるエライジャ・クレイグ牧師の名を冠したヘヴンヒルのプレミアムバーボン。12年物とは比較にならないほど複雑な芳香を持っています。様々なドライフルーツのアロマや味わいと、渋味を含んだオークの風味、それをアルコール度数45度でボトリングするバランス感覚は大変面白味があります。ピーチやパイナップルも出てきましたが、キャラメル感はそれほどでもなく、オーバーオークな感じもしません。いわゆるパンチやキックを求める人には向かない、長熟ならではの香味をきくバーボン。日本には殆ど輸入されていない21年や23年も本国ではリリースされており大変人気があります(と言うか18年も最近は日本に入ってこない)。
本ボトルは90年に蒸留されたもので、いわゆる旧ヘヴンヒルのジュース。現行と比較したことはないので味の違いは分かりません。
Rating:87/100

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JACK DANIEL'S SINGLE BARREL Jimmy Bedford's Final Selection 94 Proof
Rick No. R-13
Barrel No. 8-1312
Date 4-25-08
ジャックダニエルズ蒸留所の第6代マスターディスティラー、ジミー・ベッドフォードが2008年の引退を前に、特に優れた熟成樽を最後に選んだ「シングルバレル」です。今のところ飲んだことのあるJDの中では最も美味しかったです。トーストした樽の甘い香りといい味の深みといい桁違いでした。
Rating:92/100

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