タグ:メーカーズマーク蒸留所

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ルイヴィルの南東約60マイルに位置するロレットの由緒あるメーカーズマーク蒸溜所。彼らは1953年の創業以来、一部地域への限定的なハイアー・プルーフのヴァリエーションを除き、50年以上に渡って一つの製品しか造って来ませんでした。それが変わったのは2010年から。アメリカ本国でのバーボン熱がジリジリと高まりつつあった背景に後押しされたのか、スタンダードなメーカーズマークのみを提供するという長き伝統を打ち破って、インナー・ステイヴによるフィニッシングを施したメーカーズ46をリリースしたのです。その方法論は2016年の開始と同時に業界初のカスタムバレル・プログラムとなったメーカーズマーク・プライヴェート・セレクトの導入にも受け継がれ、大成功を収めました。また、2014年からのカスク・ストレングスや、2018年から旅行用免税店での販売のみとして始まり2020年に国内での発売もされたメーカーズマーク101など、より高いプルーフにてボトリングされた製品も展開するようになりました。2019年のRC6でデビューし、2020年のSE4xPR5、2021年のFAE-01とFAE-02、2022年のBRT-01とBRT-02と来て、2023年のBEPで終了したウッド・フィニッシング・シリーズや、2021年末から2022年初頭のメーカーズDNAプロジェクトなど実験的かつプレミアムな限定リリースもありました。しかし、メーカーズマークは長期熟成のハイエンドなバーボンをリリースする流行に乗ることは断固として拒否して来ました。「65年以上もの間、ウィスキーを10年以上熟成させるということは、私達が行ってきたことではありませんでした」と、メーカーズマーク創業者の孫であるロブ・サミュエルズは語っています。
ボトルのネックに滴る赤いワックスが目を惹くメーカーズマークは、マーケットで最も認知度の高いバーボンの一つであり世界的に広く親しまれた存在であるにも拘らず、これまで公式に熟成年数が明記されたものはありませんでした。それはメーカーズマークの創業者が掲げたヴィジョン、即ち常に驚くほどスムースで円やか、ソフトでクリーミーでリッチ、辛い刺激やタンニンを最小限に抑えたフレイヴァーに拘り続け、時間ではなく味わいに合わせてウィスキーを熟成させて来た結果でした。ケンタッキーの暑さはバーボンをすぐにオーヴァー・オークドなドライでタンニンが強い味わいにする傾向にあり、これは創業者ビル・サミュエルズ・シニアのフレイヴァー・ヴィジョンと真っ向から衝突するのです。 通常のリックハウスで10年以上熟成させたメーカーズマークを蒸溜所で試飲したことがある方は、彼らの懸念には真実味があり、確かにそういう味わいだったと言っていました。上に挙げた「哲学」こそメーカーズマーク蒸溜所の本質と言えましたが、愛好家はどうしてもまだ見ぬものを欲望します。メーカーズマークの長期熟成バーボンは、このブランドのファンが長年待ち望んだ製品でした(有名なウィスキー・ライターのフレッド・ミニックもその一人)。そして、遂に「セラー・エイジド」の登場によって歴史が動く時が来ます。

嘗てビル・サミュエルズ・ジュニアはステイヴ・フィニッシュド・バーボンのアイデアを持ち込み、メーカーズマークの歴史に足跡を残しました。今度はその息子ロブの番でした。9歳の時から蒸溜所で汎ゆる仕事を経験してきたというロブは、父ビル・ジュニアの後を継ぎ、2011年にメーカーズマークCOOに就任しています。ロブがセラー・エイジドを考案する際に直面した課題は、ブランドのファンが長年求めて来たウィスキーを提供すると同時に一族の伝統に忠実であることでした。彼はそれを解決しようと、46やプライヴェート・セレクトのバレルを熟成させるため2016年12月にスターヒルの丘の中腹に新設されたライムストーン・セラーを利用することを思い付きます。「外がどんなに過酷な温度になっても、石灰岩でできたセラーの内部は常に10℃前後に保たれます。この自然の恩恵を活かせば、もっと時間をかけた熟成ができるのではないかと考え、これまでは不可能だった長期熟成に挑戦することに」したと、或るインタヴューでロブは語りました。他のウィスキー・メーカーのようにマッシュビルを変更したり、全く新しい方法で造るのではなく、伝統を重んじ、創業から変わらないヴィジョンを基に新たなフィーリングの味わいを築く、それがメーカーズマークの流儀な訳です。
メーカーズマーク・セラーエイジドになるために、バレルは先ず蒸溜所の伝統的な倉庫で約6年間、ケンタッキー州の気候や季節ごとの気温の変化に耐え、「メーカーズマーク」と呼べるようになるまで熟成されます。バーボンの場合、熟成庫内のロケーションが重要な役割を果たしますが、メーカーズマークはウィスキーをリックハウスで熟成させるに際し、熟成庫の上層階と下層階でバレルをローテーションすることにより、バレル間の温度差やその他の要因を均等にしている蒸溜所です。このプロセスのお陰で、どのバレルも全体的に同じような熟成を見せ、バレル毎の味わいは比較的似たものとなるのだとか。こうして標準的なメーカーズマークとしては「完熟」と看做されたバレルは、その後、ケンタッキーの丘陵地帯にある天然の石灰岩層に造られた独自のウィスキー・セラーに移され、更に5~6年の熟成を経ることになります。メーカーズマークによれば、このセラーは常に冷涼な環境であるため、エクストラ・エイジド・バーボンによく見られる刺々しいタンニンの影響を緩やかにし、奥行きを秘めたより深みのあるダークな風味を醸し出すことを可能にするのだそう。樽保管を木造やレンガの熟成庫でするのが一般的なアメリカン・ウィスキーのメーカーに於いてセラーを使用するのはメーカーズマークのみ。最終的に味を見ながらブレンドされた後、カスク・ストレングスにてボトリングされ完成となります。

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メーカーズマーク・セラーエイジドは、本国アメリカでは2023年9月に発売され、日本では2024年3月に発売されました。メーカーズマークからのプレスリリースによると、この商品は今後も世界中の特定の市場で年1回限定リリースされる予定です。毎年同じ熟成方法で造られますが、味わいを基準とし、バーボンの熟成年数の具体的なブレンドはその年によって異なります。初リリースとなる2023年エディションは、12年熟成87%と11年熟成13%のマリアージュで、115.7プルーフでボトリングされました。225バレルのバッチで、アメリカで約20000本、その他のグローバル市場で約10000本がリリースされた模様。今後のリリースも同じような数量が予想されるでしょう。それ以外の詳細は、メーカーズマークが公表しているスタッツ・シートによれば以下のようになっています。
マッシュビルは同蒸溜所自慢の70%コーン、16%ソフト・レッド・ウィンター・ウィート、14%モルテッド・バーリー。ミリングはローラー・ミル、ファーメンテーションは3日、コラム・スティルで120プルーフを得たあとダブラーで130プルーフ、そしてバレル・エントリーは110プルーフ。バレルは、ケンタッキーの夏を含む1年間を屋外でシーズニングしたアメリカン・ホワイトオークを使用し、チャー・レヴェルは#3。12年熟成87%は10L13、11B07、11B15、11B(or C)29、11年熟成13%は12B16のコードのバレルが選ばれています。それぞれのバレルのウェアハウス・ロケーションは、10L13がウェアハウスQ、11B07がウェアハウスO、11B15がウェアハウスL、11C(or B)29がウェアハウスH、12B16がウェアハウス29からでした。バレル・コードは最初の2つの数字が年を、アルファベットが月を、最後の2つの数字が日を表しています。セラーへの移動はそれぞれ2017年10月と2018年5月に行われました。平均的なセラーの温度は47°F/8.3°C、湿度は58.1%とされます。バレルからのダンプは2023年6月3日に行われました。
では、さっそくメーカーズマーク史上最も長熟のバーボンであるセラー・エイジドを味わってみましょう。

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Maker’s Mark Cellar Aged(2023) 115.7 Proof
2023年ボトリング。色はディープアンバー。ミルクキャラメル→クレームブリュレ→黒糖、チェリー、杏仁豆腐、唐辛子、ラズベリー、パフ入りチョコ、接着剤、僅かに杉、あんずジャム。甘いお菓子にフルーティなアロマ。期待よりは緩いが、とろりとした口当り。ダークな樽感と穏やかなスパイスの中にスッキリとしたフルーティさもある味わい。ウッディなスパイスが来てからのややドライで微かに苦い余韻。アロマがハイライト。
Rating:88/100

Thought:まるでデザートのようなバーボン。特に少し空気に触れさせておくと漂う美味しそうな洋菓子の甘美な香りが心地良かったです。アロマだけなら汎ゆるメーカーズマークで一番かも知れない。口の中では意外とフレッシュなベリー感が印象的。開封したては果実味がやや鈍く感じましたが、液量が半分を下回る頃には甘酸っぱが増して頗る美味しくなりました。確かにメーカーズマークが言うように、味わいや余韻は過度にドライでもなく渋みもありません。おそらく彼らが意図的に狙った味は上手く表現出来ているのでしょう。余韻に関しては、この価格帯ならもう少し長く広がりがあって欲しいとは思いましたが…。
プルーフに違いがあり過ぎるスタンダードなメーカーズマークやステイヴの選択に様々な種類があるプライヴェート・セレクションは別として、バッチの違いにより多少異なるものの似たようなプルーフをもつカスク・ストレングスと較べると、ノーズは明らかに豊かでスウィートでテクスチャーはソフトに感じました。ただ、フルーツ・フレイヴァーの芳醇さはカスク・ストレングスも負けてない気がします。曖昧な書き方をしたのは、これがサイド・バイ・サイドではなく以前に飲んだ物と記憶で比較しているからです。まあ、その記憶が確かだったとして言えるのは、総合的に見るとセラー・エイジドはカスク・ストレングスより2倍近い熟成年数にも拘らず、変に癖のあるフレイヴァーが追加されることもなく、寧ろメーカーズマークの古典的なフレイヴァーを維持しつつソフトさとリッチさと複雑さを僅かに増幅させており、物凄く美味しくなってはいないけれども確実に少し美味しくなっている、と云うこと。これは著名なバーボン・レヴュワーの何人かと同じような感想であり、彼らは「メーカーズマーク・カスクストレングスを並べて比較すると、セラー・エイジドに軍配が上がるが、その差は圧倒的ではない(要約)」とか、セラー・エイジドを「メーカーズマーク・カスクストレングス+」だと評したりしています。彼らから指摘されているのは、熟成期間の後半をかなり涼しく、暗く、湿ったセラーで過ごしたことで、液体とバレルの相互作用はリックハウスで熟成を続けて得られるものとは異なり、このセラー・エイジドが人々が思い描くような長熟のバーボンではないという点です。セラーエイジドは本物の12年熟成製品のように扱うべきではないという指摘すらありました。個人的には長熟は苦手な風味を感じることが多いので、メーカーズマークの考えには基本的に賛同なのですが、確かに従来品と較べて「突き抜けて違うもの」を期待したせいか若干拍子抜けした感は否めません。有名な某ネット掲示板のセラー・エイジドの投稿では、木製のリックハウスで全期間熟成させた12年物のバーボンを求める声はちらほら見られました。メーカーズマーク自身は嫌うものの、実際に蒸溜所のイヴェントでそうした熟成バレルのサンプルを試飲した方で、それは格別だったと一部の人からは評価されたりもしています。私がリックハウス熟成の12年物を好むかどうかは飲む機会もないので措いておくとして、これはそもそも論なのですが、メーカーズマークに就いて海外の或る方が「床は高く、天井は低い」と言っていました。実を言うとあまりメーカーズマークに熱心でない私にとって、その意見は腑に落ちるものでした。私なりにメーカーズマークを野球で例えると、必ず二塁打か三塁打を打つが絶対に凡打もホームランも打たないバッター、というイメージがあります。安定の優等生とでも言うのでしょうか。これは良い悪いではなく、そういうキャラクターというだけなのですが、時に感情を振り回されるからこそ惹かれるファン心理というのもありますから、メーカーズマークの最大の長所であると同時にちょっとしたウィークポイントとなっているように私には感じられるのです。それが今回のセラー・エイジドにも、まんま当て嵌まると言うか…。いや、誤解のないように繰り返すと、これは瑕疵ではありません。だって素晴らしいバッターですもの。それに、この解釈は単に私がそもそもメーカーズと親和性がないためにそう思うだけで、メーカーズマークのプロファイルが好きな人にとっては毎回ホームランを打つバッターかも知れないですからね。皆さんはメーカーズマークに就いてどう思われるでしょうか? コメント欄よりどしどしご意見お寄せ下さい。

Value:アメリカでは150ドル、日本では17600円が希望小売価格でした。海外のセカンダリー・マーケットでは発売後、瞬く間に300〜500ドルになったことを思えば、サントリーが正規に取り扱ってくれたお陰で我々日本人はお店で予約さえすれば労せず適正な価格で買うことが出来ました。プレミアム・バーボン及びアメリカン・ウィスキーの価格設定が全体的に上昇している現状を踏まえると、このメーカーズマーク・セラーエイジドの価格は、かなり安いと言うか、少なくとも妥当な価格と思えます。例えばワイルドターキーで言うと、マスターズキープのヴォヤッジ(ボヤージュ)の30000円や、ジェネレーションズの77000円と比較すればかなり安く感じます。セラー・エイジドはメーカーズマークの哲学が詰まった製品ですから、メーカーズ・ファンならば買って失望することはないでしょう。変に割増金が乗せられた価格ではなく、希望小売価格であれば完全にオススメです。また、長熟バーボン嫌いな人でも飲み易いが故に、メーカーズのファン以外にもオススメ出来るバーボンです。但し、カスク・ストレングスの約8000円とセラー・エイジド18000円弱の価格差ほどは味わいが大きく向上した気はしないので、希望小売価格でも高過ぎると思う方へは、カスク・ストレングスを2本買うか、同じ12年熟成枠としてワイルドターキー12年かエヴァンウィリアムス12年を2本買うことをオススメします。

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メーカーズマーク蒸留所の近代史は1953年にテイラー・ウィリアム(ビル)・サミュエルズSr.がバークス・スプリング蒸留所を購入した時に遡りますが、爾来、メーカーズマークは50年以上に渡って、一部地域への限定的なハイアー・プルーフのヴァリエーションを除いて、たった一つの製品しか造って来ませんでした。それが変わったのは2010年です。メーカーズはメーカーズマークのみを提供するという長き伝統を打ち破り、メーカーズ46をリリースしたのです。

メーカーズマークの特徴の最たるものは、苦味の少ないフレイヴァーと独特の滑らかな口当たりでした。ライ麦の代わりに冬小麦を使い、飲みやすいと評判のバーボンです。しかし、メーカーズの最大のファンであり忠実な消費者であるメーカーズマーク・アンバサダーでさえも、デラックス・ヴァージョンや、或いはもっと挑戦的なものを望んでいました。

メーカーズ46は四十年以上ものあいだ会社の顔として活躍したビル・サミュエルズJr.のヴィジョンに基づいています。引退を考えていた彼の最後の大仕事が46の開発にあったと言ってよいでしょう。2008年頃、彼と当時のマスターディスティラー、ケヴィン・スミスは新しいバーボンをどのような味にすべきか考えました。二人は既にメーカーズマークに存在しているキャラメルやヴァニラ、ベーキングスパイスやシナモンの風味を増幅することが目標であると見定めます。そこでこの実現に向けてケンタッキー州レバノンのバレルメーカー、インディペンデント・ステイヴ・カンパニー(ISC)を訪れ、その社長で「ウッドシェフ」を称するブラッド・ボズウェルに協力を仰ぎました。ボズウェルとスミスは、自らが望む結果を求めて木材と炭化プロセスの大規模な調査を始めます。約二年に渡り124回もの実験が繰り返された結果は、殆どの場合イライラするものでしたが、最終的に彼らの注目は「レシピ46」に集中しました。メーカーズ46の名はこの完璧な結果を達成するために行われた多くの異なる実験のプロファイル番号から由来しています。

46と呼ばれるステイヴは、厚さ1インチのフレンチオークを素材とし赤外線熱で板の両面をトーストしたものでした。メーカーズマークでは、通常ISCに依頼しているバレルは、タンニンを分解するために少なくとも1回の夏を含む凡そ9ヶ月間その断片を休ませることをリクエストしますが、このオークは標準的なバレル・ウッドより最長で3ヵ月長くマチュレーションさせているようです。この追加時間は過酷な風味を作り出すタンニンをより柔らかくするためだそうで、おそらく赤外線加熱で焦げすぎないようにトーストするのもタンニンを抑える処理なのでしょう。そしてボズウェルによればフレンチオークは、通常バーボン樽に使用される典型的なアメリカンオークよりもスパイス・プロファイルが強いと言います。これを、もともとメーカーズマークを収容していた樽に10枚セットして、5年半から6年ほど熟成させた通常のメーカーズマークとしては完成された原酒をカスク・ストレングスで再補充し、冬の間の約9週間ほど追加熟成させると46の出来上がり。

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スミスによると、最初、数週間のうちにサンプリングした時は失敗かと思ったそうです。しかし、ウィスキーのフレーバー・プロファイルは更なる数週間で劇的な変化を見せ、6週か7週までにタンニンは減退し、9週まで達する頃には十分に円やかになったとか。また熟成期間だけでなく温度(気温)も重要で、試行錯誤の実験によって寒い冬の数ヶ月間の仕上げが最高の結果を達成していました。暑い月にメーカーズ46のバレルが60ディグリー以上の熱に晒されると、バーボンが圧力によって内側に配置された10枚のフレンチオークのステイヴに深く押し込まれ、あまりにも多くの相互作用を強いられるためメーカーズが望んでいない苦い風味をもたらします。そのため46のバレルは50ディグリー以下の温度の冬場でしか仕上げることが出来ないのだそう。

メーカーズ46は2010年の発売以来人気を博しています。しかし、上に述べたように46のバレルは冬期しか仕上げることができないため、その人気こそが問題になっていました。そう、需要に供給が間に合わないのです。メーカーズはそれを解決する方法として、蒸留所から約100ヤード離れた大きな石灰岩の丘の中腹にダイナマイトで穴をあけ、そこに新たなエイジング施設を造り、2016年12月にオープンさせました。現COO(最高執行責任者)でビルJr.の息子ロブ・サミュエルズの弁によれば、これは世界初のライムストーンのウイスキー・セラーであり、彼のチームはワイン生産地のセラーからインスピレーションを得たと言います。

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メーカーズマーク・ウィスキー・セラーと呼ばれるこの施設は、石灰岩が後壁全体と側面を形成し、屋根は土壌を利用した「生きた屋根」で覆われています。建物の外観はドライス​​タック・ストーンウォールで造られ、美しい木製のドアがあり、世界的に有名なレキシントンのランドスケープ・アーティスト、ジョン・カーロフティスによる造園が施されました。建物の奥の方にあるエイジング・ルームは薄暗くて涼しく、露出した天然の石灰岩が見えており、正に「石灰岩の洞窟」のような雰囲気です。石灰岩と土壌の断熱効果で室温は一年中50ディグリーに自然と維持され、これにより寒い時期しか実行出来なかったウッド・フィニッシュのプロセスが年間を通して可能になりました。これは急増するメーカーズ46とそのプレミアム版であるプライベート・セレクトの需要を満たすために重要なことだったのです。ここにはそれらを最大2,000バレル収容できるとか。
また、この施設にはエイジング・セラーだけでなく、すぐ上に述べたプライベート・バレル・セレクト・プログラム用のテイスティング・ルームもあります。そこの壁には、ルイヴィルのフレイム・ラン・ギャラリーのオーナーであるガラス吹き職人ブルック・フォレスト・ホワイトJr.によるガラスアートが彩られ、試飲者をゴージャスな気分に盛り上げます。施設全体のデザインおよび設計はHubbuch&CompanyとKerr-Greulich Engineers Inc.が共同で担当しました。このウィスキー・セラーは、2017年にはAIA KentuckyからExcellence in Architecture Designを受賞しています。

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Maker's 46 94 Proof 
キャラメル、焦げ樽、ヴァニラ、シガー、焼いたパプリカ、ケチャップ。ややクリーミーな口当たり。香り味わい共にフルーティさはあまりなく、木質ノートが支配的。通常のメーカーズマークより確かに甘味もスパイス感も強くなり、かなりリッチなフレイヴァー。余韻にはスモークも。
Rating:86/100

Value:スタンダードなメーカーズマークと較べて確実に美味しいと思います。しかし、スタンダードの最安値が2000円で、46は店舗によっては5000円になることがあります。倍以上の価格差はちょっとコストパフォーマンスに欠ける気もしますが、カスクストレングスが7000円程度、プライベート・セレクトが7500円程度ですから、46が4000円で買えるのならば、価格も考慮すると四種の中では個人的には46一択です。どうも現行のスタンダードには物足りなさが残るんですよね。

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