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リデンプション・ライは現代のライ・ウィスキー復活をリードしたブランドの一つです。英語の「Redemption」は「償還、救済、贖う、買い戻し」等の意味の言葉であり、ライ・ウィスキーを本来の場所に戻すという目的を持って創始されました。1700〜1800年代には、ライ・ウィスキーはアメリカでナンバーワンのスピリットだったとされます。その時代、ライ麦は豊富に獲れ、美味しいウィスキーが造られていました。しかし、禁酒法の制定はライ・ウィスキーを造る蒸留所を閉鎖に追い込み、禁酒法解禁後もバーボンのように復活することはなく、ライは殆ど忘れられた存在となっていました。ところが近年、クラフト・カクテルのバーテンダーやコンシューマーがその大胆でスパイシーなキャラクターを再発見するにつれて、ライ・ウィスキーは見事な復興を遂げたのです。

「リデンプション」はスピリッツ業界では比較的新しい名前です。2009年頃、蒸留酒ビジネスのヴェテランであるデイヴ・シュミエとマイケル・カンバーの二人は市場でのライ・ウィスキーへの関心の高まりに気づきました。主にカクテルに使用されるライ・ウィスキーは、殆どのバーボンではちょっと匹敵することが出来ないスパイシーな風味を提供します。そこで彼らはライ・ウィスキーやライ麦含有量の高いバーボンを製造するビジネスに参入することを決め、リデンプションは誕生しました。創設者が紡いだ伝承によると、リデンプション・ライは偶然に生まれたもので、インディアナ州ローレンスバーグの倉庫でライ・ウイスキー・バレルの貯蔵物を発見した時に、これなら古典的なアメリカン・スピリッツを完璧に表現することが出来ると確信した、と言います。シュミエとカンバーはそうしたLDI(ローレンスバーグ・ディスティラーズ・インディアナ=現在のMGPのこと)で出会った良質のウィスキーをボトリングするために、2010年にバーズタウン・バレル・セレクションズを開始、そこで数樽から始めて自身のラベルを作りました。そして、シュミエはリデンプションのためのブレンドを造り上げます。その目標は、バランスを重視し、親しみやすく、なおカクテルの中で立ち上がるのに十分に高いプルーフを持ち、勁いフレイヴァーを備えたものにすることでした。それはニートやロックでも然りです。結果、リデンプションは92プルーフに落ち着きました。
ちょっとリデンプションから話は逸れますが、ここで創始者についてもう少し。

デイヴ・シュミエはダイナミック・ビヴァレッジズの社長です。彼はリデンプション・ブランドで名を馳せた後、プルーフ・アンド・ウッド・ヴェンチャーズを設立し、現在では「ザ・アンバサダー」や「ザ・セネター」、「デッドウッド」のシリーズ、「タンブリング・ダイス・バーボン」や「ルーレット・ライ」等を発売しています。またシュミエは、2005年からニューヨークで始まり、現在では米国中の様々な都市で開催されている、マイクロ・ディスティラリー等のスモールバッチなクラフト・スピリッツだけ出展される展示会「インディ・スピリッツ・エクスポ」のディレクターでもあります。

もう1人のパートナー、マイケル・カンバーはストロング・スピリッツのオウナーです。彼の叔父は有名なスカイウォッカ(SKYY VODKA)の創業者であるモーリス・カンバー。ストロング・スピリッツは、ニューヨークはマンハッタン出身のカンバーが自分のブランドをボトリングするために2006年からスタートした、少量注文に焦点を当てたパッケージャー兼コントラクト・ボトリング会社です。彼らはパートナー・ボトラーとして他のボトラーのシャットダウンや遅延に起因するギャップを埋めたり、小ロットの生産を優先し、スケジュールから外れるような予期せぬ緊急事態に対応したりするバックアップ・ボトラーとしての役割も受け待ちます。
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カンバーはリデンプションの前に、自身のバーボンブランドである「80ストロング」の開発を試みましたが大きな成功は得れませんでした。80ストロングはブロンドヘアーのピンナップガール風のイラストが描かれたラベルが特徴のバーボン。カンバーは「これを造ろうとした時、本当にプレミアムなバーボンを、ホットな新しいパッケージに入れたかったんだ」と語っています。「私はバートンのスノーボード、ハーリー・デイヴィッドソンのモーターサイクル、フェンダーのストラトキャスターみたいに気取らずクールに見えて、しかも製造に妥協のない製品にいつも惹かれていたからね。そこで、そのコンセプトを80ストロングに応用した訳さ」と。それはケンタッキー州バーズタウンで蒸留、熟成、瓶詰めされたスモールバッチのオーセンティックなケンタッキー・ストレート・バーボン・ウィスキーでした。中身は4〜6年熟成のバーボンのブレンドだそうで、原酒はヘヴンヒルと見られています。ラベルには「プレミアム」という言葉のスタンプがデザインされていましたが、バーボンを普段飲まない人を対象としているように見えるポップなラベルであること、またスペックや80プルーフで21ドル程度だったことを考えると、実際にはプレミアム感は構築できていなかったと思います。
カンバーは叔父モーリスのスカイウォッカの成功を直に見ており、80ストロングの失敗の後もまだスピリッツ・ブランドの開発に熱心でした。けれども、過去の経験からブランドを市場に出すことがどれほど困難で費用が掛かるかも知っていました。だから、なるべく小規模なことから始めたかったのです。当時、彼はテスト・マーケットを開拓できるような20ケース(通常1ケース、750mlボトル12本)を実行してくれるボトラーを必要としていました。しかし、彼が見つけたボトラーの最小ロットは約3500ケースでした。それはカンバーにとって、その時点では考えられない投資でした。そこで、少量生産をしてくれるボトラーを見つけることが出来なかった彼は自身の製品を自らボトリングすることを決意します。
カンバーはその頃はまだニューヨークに住んでいましたが、バーズタウンを知っていました。それは80ストロングを開発しようとした時にロレット・ロードにあるケンタッキー・バーボン・ディスティラーズ(KBD=現ウィレット蒸留所)と契約していたからでした。彼はその間に業界や地域の人々と知り合いになり、バーズタウンという地名の持つ信頼性から会社をそこに置きたいと望みました。問題は政府の許可を得るために事前に機材を持っていなければならないことでした。そこで彼は、現在のバートン1792蒸留所の物流倉庫の一角を借り、40リットルのタンクと他の幾つかの寄せ集めで自作したボトリング・キットを設置しました。そして機材の写真を撮り、許可を申請したところ、驚いたことに承認されたのです。
カンバーがDSPライセンスを取得すると間もなくして、彼と同じく小規模生産を求めていた独立系ブランドから連絡を受けるようになりました。彼の運営が広まるにつれ200〜300ケースの注文が殺到したと言います。カンバーの事業は十分に成長し、2011年6月には創業時の建物の向かい側にある10万平方フィートの建物を購入しました。その契約ボトリングのための施設は、世界に冠たるバーボン首都バーズタウンのウィズロウ・コートにあります。ストロング・スピリッツの契約の多くには秘密保持が含まれているので全ては明かされていませんが、彼らがボトリングしている物には近年その名を上げているブランドが多数あります。有名なところではケンタッキー・オウルとか、昨今のアライド・ロマーのブランドもプリザヴェーション蒸留所にボトリング施設がないのなら多分ストロング・スピリッツを利用しているでしょう。あとは先述のシュミエのブランドも関係上ここでのボトリングです。

偖て、そろそろリデンプションの話に戻ります。NDP(非蒸留業者)のソーシング・ウィスキーには疑わしいバックストーリーも横行する中にあって、リデンプション・ブランドはそのウィスキーの出自を怪しげなマーケティングで飾りません。リデンプションは全てMGPからの調達であることを明確にしています。ブランド・アンバサダーを務めるジョー・リッグスによれば、このブランドがデイヴ・シュミエによって共同設立された時、彼は透明性を保つことによって責任のレヴェルを維持することを固く決心したそうです。MGP所有の蒸留所は、インディアナ州ローレンスバーグの川沿いの町にあり、170年以上の歴史を持ち、現在市場に出回っているライ・ウィスキー(特にNDPの製品)の推定80〜85%を生産していると目される旧シーグラムの大型蒸留所。我々消費者やバーテンダーは製品がMGPからのものであることを知れば、品質の信頼性を想像するのは難しくはないのです。
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シュミエとカンバーの事業、MGPのライ・ウィスキーをストロング・スピリッツでボトリングするビジネスは、カクテル文化の恩恵もあって、すぐに軌道に乗ります。初期の頃のリデンプションは下画像のようなラベルでした。ボトルのデザインも現行とは違い、スタンダードな物は背の高いボトルでした。ライの他にバーボンも作成されていて、語呂を合わせたのか「テンプテーション」と名付けられています。最終的にはテンプテーションは廃止され、リデンプションの名でバーボン・ヴァージョンを追加し、更に「リヴァーボート・ライ」というブランドも追加されました。
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発売以来、毎年順調に成長していたリデンプションは、ライ・ウィスキーの爆発的な需要増と相俟って寧ろ急激な成長を遂げます。「成長の方向性が見えてきたら、それに備えなければなりません」とシュミエは語ります。しかし、ウィスキーの場合、何年も先まで販売することが出来ないので、「ブランドを成長させ始める時にはかなり大きな資金協力がいります」。リデンプションの成功は良いことでしたが、バーズタウン・バレル・セレクションズのパートナー達は新しい樽に投資し続けるための資本を使い果たしました。「おかしなことに成功すればするほどお金がなくなって行くんですよ…」とシュミエ。パートナー達は出資者を探し始め、ドイチ・ファミリー・ワイン&スピリッツとの話し合いの結果、2015年にリデンプション・ブランドを含む会社全体の売却が決まります。この取引はリデンプション以外のリヴァーボート等の各ブランドに加えて、限定版のボトリング及びそれらのバレルの全在庫を対象としていました。パートナーの二人は移行を通じて暫くはドイチと協力し、その後、カンバーはバーズタウンでストロング・スピリッツを運営し続け、シュミエはエクスポを継続して新しいヴェンチャーを立ち上げて行きます。

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ドイチ・ファミリー・ワイン&スピリッツは、世界の高品質なワインを販売するために、現在の会長ビル・ドイチによって1981年に設立されました。30年以上前に二人の従業員から始まったビジネスは、今では200人を遥かに超える従業員がサーヴィスを提供する国際的な会社に成長しています。ドイチ・ファミリーのスピリッツのポートフォリオは限られていましたが、2000年代後半にスピリッツ事業に参入し、リデンプション買収の2年位前からウィスキー市場への参入を模索していたそうです。ポートフォリオにどのブランドを導入するかについては非常に厳選した、とビルの息子で同社のCEOピーター・ドイチは語っています。社長のトム・ステファンシも、リデンプションは品質、拡張性、評判、消費者にとっての価値など買収を評価する際に用いる基準を全て満たしていた、と述べています。リデンプション・ブランドの競争力は魅力だったのでしょう。同社の目標はリデンプションの主力製品の価格を個々の市場に応じてボトルあたり約28ドルに維持しつつ、最終的には全米規模のブランドとなるよう供給を拡大することでした。彼らは買収時にブランドのためのバルク・ウィスキーの長期供給契約を新たにMGPと締結しています。実際リデンプションは急速に広まり、同社のビジネスをより大きくしました。ちなみにドイチ・ファミリー・ワイン&スピリッツは、2016年にそれまでのニューヨーク州ホワイト・プレインズからコネチカット州スタンフォードに拠点を変えています(規模を大きくした)。また同社のスピリッツ部門には、リデンプションの他にビブ&タッカーやマスターソンズのブランドがあります。

ドイチ・ファミリーがリデンプションを買収してから約1年後の2016年11月から、同ブランドはボトルとラベルのデザインを一新しました。これはドイチによれば、ライの地位を固めるというブランドの使命を推進するための刷新なのだとか。社長のステファンシは「リデンプション・ウィスキーをポートフォリオに追加して以来、私たちは消費者やバーテンダーの話を聞くことに多くの時間を費やし、彼らの意見を参考にして、ライがアメリカで王様だった往年の時代からヒントを得た新しいパッケージをデザインしました。ブランドの新しい外観は、リデンプション・ウィスキーの個性をよりよく反映し、ライが持つアメリカならではの個性を表現してい」ると語っています。こうして都会的な印象を与えていたトールボトルは禁酒法以前のような伝統的なボトルに置き換えられました。ライ麦がボトルの前面にエンボス加工されており、ヒップ・フラスクのように背面が湾曲しているボトルですが、全体的にどことなく「ブレット」のボトルに似たスタイル。実際、ディアジオ(ブレットを所有している大企業)からはボトルが模倣されているとして訴訟を起こされたようです。このボトルがリリースされ続けているということはドイチは敗訴しなかったんでしょうね。
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買収された後のジュースの制作に大きな変化はないとされますが、ブレンダーは以前のデイブ・シュミエからドイチ・ファミリーのワインメーカーでもあるウェイン・ドナルドソンに代わりました。2020年頃からはデイヴ・カーペンターがマスターブレンダーの役割を担っているようです。カーペンターのウィスキーでの仕事は2012年にジムビームで始まり、2016年後半にジェプサ・クリード、そこからリデンプションに移ったみたいです。誰がブレンダーであれ、同じフレイヴァー・プロファイルの作成を目指し、ボトル(バッチ)間の一貫性は保証されているでしょう。

このブランドを有名にしたのは、おそらく、クラシックとモダン両方のカクテルに利用できる優れたベースとしての低価格なライ・ウィスキーだと思われますが、より上位のヴァリエーションやバーボンもあります。スタンダードとハイ・ライのレシピによるバーボン、限定版のウィーテッド・バーボン、毎年少量でリリースされるエイジド・バレルプルーフや流行りのフィニッシング物などです。
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更にスーパープレミアムな超長熟のライとバーボンのエンシェント・コレクションもありました。ライは1998年蒸留の18年熟成、54.95%ABV、400ドルの希望小売価格、限定600本のボトルのみ。バーボンに至っては1978年蒸留の36年熟成、94%の蒸発率で僅か18本のボトルを造るのに4バレルかかったと言われています。こちらは48.8%ABVで1200ドルの希望小売価格。まあ、手に入れるのは無理ですね…。これらは中身のジュースと同様ボトルも特別な仕様です。シルクスクリーンのライ麦のプリント、アンティーク感のあるエンブレム、革のコードで包まれたネック、そして木製のストッパーには1978年の実際のペニーが埋め込まれています。エンシェントに使用されたバレルはどちらも他のリデンプションと同じくMGPからの調達。

最後に、リデンプション・ライの中身についてもう少しだけ詳しく見ていきましょう。
リデンプション・ライは、MGPの提供するレシピの中で最も人気のある95%ライ、5%バーリーモルトのマッシュビルを使用しています。ブレットやジョージ・ディッケルのライ、その他多くのブランドに使用されているものと同じです。ボトリング・プルーフや熟成年数その他の要因によって同じマッシュビルでもブランド間で多少の違いが生じます。
ブランド・アンバサダーのリッグスへの2017年のインタヴューによれば、フラッグシップとなるスタンダードなライ・ウィスキーは、135プルーフで蒸留、バレル・エントリーは120プルーフ、ブレンドにはフレイヴァー・プロファイルに基づいて18か月から6年熟成までのウィスキーを使用し、バッチサイズは凡そ150バレルだそうです。公式の声明では平均2.5年熟成とされています。リデンプション・ライで何より特徴的なのは、明らかにMGPからもっとオールダーなジュースを購入することが出来るにも拘らず、かなりヤンガーなウィスキーを敢えて選んでいるところ。現在のマスターブレンダーであるデイヴ・カーペンターは或るインタヴューで、なぜ若い製品を選ぶのか訊ねられて、4〜7年熟成のウィスキーを出してもウィスキー文化に新しいものを加えることにはならない、我々はもっとブライトでシトラス・フォワードなものを提供するのが好ましいと思った、そしてそのような2〜3年熟成の製品はオールダー・ウィスキーが常に良いものであるという誤解を解けると考えている、というようなことを答えていました。これは個人的には好ましい考え方だと思います。
現在のリデンプションはNDP(非蒸留生産者)のソーシング・ウィスキーとしてかなり確立されたブランドであり、スタート時より資本力のある会社に所有されています。そこで我々が気になるのは自社蒸留を開始しないのか?ということですが、リッグスは上述のインタヴューで「私たちはシーグラム社で20年間働いて来た人たちよりも優れたウィスキーを造れるとは思っていません。MGPには30年来の素晴らしい蒸留チームがあります。だから、もしスティルを購入してもおそらく他の製品を造ることになるでしょう(要約)」と言っていました。これまた個人的にはベストな考えと思います。
では、飲んだ感想を少しばかり。こちらは友人からワンショット頂いての試飲となります。

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REDEMPTION Rye 92 Proof
Batch No. 260
色はゴールド寄りのブラウン。焦がした木、ライスパイス、フローラル、ピクルス、青リンゴ、キャラメル、ミント。トーストされた木材の甘い香りもありつつのスパイシーなノーズ。少しだけとろみのある口当たり。味わいはライのスパイシーさとフレッシュなフルーツ感とグリーンリーフのタッチ。液体を飲み込んだ後はけっこう刺激的。余韻はあっさりしてるが、爽やかで悪くない。
Rating:84.5/100

Thought:以前に飲んだトールボトル(レヴューはこちら)の物と劇的な変化はないように思いました。開封直後に頂いたのですが、のっけから美味しい。相変わらず、若さはあってもフレイヴァーフルで自分の好みです。強いて言うと、こちらの方がやや甘くて円やかな印象がありました。サイド・バイ・サイドではなく記憶との比較なので不確かですが…。
ところで、私が以前飲んだトールボトルのリデンプションにはストレート表記がなかったのですが、リニューアル後のラベルにはストレート表記があります。と言うか、画像検索でリデンプションを調べると、トールボトルにもストレート表記がある物があったり、新ボトルでもストレート表記なしの物が見つかりました。裏ラベルを見ると、ストレート表記がない物は「AGED NO LESS THAN ONE YEARS」と書かれ、ストレート表記のある物は「AGED NO LESS THAN TWO YEARS」と書かれているようです。もしかすると、2年熟成未満の原酒がブレンドされているバッチと、最低2年熟成以上の原酒がブレンドされているバッチでラベルを変えているのかも知れません。まあ、これは私の憶測なので聞き流して下さい。
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Value:アメリカでは大体25〜30ドルで売られています。現在の日本では某リカーショップで購入出来ますが、値段が5000円程度です。熟成年数を考えると少しお高めな気もします。いや、かなり。ですが、個人的には何故かテンプルトンやブレットよりもリデンプションの方が美味しく感じるので、ありはありかな。もう少し安いと常備ライにベストな選択となるのですが…。

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REDEMPTION RYE 92 Proof
Batch No:241
Bottle No:7099
アメリカで見事にライ人気が復活を遂げるなか、リデンプション・ライは確固たる地位を築いたブランドの一つです。名前のリデンプション(償還、救済、贖う、買い戻し)というのは、禁酒法以前にアメリカンウィスキーの主流だったライウィスキーの復権が製品コンセプトだから。と言っても、バーボンもリリースされてます。また、製品意図としてマンハッタンやオールドファッションドのベースとして提供されているようです。
現在では親会社がDeutsch Family Wine & Spiritsとなり、ボトルとラベルがリニューアルされてまして(おそらく2017年あたりから?)、画像の印象的なトールボトルは廃止となりました。中身のジュースは変わらずMGPの95%ライで、ケンタッキー州バーズタウンにあるDave SchmierとMichael Kanbarが運営するバーズタウン・バレル・セレクションズによってボトルリングされています。熟成年数は平均2.5年と言われていますが、ラベルにストレートライと書かれてないのと、裏ラベルに「Rye whiskey is less than one years」と書かれているところを見ると、おそらく1年熟成の原酒がかなり入っているのでしょう。では、テイスティングへ。

焦がした木、青リンゴ味のかき氷、芹、蜂蜜、洋梨、ライスパイス。全体に若草及びハーバルなアンダートーンが感じられる。余韻にはスパイス感と共に土っぽさも。口に含むと若い原酒のせいかピリピリするし、喉越しはかなりスパイシーだが、その刺激が心地よく、味わい的にも未熟感が却って好結果という印象。しかもビッグ・フレイヴァー。同じMGPの95%ライを使用し、似たようなスペックのエズラブルックス・ライ(※)と較べてアロマ/フレイヴァー/フィニッシュ全てに於いて強い。液体を光に透かして見ると、細かい粒子のような浮遊物がかなり見える。これはもしかするとフィルターをあまりかけていないのかも知れない。思うにアルコール度数もパーフェクト。

海外での評を見ると、ストレートで味わうには若すぎ、カクテルのベースにはオススメとする意見もありましたが、個人的にはガンガンとストレートで飲みたい味わいです。比較的安価にライ・フレイヴァーを楽しめるイチオシの一品。現行品と較べたことはありませんし、バッチ間の味の変動はあるでしょうが、少なくとも私の飲んだボトルはそうでした。
Rating:84.5/100



※ネットで調べるとエズラブルックス・ライはMGPの95%ライをソースとしているとの説明が多いのですが、当記事を書いた後にそうでない可能性が発覚しました。ですが、記録として記事内容を変更せず投稿しています。 

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