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テンプルトン・ライのブランドには定番の物に4年熟成と少し上位の6年熟成、限定生産の物に10年熟成とバレル・ストレングスがあり、そこへ2019年からバレル・フィニッシュ・シリーズという追加熟成を施したリミテッド・リリースが加わりました。その第一弾として発売されたメイプル・カスク・フィニッシュに続く2020年のシリーズ第二弾がこのカリビアン・ラム・カスク・フィニッシュです。ちなみに2021年はオロロソ・シェリー樽でのフィニッシングでした。テンプルトン・ライ自体のブランド紹介は過去の投稿でやってますので、興味のある方はそちらを参考にして下さい。

テンプルトン・ライ・カリビアン・ラム・カスク・フィニッシュは、蒸溜所のエイジング・ソースド・ストックから厳選された伝統的なアメリカン・オークのチャード・バレルで5年間の完璧な熟成を経たストレート・ライ・ウィスキーを、更にジャマイカ産ダーク・ラムの中古樽で6ヶ月間「仕上げ」たものです。このファーストフィルのカリビアン・ラム・カスクでのセカンダリー・マチュレーションにより、ライ・スパイスが強調され、繊細でエグゾティックなフレイヴァーとトロピカル・フルーツのトーンを加えると言われています。そして、特別な表現に相応しいノンチルフィルタードでのボトリング。ニートでもロックでも楽しむことが出来、更にはクラシック・ライ・カクテルに完璧なトゥイストを加えることが期待されています。ちなみにテンプルトン・ライ蒸溜所は2018年に自社蒸溜を開始したとされていますが、こちらの原酒は発売年から判る通りまだMGPからの調達です。

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TEMPLETON RYE CARIBBEAN RUM CASK FINISH 92 Proof
Limited Bottling Series 2
2020年ボトリング。トーストした木材→香ばしい焦げ樽、草、ライスパイス、ピクルス、チョコレート、スペアミント、ヴァニラ、青リンゴ、ラスク、洋梨、シガー。アロマは爽やかスパイシーノート。円やかな口当たり。味わいはグリーンリーフ多めでレッドフルーツも。余韻は、口の中の甘さがスッと消えると、尖ったスパイシーさとドライさが来て、最後に苦味が残る。
Rating:87.5/100

Thought:めちゃくちゃラムかと言うとそうでもなく、個人的にはそれほどラムっぽいスパイスやトロピカル・フルーツは感じませんでした。けれど、4年熟成や6年熟成の物にはない深みも確かにありました。それを言葉にするのは難しいのですが、強いて言うと焦げ樽感が強まっているのと口中で何かしらの赤い果実を感じるところがそれなのかなと思います。但し、本質的にMGP95ライの旨さで飲んでる感はありました。自分的には多分フィニッシングされてなくても旨いと思っちゃうだろうな、と。

Value:アメリカでの価格は45〜50ドル程度、日本でも5000〜5500円くらいが相場でしょうか。私ならこれとバレル・ストレングスが大差ない値段の場合、ハイアー・プルーフのバレル・ストレングスを選びますかね。とは言え、他社の追加熟成を施したスペシャル・リリースより比較的安価なのは良い点であり、スタンダードな製品と較べてみたり、同じバレル・フィニッシュ・シリーズのメイプル・カスクとシェリー・カスクと同時に味較べ出来たりしたらなお面白いでしょうし、迷わず買うだけの価値はあると思います。