タグ:79点

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「安酒を敬いたまえ」シリーズ第三弾、今回はバッファロートレース蒸留所編です。

Buffalo Trace Distillery◆バッファロートレース蒸留所
BTのバーボンにはマッシュビル#1と呼ばれるライ麦率推定10%以下のロウ・ライ・レシピと、#2と呼ばれるライ麦率推定12〜15%のハイ・ライ・レシピの二つがあります。他にも小麦レシピやライレシピもありますがここでは関係ないので触れません。チャーリングレベルは# 4、バレルエントリープルーフは125です。

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BENCHMARK OLD No.8 BRAND 80 Proof
1000〜1500円程度
実はこのバーボンを日本語でネット検索すると、20年前に出版された本から引用したと思われる情報やら、No.8を誤って8年熟成としてみたり、果てはモルトが主原料などと書かれた文章まで見つかり、あまりにも酷い状況です。また英語のバッファロートレースの公式ホームページですら、まるで主原料がライ麦であるかのような記述が見られるのです。幾らなんでも扱いが雑過ぎます。
ベンチマークは、そもそもはシーグラムが1968年にプレミアムラインの製品として発売したものです。シーグラム解体後にブランドをサゼラック(BTの親会社)が購入し、蒸留をバッファロートレースが行うようになりました。その時からラベルに「McAFEE's」と書かれるようになりましたが(この写真の物よりひとつ前のラベルデザインの物からで、おそらく日本では2009年あたりまでは流通していたと思われます)、これはマカフィー兄弟という初期ケンタッキーの入植者がバッファロートレース蒸留所のある場所のすぐ北の史跡を測量したことに因むようです。やや取って付けた感がありますが、ベンチマークという言葉が測量用語で水準点の意味なので言葉を掛けたのでしょう。おそらくシーグラムがプロデュースした当時はバーボンの新しい基準となる味わいを目指したのだと思います。
現行製品はマッシュビル#1で作られる3年熟成のエントリークラスバーボンとなっています。誤解を恐れず言えば、熟成場所が違うとはいえ、このバーボンをもっと熟成させたものが、バッファロートレースであり、更にイーグルレアと続き、果てはジョージTスタッグとなる訳です。では飲んでみましょう。
オーク、シリアル、ハチミツ、葡萄、生クリーム。バーボン然とした芳香は悪くないが弱い。円やかな口当たり。余韻のスパイス感少なめ。飲むとコーンウイスキー感が強いものの、甘味の勝った味わいは好印象。
Rating:79/100

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Ancient Age 80 Proof
1200〜1500円程度
元はシェンリーが創始した名ブランド。現在はBTのマッシュビル#2で造られるエントリークラスバーボンで、おそらく昔は4年熟成だったと思うのですが、いつの頃からか3年熟成になっているようです。バーボンが急速に高需要となった2010年以降じゃないかと勘繰っているのですがどうでしょう?
えーと、ここからレビューなんですが、ごめんなさい、先に謝ります。実はこのボトル現行品ではありません。推定07年ボトリングと思われる代物で、どうも「酸化の奇跡」か何かが起こったようです。開封直後から古典的バーボンノート全快で、オーク臭、キャラメル、ダークチェリー、僅かにスパイス。開封からしばらく経過するとラム酒を思わせる香りへと変化。更に余韻はコーヒーゼリーwithミルクまで出てきました。流石に90年代以前のバーボンのもつ何か質的に異なるような雑味成分の多い味わいではないものの、40度なのに香りが濃厚だし、口当たりもクリーミーなのです。
バーボンマニア、特にオールドボトル愛好家がよく言う、2000年あたりを境にバーボンが不味くなった説というのがあるのですが、本ボトルの07年ボトリングが正しいとすればその定説を覆しています。プチオールドボトルとは言え、とてもじゃないけど千円ちょいとは思えない味わいであり、もしかしたら最近のバーボンは不味いというより「硬い」だけで、酸化を上手くコントロール出来れば美味しい可能性を感じさせてくれる一本でした。ちなみに現行製品は、ボトルの肩に写真で見られるようなANCIENT AGEのエンボスはありません。エンボスがあれば古い製品です。売れ残りなどを見つけたら是非トライする価値はあるかと思います。
ただ、これでは当企画の趣旨を外れているので、参考までに言いますと、私が前に2010年ボトリングのエンシェントエイジを2013年頃に飲んだ時には、いたって普通のエントリークラスバーボンという印象で、レーティングするなら79点がいいとこでした。
Rating:83/100

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OLD TAYLOR 80 Proof(not 6 year)
1300〜1500円程度
オールドテイラーは長らくナショナルディスティラーズの看板製品で、87年からはビーム社の製品となっていました。その後2009年からはブランド権と樽のストックをサゼラック(BTの親会社)が買い取りリリースしています。いつの頃からかラベルに「6」という数字はあるものの「year」の文字はなくなり、6年熟成ではなくなりました。
弱いヴァニラ香と樽香、ややツンとした接着剤的な香り、メロン。飲み口はさっぱり。甘味が薄く、フルーティーとは言えるが、やや苦味があり、余韻は弱い。どうも飲んだ感じ6年に近い熟成感すらなくもっと若い印象を受けます。また、このボトルが何年製か判らないのですが(購入は2017年)、私が飲んだ限りバッファロートレース蒸留所の#1マッシュビルバーボンという感じがしません。かと言ってジムビームそのものかと言われるとそれも自信がないのですが、同時期に飲んだジムビームホワイトラベルやオールドクロウとは風味プロファイルは異なるように思いました。けれどジムビーム寄りの味ではある気がします。単純に計算するとビームストックは2015年に底を尽きる筈ですが…。まさかこれはジムビーム+バッファロートレースのブレンドなんて可能性もあるのでしょうか? 飲んだことある方のご意見を伺いたいです。
Rating:79/100

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「安酒を敬いたまえ」シリーズ第二弾。今回はジムビーム編です。

Jim Beam Distillery◆ジムビーム蒸留所
ジムビームのロウ・ライ・マッシュビルには調べてみるとコーン/ライ/バーリーがそれぞれ、77%/13%/10%と75%/13%/12%の二つの説がありました。どちらが正解か判断がつかないので並記します。チャーリングレベルは# 4 とされ、バレルエントリープルーフは125です。

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JIM BEAM White Label 80 Proof
1000〜1300円程度
世界一売れてるバーボンと言われています。少なくとも日本で入手の容易さで一番なのは間違いないでしょう。そのため私は自分のレーティングの基準として現行ジムビームホワイトを78点と定め、それよりどれだけ上か下かという具合に点数を付けているのですが…さて、困りました。
この度の企画用にラベルデザインが変更になった物を購入し、試飲したのですが、前ラベルよりも味が落ちてるように感じるのです。前のはライトではあってもそれなりに美味しかったし、比較的味わいも安定していたと思うのですが、これはとても4年熟成とは思えないほど熟成感が乏しい。どうも当たり外れがあるのかも知れませんし、何らかの理由で味が落ちたのかも知れませんし、もしくは時が経過してから開封したら美味しかったのかも知れません。一応レーティングはしておきます。
弱々しいバーボンノート、米、コーン、ハチミツ、だいぶよく言ってパイン。開封して二週間位で少しマシになったものの、どうもピンとこない。前ラベルの物は、調子の良いとき(笑)は白ワインを思わせるマスカットの風味が感じれたのですが。そちらのはこちらをご参照下さい。
Rating:76/100

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OLD CROW 80 Proof
1200〜1500円程度
歴史あるブランドのオールドクロウも、今やビームの下層バーボンとなっています。マッシュビルはジムビームホワイトと同じで間違いないと思われますが、酵母も同じという説と、酵母は違うという二説がありました。正直言って酵母の違いまでは飲んでも私には判りません。マチュリティの違いが絡んでくるからです。ジムビームホワイトが4年熟成、オールドクロウは3年熟成と言われています。それでいて流通量の多いものは安価になるという経済法則によって、ジムビームのほうが安く買え、僅かながら高い価格のオールドクロウは、スペック的にみれば買う意味のないバーボンとなってしまいます。ところが…です。熟成というウイスキーの味の決め手となるプロセスが神の手に委ねられているせいか、それともマスターディスティラーの悪戯か、或いは会社の良心か、はたまた瓶内熟成(微妙な酸化)のお陰か、もしくはチャーリングやトーストのレベルを変えているのか、ともかくこのオールドクロウに関してはジムビームホワイトを上回ってます。
本ボトルは2012年ボトリング。全てがライトではあるし、穀物感もありありとあるものの、樽香、味の濃さ、余韻の深みはジムビーム白より少し良好。特に焦げた樽の風味は断然あります。ただし、全てのオールドクロウがこうではないと思われます。と言うのも私は1990年代後半と2000年代初頭に二本ほど当時の現行オールドクロウを飲みましたが、その時はジムビームホワイトより格下の味わいだと感じたからです。それらなら3年熟成と言われても納得出来る味であり、レーティングするなら76点でした。現在のオールドクロウは少しだけラベルデザインが違います。それの味わいはどうなんでしょうね。
Rating:79/100

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JIM BEAM RYE PRE-PROHIBITION STYLE 80 Proof
1400〜1500円程度
ジムビームライは私の過去投稿でレビューしてますのでこちらを参照して頂ければと思います。また旧ラベルのライ(俗にいうイエローラベル)もレーティングしています。
Rating:82/100

この他にビーム産の安バーボンには数年前までバーボンデラックスがありましたが、どうも現在では終売となったらしく、購入しづらくなってるので割愛させてもらいました。
また当企画における比較対象が同時点で購入したボトルでないことをお詫びいたします。

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今回から数回に分けて「安酒を敬いたまえ」と題して、700〜750mlあたり1500円までのエントリークラスバーボンの飲み比べとレーティングの一覧を作ってみようと企画しました。正確には1500円を少し越える物も含む、1500円前後までと受け取って下さい。ここはジャックダニエルズもワイルドターキーもメーカーズマークもいないチープな世界。もう最低のラインですよ。ちょっと上物を飲んだ後では満足出来っこない。けれど、これも愛せてこそのバーボンマニアだと思うのです。高級品やレア物を飲むだけがマニアじゃない。あなたの口や脳や臓器がバーボンのために出来ているのなら、これらも愛せるはずだ(笑)。
では、蒸留所別に分けまして、今回はイントロダクションとヘヴンヒル蒸留所編となります。

Heaven Hill Distillery◆ヘヴンヒル蒸留所
ヘヴンヒルの通常のバーボンマッシュビルは、コーン/ライ/バーリーがそれぞれ78%/10%/12%と75%/13%/12%という二つの説があります。どちらが正しいのか判断がつきませんので並記させてもらいました。チャーリングレベルは# 3 と言われており、バレルエントリープルーフは125です。

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Heaven Hill 80 Proof
980〜1200円程度
ヘヴンヒル蒸留所はエヴァンウイリアムス黒ラベルをスタンダードなバーボンとして売り出しているようです。そこから考えるとこちらは、それよりも格下のバーボンと言えます。熟成年数はおそらく4年。或いは3年程度かも知れませんね。アメリカではヘヴンヒルのボトルド・イン・ボンド規格のものが売られているようです。昔は「オールド」のついた熟成年数の長いものもありました。
正直なにもコメントが思い浮かばないほど普通。いや、普通に旨いとは言えるのですが、それ以下でもそれ以上でもないと言うか…。うっすら甘く、さっぱりしていて、フルーティーと言うには果実感が足りない感じ。弱々しいキャラメル香は感じますが、穀物っぽさとケミカルなノートのほうが強く感じられます。と言って、くっさーい酒、クセのある酒とは言い難く、癖のないクリアでライトな如何にも現代の安バーボンです。しかし、値段からしたら十分美味しい。
Rating:77/100

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John Hamilton 80 Proof
980〜1300円程度
ジョン・ハミルトンという人はケンタッキーの初期蒸留家のようです。詳しくは調べてもよく分かりませんでした。もしかすると現行の物はアメリカでは売られてないエクスポートオンリーのブランドかも知れません。
これまた殆どヘヴンヒルと同じ印象です。全てがライト。バーボンらしいオーク臭や甘味や酸味があるけれども弱々しい。けれど値段からしたら満足というやつです。
Rating:77/100

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Old Virginia 6 Year 80 Proof
1300〜1500円程度
ヴァージニアと名付けられてはいるが、ケンタッキーストレートバーボン。ケンタッキー州はもともとヴァージニア州の一部だったので、ヴァージニア州で造られてなくてもこの名前はアリなのかも。日本には流通してませんが他国では同ラベルの8年熟成の物があるようです。原酒は明らかにされてませんが、香りからして典型的なヘヴンヒルのジュースだと思われます。
6年熟成ともなると40度とは言え、上記二つと較べだいぶ香りが豊かになります。スパイシーさも出てきました。しかし芳醇とは言い難く、やはりまだ穀物臭とケミカルな香りが強い。弱いヴァニラにコーン、ビオフェルミン。 フルーツ感も弱いけれど、安いのでけっこうお買い得感はあり。
Rating:79/100

他にもテンガロンハットという、日本にバーボンブームがあった時代に、日本酒類販売とナショナル・ディスティラーズが共同開発したブランドがあります。おそらく当時はND傘下の蒸留所、その後ジムビームの原酒を使っていたと思いますが、現在ではヘヴンヒルの原酒が使われています。なので、ここに並べても良かったのですが、価格的にみてヘヴンヒルやジョンハミルトンと大差ないと判断して割愛しました。値段は1000円ちょいです。是非お試しあれ。
更にはマークトゥエイン、マーチンミルズ、T.W.サミュエルズ等、ヘヴンヒルの若い原酒を使用したとおぼしきバーボンがありますが、同じ理由で割愛させて頂きます。
また、ヘヴンヒル蒸留所を代表する銘柄エヴァンウィリアムスのブラックラベルは1500円以内で購入できることもありますが、一つ上の価格帯と判断してここには載せてません。
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Mellow Corn BOTTLED IN BOND 100 Proof
コーンウィスキーの代表的な銘柄メロウコーン。コーンウィスキーらしい癖がハッキリと感じられるハイプルーフ、しかも安いとあって、アメリカではかなり人気があります。昔はメドレー蒸留所のブランドでしたが、現在ではヘヴンヒル蒸留所のブランドになっており、ラベルにその名残が見られます。こちらはボトルドインボンド規格ですから、おそらく熟成年数は最低限の4年でしょう。またコーンウィスキーの規定から、熟成樽は古樽もしくはチャーしてない新樽になります。そのためか、バーボンに比べ円やかさに欠ける嫌いがあるし、深みや奥行のある芳香もないし、コーンウィスキー臭さも残ってますが、100プルーフ(50度)あるので満足度は高いです。
Rating:79/100

さて、問題はここからです。ラベルに注目してください。ボトルドインボンド規格のスピリッツには、蒸留した施設のDSPナンバーと、ボトリングした施設のDSPナンバーも記載せねばなりません。ラベルから読み取れるのは、蒸留はDSP-KY-354、ボトリングはDSP-KY-31です。「354」はブラウン・フォーマンが所有するアーリータイムズを作っているプラントを表し、「31」はヘヴンヒル所有のバーズタウンにあるボトリング工場を表します。ヘヴンヒルの蒸留施設は元々バーズタウンにあったのですが、96年の大火災により蒸留施設は全焼し、現在はボトリング工場と熟成庫のみとなっています。そして99年にルイヴィルのバーンハイム蒸留所を購入して蒸留を再開し、現在に至るのですが、この蒸留所がなかった期間はブラウン・フォーマンやジムビームが蒸留を代行していたと言います。
で、このボトルは推定2013年ボトリングと思われます(瓶底判定)。熟成期間の4年を引くと蒸留は2009年。はて? とっくに自社蒸留に切り替わっている頃なのではないでしょうか? 残り物のラベルを使用している可能性もなくはないと思いますが、だとしたら余りにも残り過ぎな気がします。いや、第一厳格なボトルドインボンド規格を謳いながら、残り物など使っていたら駄目でしょう。

ここからは私の推理なので話し半分に聞いて(読んで)下さい。ヘヴンヒルからリリースされているライウィスキーにリッテンハウス ライ ボトルドインボンドという銘柄があります。ボトルドインボンド規格ということもあり大変人気のあるブランドです。有名な話なのですが、火災後このリッテンハウスライはブラウン=フォーマンが契約蒸留をしていました。ボトルドインボンド規格ですからラベルに「DSP-KY-354」の記載があり、ある年のものから「DSP-KY-1」(バーンハイム蒸留所の番号)に変わりました。調べてみると、どうやらその契約が2008年までだったようなのです。ごく単純に計算して、2008年蒸留に熟成期間の4年をプラスすると2012年となり、このメロウコーンのボトリング2013年との誤差が一年のみになります。一年の誤差ならなんとでもなる差です。あまり語られることのないメローコーンの裏話だけに、情報が少なくて混乱しましたが、おそらくメロウコーンも2008年までブラウン・フォーマンが契約蒸留していたのではないでしょうか? だとしたらラベルの謎も合点がいくのですが…。ここら辺の事情に詳しい方がいらっしゃいましたら、是非とも情報提供をお願いしたいです。

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