
今回はコストコのオリジナル・ブランド、カークランド・シグネチャーのバートン1792蒸溜所産のバーボンを使用したスモールバッチです。コストコとバートンのコラボにはスモールバッチ、ボトルド・イン・ボンド、シングルバレルと3種類あり、そのうち最も安価なのがこちらとなっています。byバートン1792マスター・ディスティラーズと銘打たれたこのシリーズの紹介は、以前投稿したボトルド・イン・ボンドの時にしているので、そちらを参照ください。また、当ブログにコメントをしてくれた方がそれら三つを飲み比べる記事を書かれていますので、これまた参考にしてみて下さい。格上と想定されるボトルド・イン・ボンドを既に飲んでいたので、こちらのスモールバッチは別に飲まなくてもいいかなと思っていたのですが、どの程度の違いがあるのか気になったこともあり買ってみました。では、さっそく注ぎましょう。

KIRKLAND SIGNATURE SMALL BATCH by BARTON 1792 MASTER DISTILLERS 92 Proof
Batch No. 1124
推定2021年ボトリング。ややオレンジがかった薄いブラウン。トーストした木、フルーツキャンディ、穀物、薄っすらキャラメル、ペッパー、梅干、雑穀米、アプリコット、シナモン。アロマはフルーティだが木の酸も。口当りはとろっとしつつサラッともしている。パレートは木材と僅かにアプリコットジャム、アルコールの辛味。液体を飲み込んだ直後はけっこう刺激的。余韻はドライ気味ながらリッチな穀物感も幽かに垣間見える。
Rating:81.5→84.5/100
Thought:開封直後はどうにもピンと来なかったのですが、開封から暫くすると香りにフルーティさが増して美味しくなりました。それから半年以上経つと、更に甘い香りとフルーツが濃厚になりました。これがレーティングの矢印の理由です。但し、相変わらず全体的にドライなテイストは持続しました。トースティなウッドとグレインがメインなフレイヴァーで、そこにフルーツとスパイスが乗っかる感じでしょうか。甘みはもうちょっと欲しいとは思いましたが、基本的には自分好みのバーボンだし、お値段を考えれば何の文句もありません。
先日まで開封していたボトルド・イン・ボンドとサイド・バイ・サイドで較べてみると、ベースとなる香味やフレイヴァー・プロファイルの傾向は明らかに似ていますが、BiBの方が口に含んだ瞬間から円やかな口当たりを持っていて、SmBは単体で飲んでる時には気づかなかった荒々しさが目立ってしまいました。これらは共にNASなので憶測でしかないですが、仮にSmBが最低4年熟成なのだとしたら、BiBは5〜6年熟成と思えるテクスチャーに感じます。逆にバッチングに使用されたバレルの平均熟成年数がほぼ同じなのであれば、アルコール度数にして4度の違いが生み出す効果が著しいと言わざるを得ません。当然ながらBiBの方がフレイヴァーの強度も高いですしね。もしくは、そもそもBiBの方が質の高いバレルが選ばれているのかも知れません。そうなると、スモールバッチはただのマーケティング・タームに過ぎない、と皮肉られる典型的な例のようで嫌ですが…。
バートン産のエントリー・クラスのストレート・バーボンで、今の日本で最も入手し易いザッカリアハリスと比べると、こちらはかなり美味しくなっています。焦がした樽の風味はより香ばしく、味わいはよりフルーティさが出てるのです。しかし、何というかバートン特有のアセトン感?も強まっているので、そこらへんは好みが分かれるところかも。もしかするとザッカリアハリスの方が甘く感じる人もいる?
Value:地域によって変動があるようですが、アメリカでは19ドル程度の場所が多いようです。日本では2500円くらいでしょうか。1リットル瓶ということもあり、かなりコスパはいいのでオススメです。とは言え、個人的にはもう少しお金を出してボトルド・イン・ボンドを購入することを選ぶでしょう。と言うか、それ以前に、これって今でもコストコ店舗で売ってるんですかね? 私はコストコ会員ではないので、よく分かりません。コストコの公式ネット通販サイトだと売り切れています。コストコ会員かつバーボン好きの方は是非コメントから情報いただけると嬉しいです。